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レトロ喫茶のマスターは珈琲より紅茶がお好きなようです  作者: あざらし かえで
第五章 レトロ喫茶の運命は如何に

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48/64

48.気になるメモの中身は?

 とっきーは空の容器が乗ったトレーを持ったまま、カウンターへ近づいてきた。


「さっきの客が噂の紳士だろ。なんか距離が近すぎる気もしたけど、気のせい?」

「別に意味はないんじゃない? ずっと楽しそうに話してたくらいだから」

「ったく、蒼樹(あおい)は隙だらけなんだよな。まあ店内でどうこうされるってことはないだろうけど」


 とっきーは相変わらず謎なこと言ってるな。

 店内で迷惑行為をする人なんて、この街にはいないと思うけど……百歩譲ってそんな人が現れたら対処するしかない。


「変な心配をしなくて大丈夫だって。俺はあの人の正体が気になるだけなんだから」

「蒼樹はいつもそんな感じだから仕方ないけど、鈍感は罪だよな」


 とっきーは気をつけろよなと言い残して、食器を片付けに裏へ行ってしまった。

 メモのことを内緒にしてくれって言ってた意味は俺も分からないけど、俺の推測通り個人情報だったら言いふらすことはできないよな。

 内容は気になるけど、閉店まで見るのは我慢だ。


 +++


 今日も無事閉店できたし、みんなを見送って片付けが済んだらメモを読んでみよう。

 とっきーは最後まで疑心暗鬼みたいな顔してたけど、別に悪いことをしてる訳じゃないもんな。

 謎の紳士の謎が解けるチャンスだし、とっきーとげんちゃんには申し訳ないけど先に俺が確かめてみるってことで!


「二人ともお疲れさま。また明日」

「ああ。蒼樹はまだ帰らないのか?」

「うん。俺は少しやることがあるから。二人とも先にあがって」


 げんちゃんは名残惜しそうにしてたけど、頷いて納得してくれたみたいだ。

 とっきーは俺のことを一度じっと見てから、ため息を吐いてるらしい。


「なーんか怪しいんだよな。蒼樹は嘘が下手だし、俺らに内緒で何か企んでるだろ?」

「何それ。企んでるって意味分かんないし。マスターにはマスターの仕事があるんだって。疑り深い男は嫌われるぞ」

「俺は心配してるだけだってのに、蒼樹ってばひどいな」

「はいはい。げんちゃん、とっきーを連れてっちゃって」


 俺がお願いすると、げんちゃんがとっきーの腕をぐいっと引っ張って連れていってくれた。

 とっきーは勘が鋭いから、誤魔化すのも大変なんだよな。

 二人を笑顔で見送ってから、俺は忍ばせていたメモをそっと広げてみた。


「ええと、君の知りたいことを教えるから電話してほしい? 俺、何か言ったっけ?」


 北條さんのことが知りたいって、顔に出てたのかもしれないな。

 メモに書いてあるのは携帯の電話番号みたいだし、緊張するけど電話してみるか。

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