33.折角だから追加注文
コーヒーをゆっくり飲みながら悩んだけど、全員でシェアすればいけるだろうということでピザトーストとプリンアラモードも頼むことにした。
「蒼樹はコーヒーお代わり頼むのか?」
「そうだね。同じブレンドでいいかな。げんちゃんととっきーは頼まなくていいの?」
「あー……俺はレモンスカッシュでも頼もうかな」
とっきーがメニューを手に取ってめくっていると、げんちゃんもメニューを覗きながら悩んでいるみたいだ。
「俺は……」
「無理して頼まなくても大丈夫だけど、ピザトーストも食べるならアイスティでも頼む?」
「そうだな。蒼樹の言った通りにする」
げんちゃんはきっと味が参考になりそうなものを探してくれてたんだろうけど、気にしすぎても食事自体が楽しめないからな。
気持ちだけありがたく受け取っておこう。
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頼んだものは比較的すぐにできるものだったみたいで、すぐにテーブルへ並べられた。
プリンアラモードは横広のガラスの器の中心にプリンが乗っていて、周りにメロンやオレンジなどのフルーツがキレイに盛られている。
パッと見でもプリンは固そうだし、たぶんお店オリジナルのプリンだろうな。
「いかにもって感じでいいな。プリンの上のチェリーにたくさんのフルーツだろ? 生クリームもボリュームあるよな」
「美味しそうだけど、やっぱり甘そうだな」
「蒼樹、ピザトーストを先に食べたらどうだ?」
げんちゃんは俺の前にピザトーストが乗っている皿を押し出してくれた。
厚めの食パンの上にチーズがのせてあって、サラミと輪切りのピーマンが見える。
折角だし一切れ取って口へ運ぶ。
「……マッシュルームと玉ねぎも乗ってるな。食べ応えある気がするけど食べるとそうでもないような?」
「蒼樹はしょっぱいの食べたそうだし、余計に美味しく感じそうだよな」
とっきーがからかうように笑いかけてくる。
実際しょっぱいものが食べたい気持ちだったし、ちょうどいい塩加減なんだよな。
「食べてるうちに腹が減ってきそうだ」
「フルーツサンドってデザートっぽいもんな。げんちゃんならわかると思ってた」
俺とげんちゃんが笑いながら頷き合うと、とっきーが不満そうな顔をして俺を見てくる。
が、これは演技だろうな。
本気だともっと分かりやすく不貞腐れた顔をするから、とっきーが不機嫌な時は分かりやすい。
「すーぐ二人で結託するんだよな。まあ、仕方ないから今だけ許してやる」
「なんだよそれ、エラそうなとっきー」
「そんなことないだろ。さて、俺もピザトースト食べてからプリンアラモードを食べないとな」
とっきーもピザトーストに手を伸ばして、口へ運ぶ。
美味しそうに食べてるから、この店のピザトーストは食べやすくて美味いという結論で落ち着いた。
後は、プリンアラモードだけだな。




