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ほっこり謎解きの物語②

 第1章


 現在の時刻は、10時20分、それから時間が流れ、11時30分、会話らしい会話はないまま時間が過ぎていた時、ビィーーー、と昔ながらの呼び出し音がなった。

その瞬間、ソファやデスクのイスにぐでっとしたメンバーが、すぐさま起き上がり、服を整え、

「UTI探偵事務所です。お客様、直ぐに開けますので、ほんの少しお待ちくださいませ」

と、受話器越しに所長が営業口調、いや、声のトーンを上げてお伝えした。

「あー、はい」

と、柔らかな口調の女性である。多分、バタバタとした音が漏れているに違いなく致し方ないといつも思いながらではあるが、刑務所の受刑者かと言わんばかりの動きでまたたく間に、小綺麗になっていく。

リーダーは珈琲を、チーフは清掃を、役割分担が出来ている。


2分後、ガチャッ、

鍵を開ける音と共に、爽やかな、にこやかな銀行の営業マンでもいそうな、笑顔で

「大変お待たせ致しました。どうぞお入りください。」

と言いながら、出迎えた。

依頼者が中に入ると竹野内風のチーフと軽い感じのリーダーも出迎えて

〘ようこそ、UTI探偵事務所ヘ〙

まるで、ここは劇団か!というくらい声を揃えて、二人も、にこやかな笑顔であった。

そんな、異様なお出迎えを受けて、女性は一歩足を踏み入れて

「あ、ありがとうございます。し、失礼致します」

かなりの戸惑いを見せ、

「では、こちらへ」

と、所長が。

先程とは打って変わって渋めのトーンであなたは、執事ですか?と言わんばかりの低音ボイスである。

案内されて、ソファー席に座る前に、3人に改めて向き直し、

「初めまして、私は北条雅子と申します、宜しくお願い致します」

深々と頭を下げた。

これから面接でも始めるのか?という感じで、ハキハキとした挨拶を行った。

お座りくださいと言い、手をソファーに向けて案内し、依頼人は軽く会釈をし、何処ぞのお嬢様のように、流れるように、左手で髪をかきあげながらスッーとお座りになられた。真向いに所長とチーフも腰掛けた。


「初めまして、UTI探偵事務所所長の浦島金太朗と申します」

 売れてる営業マンと言わんばかりな仕草で、名刺を差し出す。「こちらこそです、よろしくお願いいたします」

「えー本日はどのようなご相談でしょうか?」と所長

ここで

「えー失礼致します。珈琲でございます」

リーダーが横から丁寧な仕草でスーっと珈琲をお客様の前にお出しして

「お熱いかもしれませんので、お気を付けてお召し上がりください」

「お気遣いありがとうございます、頂戴いたします」

と、依頼人はリーダーの方を見てニコッとしてスムーズな動作で匂いを嗅ぎ、丁寧にお飲みになられている。一つ一つの動作や言葉遣いが丁寧かつスマートだなと3人は思った。余談だが、この珈琲は、リーダーが手間隙掛けて作成している。濃厚チョコレートのようなコクと甘さと、香ばしさと、ふわりとしたフローラルな香りを味わえるグアテマラ産珈琲を毎日、朝に引いた豆を準備している。依頼はないから、いつも3人が飲んでむだにはしていない。

リーダーは、見た目に反してバリスタの資格を持っているのだ。


依頼人の仕草を見て所長は、ふと、以前にも同じ様な感じ方が来られ、人さがしを依頼されなんやかんや話が噛み合わない方だなと同じように、手慣れている模様だった為、思い出した。中国地方で依頼対象者を探したがこれがめっちゃ大変だった為、もう二度とやりたくない、と所長は思っていた。多分、他の二人も同様な気持ちだろうなとも感じていた。

報酬がべらぼうに良く、ホイホイと引き受けてみたが、苦労して苦労して3カ月間も有してしまい、さがせたはいいが、経費が嵩み、高い報酬が約半分になり、儲けなかった。

この方もそうでないことを願いながら、話を聞いた。


この探偵事務所では、初期ヒアリングは、所長が行うことが絶対の決まりである。おもに二人はサポーター的立場で依頼人と接している。普段は違うのだが・・

「浦島様というのは、とても珍しい名字ですね。」

「私の名字ですか?そうですね、ま〜東日本にぼちぼち聞く名字で、そんなに珍しくはないのですが・・学生の頃は浦島の名字でおちょくられてましたが、亀を助けたのかーとか」

はっはっはっー、と乾いた笑いをした。

「本当ですか?私の地域では聞かない名字でしたので、すみませんでした」

「いえいえ、ま〜今はネタになってますが」

「へー凄いポジティブですね」

「あーありがとうございます」


と何故か名字の話題で変な盛り上がりを見せている二人を、眠たそうに眺めて立っているリーダーと、チーフが又その話か、と心の中でブツブツとつぶやくのだった。


「話を戻しますが、本日のご依頼ですが、どのような内容でしょうか?」

「はい、今回こちらにお伺いさせて頂いた内容は、私の父を探して頂きたく参りました。」

「なるほど、お父上をお探しと言うことですね」

チーフ、リーダー「なるほど、なるほど~」

2人共、間伐入れずに話したため、被ってしまった。

「お父上をお探しとのことですが、所在確認なのか、生存確認なのか、で色々とお調べするお時間と、調査費用が変わってきますが、当事務所では基本、50万からです。そこは大丈夫でしょうか?」

「はい。大丈夫です」

所長が、その一言を聞いて、頷くと、隣の2人がアイコンタクトをし、頷いた。


頷いた後、直ぐに依頼人は、手提げ鞄を膝上に持ってきて、勢いよく開けた!

出てきたのが、大手銀行のロゴと赤の線や文字が見える、分厚い封筒が出てきた。

その瞬間、特にリーダーが、目を目開いた。

所長チーフ共に、「お~」と小さくつぶやいた。

これは、かなり良い案件かも…と三人は思った。


しかし、依頼人は、続け様に、分厚い封筒を鞄から取り出し、テーブルの上へ置いた。

「こちらの封筒も解読していただきたいのです。中にいくつもの手紙が入っています」


特大サイズの茶封筒のようだ。

「手紙の内容は、後でお伝えする予定でしたが、お先にお伝えしてよろしいでしょうか?」

「かたじけないです。この封筒が誰から誰に、又、何が入っていたのか?又、どうしてほしいかをお聞きさせて頂きます」

「はい、この封筒は、行方不明になっていた父が私に送ってきたものです。まさか、このような形で、生存している事を知ることになり、驚いており・・」

「ほ~、お父上様からですか」

所長は話し方はフランクな感じだが、目つきはキリッとし興味津々ですと言わんばかりの佇まいで聞き入った。


「2枚入っていまして、絵や英単語などいくつもの形で書いており、クイズなのかなと思っております。もう1枚は、文章?小説?エッセイの様な感じの長文が書かれている紙が入っておりました」

「なるほど、もしかして、それを解いたらお父上の所在地が特定出来るということですかね」

「かもしれないと思い、解こうと試みたのですが、私クイズや謎解き?は苦手なもので、解くことを諦めました」

「ということは、我々に解いてほしいと言う事でしょうか?」

「はい、その通りです」

「かしこまりました。では、我々で解いて居場所を特定させていただきます」

そう、所長が言うとチーフとリーダーが近寄り、3人で手紙の内容を確認した。


①1段目、Natural・cote・Museum=?

 2段目、動物のサイ・to・7色の絵・Parc=?

 3段目、フードファイター=2文字目・態度や雰囲気、佇まいが威厳に満ちていて立派な様を意味する=3文字目=?

 4段目、KH27+FIUME=??


−−−私は、春から夏が大好きだ。何故なら、見るも色鮮やかで、まるで身体ごと包み込まれてしまう往々と茂る瑞々しい緑色の木々を見ながらジョギングが私の日課だ。朝、起床してラジオ体操を行い、ゆっくりと走ると、風が吹く日は格別だ。関西きっての桜の名所で昔は大いに盛り上がった場所で、今は有名なモニュメントがあり雄大な佇まい、淡いピンクの桜に映え春に、お花見がてら公園を散策してもなおよし。平日は走りやすく何もかもが浄化されてスッキリする。今の時代に合わすならサウナで整う、と同じ様な考えを思い浮かべてくれれば幸いです。私はこれで、ストレスフリーだな、と心がそう言うのであった。−−−


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