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剣と魔法の世界に行きたいって言ったよな?剣の魔法じゃなくてさ?  作者: 六轟


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427/608

427:

「いやぁ……参った」

「流石のワシも、あれは予想しとらんかった」

「イチゴもー」


 王城の庭で悠々とティータイムしていた俺達。

 いや、したかったわけじゃないんだけれど、相手の話し合いが長引いているらしくて、時間を持て余したんだ。

 俺達が着陸してすぐは、綺麗な石畳と芝生、そしてバラが咲き誇り噴水が威容を誇る素晴らしい場所だったし、ティータイムにはバッチリな場所だったんだけども……。

 まあ、包囲した後に勝手に暴発したバカがいたのか、俺達に攻撃して奴らが多少いたせいで焼け野原になってしまった。

 噴水なんて、砂利になっている。


「それにしても、イチゴのこの飛行機はすごいなやっぱり」

「でしょ!?頑張ったもん!」


 追いかけてきたワイバーンたちが威嚇射撃のあとに本気で攻撃してきたから、反撃して殺すのもどうなのかなぁ……と悩んでいた所、イチゴが「じゃあいい考えがある!」って言い出して、家の中でGを見つけた時のアイとそっくりの無表情メカ娘みたいな表情になってメカメカしい言葉を発し、全弾をペイント弾に換装してから真っ赤に染め上げてくれた。

 その後、迷彩使って追い払った後にこの場所に着陸。

 相手の返答を待っていたらどんどん包囲され、撃たれて、その余波で焼け野原。

 こっちは、実弾1つも使ってないんだけどな……。


 そこまでなら、こっちもある程度覚悟していた。

 だって、かなり強引に事に及んでいる自覚はあるから。

 防衛に参加していた人たちも、簡単に突破されたせいで相当きつい立場に立たされているだろうしさ。

 でも……でもだ!

 誰が!相手があんな行動に出ると予想できただろうか!?


『あー!あー!てすてす!聞こえますかー!?聞こえてますかー!?お話し合いに来ましたー!中にいますよねー!?』

『姫様!あまり体を乗り出さないで下さい!あとそこを掴まないで下さい!あんっ!』


 …………。


「何じゃアレは?痴女か?」

「生体データだと、この国の王女様みたいだよ?」

「……ドイツの貴人は、ああいう服装がデフォってことだったりする?」

「んなわけないじゃろ」

「イチゴのデータにもそんなのないよますたぁ」


 城の方から、ゆっくりとワイバーンが飛んでくる。

 そして、背中には2人の女性が。

 1人は、ワイバーンを操作している軍人っぽい雰囲気の女性。

 くっころしそう。

 もう1人は、頭にティアラみたいなのをつけている。

 イチゴの言う通り、お姫様なんだろう。

 ただなぁ……。


「なんでビキニ姿でワイバーンに乗ってんだ……?」

「さぁのう?あれなら、ワシが水着になったほうがセクシィじゃよな?」

「ますたぁ!イチゴ、今すぐ水着合成できるよ!?」

「張り合うなよ……」


 こちらの強引な行動を押し通すために、こちらの武力をアピールして、話し合いを有利に進める狙いもあった。

 だけれど、正直今の時点でこちらも度肝を抜かれてしまっている。

 あの2人……ソフィアさん程ではないけれど、すごい体してるなぁ……。


「……ふんつ!!」

「うお!?何しとるんじゃ!?」

「ますたぁ!?」

「いや、理性が飛びそうになったから」


 木刀に頭突きしておいた。

 よし、冷静になったぞ。


「とりあえず、彼女たちが最初の交渉相手ってことでいいらしい。正直、外交官的な役職の人が先にくると思ってたけれど、最初から王族っぽい方がくるとはなぁ」

「どうじゃろうなぁ……。もしかしたら、偉いもんたちの話し合いがまとまらんから、あの娘が独断で動いた、という線もあるぞ?」

「それは……嫌だなぁ……。その場合、話し合ったこと全て反故にされるかもだし……」

「ますたぁ!イチゴ、もう勝手に暴れちゃえばいいと思う!この程度の文明滅ぼせるよ!?」

「滅ぼすな!」


 今回のことは、これから幾らでも起きる可能性がある。

 だからこそ、こうして現地までやってきて、未来のためにルール決めしようぜって提案したいんだ。

 インターネットを通して行うより、顔を合わせたほうがインパクトあるから。


「よし、覚悟を決めた。彼女たちを迎え入れよう」

「えー!?イチゴ、この飛行機にあんなエッチな格好した可愛い子たち入れるのイヤ!」

「わがまま言うな!……あ、いや、確かにあの格好はちょっとアレだけど……」

「でしょ!?イヤ!」

「そこをなんとか……」

「じゃあ、後であーんして!」

「あーんって……」


 高度な交渉の結果、ドイツのお姫様ビキニ姫騎士ビキニを迎え入れることになった。




「はじめまして、この国の第1王女、ルイーゼロッテ・デ・クラムロスと申します。こちらは、よく私の護衛をしてくれる女性で……」

「ドイツ空軍第3竜騎士隊隊長!ベティーナ・フォン・ニッケルス中佐です!」

「あぁ……これはどうもご丁寧に……。えーと、犀果大試といいます」

「ソフィアじゃ!」

「イチゴだよ!」


 場の空気が張り詰める。

 いや、張り詰めているのは俺だけかもしれない。

 あ、相手の中佐さんもかなり緊張しているな……。

 胸と股間を手で隠そうと必死で……逆にそれが……。


「ふんっ!!!!」

「きゃ!?」

「何を!?」

「あー、気にするでない。これはアレじゃ、生理現象じゃ」

「まぁ……日本の男性は、そんな生理現象があるのですね……?」

「姫様お下がりを!」

「落ち着きなさいベティ。生理なんて私達にもあるでしょう?」

「何を言っているのですか!?」


 これが外交か……一筋縄じゃいかねぇなぁ……!





感想、評価よろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
謎の光で胸と股間が隠された状態で現れる方が大試の精神突破できると思うんだが
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