3:
現在、我が家のテーブルで公爵令嬢と聖女に雑草茶を振舞っています。
かなりの自信作だぞ?
「口に合わなかったか?」
「……これは、まあまあ美味しいわよ……。そうじゃなくて……」
俺の手を引っ張って部屋の隅に連れて行くリンゼお嬢様。
これがラブコメの世界なら甘酸っぱい事になりそうなものだけど、本人至ってシリアス顔だ。
「あの娘なんでアタシの事睨んでるの!?殺意感じるんだけど!」
「外から来た人が珍しいんじゃないか?」
「絶対それだけじゃないでしょ!ほら!今だってみるみる機嫌が悪くなってるように見えるわよ!?」
まあ確かに、あまり見たことが無いくらい不機嫌顔だ。
普段は、俺の家に来てもニコニコしながらお茶飲んでるんだけど……。
「考えてても仕方がない。さっさとお話して帰ってもらおう」
「アンタ……あの剣幕の女の子相手によくそんな自然体で振舞えるわね……?」
事なかれ主義なんだ俺。
大体、聖女でこの世界のヒロインらしい存在相手に下手な事できるかよ?
いやできない。
やったら将来的に宗教裁判とかに掛けられそう。
この世界の宗教知らんが。
テーブルに戻り、とりあえずこの元女神を紹介しておく。
「聖羅、この人は王都からやって来た公爵家のご令嬢で、リンゼ・ガーネットさんだ」
「よ……よろしくお願いするわ!」
「……………」
場を沈黙が支配する。
秒を追うごとに、リンゼが涙目になっていく。
何だこの空気?
「聖羅、ちゃんと自己紹介しないとダメだぞ?」
「天野聖羅、大試の婚約者」
「そんな設定は無い」
「ある」
「なんなのよ……」
埒が明かないので、リンゼについて俺が説明することにした。
女神であることとか、俺を探しに来た事なんかは誤魔化しながら。
「今日偉い人が来るって聞いてただろ?それでこのリンゼは、飛行魔法で1人だけ先に来ちゃったみたいでな。疲れてるみたいだし、今日は、家に泊まってもらうんだ」
「アタシ、アンタんちに来る予定なんて伝えてないわよ?最近やっと飛べるようになったから、アンタのいる方角にまっすぐ飛んできただけだし」
「はい?」
今度は、俺が困惑する番だ。
じゃあ何?
こいつは、今日たまたま来ただけで、件の偉い人とは別人?
「大試、村の入り口で、知らない大人の人たちが待ってるの見えたよ。だから呼びに来たの」
「それ早く言ってもらえっかな!?」
2人を置いて村の入り口まで走る。
この世界の貴族と言う物をリンゼ以外知らないけれど、我らを待たせるとは無礼な!首を差し出せ!
とか言われたら困る。
村の入り口には、確かに大人たちがいた。
ただ、人数がおかしい。
鎧着た大人が50人くらいいるんだけど……。
「お待たせしました!この開拓村でリーダーを務めている犀果帯秀の子、犀果大試と申します!」
「遅い!陛下を待たせるとは何事だ!」
んな事言われてもよぉ……。
気がつかなかったんだもん……。
「それは申し訳……陛下?」
「おう!俺がこの国の国王陛下だぞ!」
そう言って、ぷんすこ怒っていた鎧のおっさんを押しのけて、筋骨隆々でトリコロールカラーの衣装を着たおっさんが出てきた。
国王陛下さんらしい。
偉い人って……選りにも選って王様かよ……。
「今日は、お前の両親に会いに来たんだ!」
「はぁ……、家の両親はまだ出かけていて帰ってきておりません。帰ってくるまで家の方でお待ちいただきたいのですが、流石に全員は……」
「気にするな!家には私と娘がお邪魔させてもらおう!」
「そうですか、わかりました。では、準備が出来次第ご案内しますね」
王様の発言を受けて、後ろの方々が忙しく動き出す。
てか王様、お付きの人とか連れずに娘と2人とかアリなのか?
いくら安全そうな場所でも、最低1人は護衛居た方がいいんじゃ……?
俺の心配をよそに、大きなカバンを自分で持つ王様。
まあ、その筋肉なら大岩でも持てそうに見えるけどさ……。
そして隣にもう一人、ドレスを着た女の子がいた。
髪から肌まで白くて、眼だけが赤い。
目が赤いってことは、白変種ではなくアルビノってやつだろうか?
王様がでっかい日傘を差してあげてるし、体もあんまり強くなさそう。
「娘の有栖だ!仲良くしてやってくれ!」
「有栖です。よしなに」
「犀果大試です。お会いできて光栄です」
「さぁ!案内を頼む!」
王様を引き連れて家へと戻る。
まだ、村の大人たちは戻ってきていないので、閑散とした中をこの筋骨隆々のおっさんと、今にも消えてしまいそうな儚げな女の子が歩いているのは中々の違和感だ。
ところで、よしなにってどういう意味?
「聖羅、リンゼ、国王陛下と王女殿下がいらっしゃったから失礼の無いようにな。」
「お姫様?私、どう話したらいいかわからないよ……?」
「構わん構わん!子供にそこまで求めん!そもそも、こちらがお邪魔している状態だからな!」
「あら?有栖じゃない!」
「リンゼ?どうしてここに?」
王様が家の中入ると、凄く窮屈そうに見えるな。
俺の父親だって、そこそこでっけー体してるのに、この王様には全く及ばないよなぁ……。
てか、リンゼはアリス姫と知り合いなのか?
まあ公爵令嬢だっていうなら当然かもだけど……。
「彼女は、飛行魔法を覚えて試しているうちに迷ったらしく、先ほどたまたま村の近くへたどり着いたとかで、とりあえず休憩して頂いていたのです。」
「そ……そう!アタシは、魔法の実験中だったの!」
「ほう!リンゼ嬢は、飛行魔法を会得しているのか!?流石ガーネット家の娘よ!」
「でも、危ない事はやめた方がいいわ」
「有栖は、相変わらず心配性ね!私なら平気よ!」
案外リンゼは、ボッチでは無かったらしい。
どの程度の仲なのかはわからないけど、少なくとも砕けた話をできる程度には親しい間柄のようだ。
ただまあ、これは流石に喧嘩で殴り合いになるような相手でもないか……。
「ところで、僕は陛下が何故このような辺境の地までいらっしゃったのか存じ上げないのですが、僕の両親に何の用向きだったのでしょうか?」
「うむ、実はな、有栖の体を元気にする薬が見つかったと留美から連絡を受け、大急ぎでやってきたというわけよ!」
聞く所によると、この地で捕れるクマの脾臓に、アルビノの人間を元気にする効果がある事を薬学にも精通しているうちの母が発見し、国王に教えたらしい。
ただ、採取してから24時間以内に摂取しないと効果が無くなってしまうらしく、是が非でも娘を元気にしたい王様は、無理を押してやって来たそうだ。
にしても、この地でクマっていったら、ヒグマを更に凶悪にしたような奴の事だよな……?
分類上は、魔物だった気が……。
まあ、魔物の肉も普通に食ってるし、問題ないのか……?
でも、お姫様が食うものとしてはなぁ……。
「いずれにせよ、留美たちが戻ってからになるだろうな!今夜は世話になる!」
「よしなに」
「はい。精一杯おもてなしさせていただきます。因みになんですけれど、このリンゼも一緒に宿泊させてもよろしいでしょうか?」
「俺は構わんぞ!リンゼ嬢は、娘と仲良しだからな!」
「よしなに」
「あら、今夜は楽しくなりそうね!」
俺は、緊張でかなりヤバイけどな。
何か粗相あったら、王様が許しても周りのおっさんたちに殺されそうだわ。
なんでいきなり国王の歓待をしないといけないんだよ……。
「大試よ!普段両親は何時ごろに帰るのだ?」
「さぁ……暗くなる前には大抵帰ってきますけど、その日の収穫次第ですかね?クマの脾臓が目的で陛下がいらっしゃることを知っているなら、クマを狩るまで帰ってこないでしょうし……。」
「確かにな!では、子供たちは退屈凌ぎに遊んでくると良い!」
「よろしいのですか!?」
そう言って飛び上がるように立ち上がったのは、有栖姫様だった。
今の一瞬だけなら、誰より元気だったわ。
「ああ!せっかく同年代の子供がこれ程いるのだ!遊ばないのは損であろう?」
「その通りです!では、遊んで参ります!行きますよリンゼ!大試!聖羅!」
「お……おう」
ずんずん外へ歩いていく有栖。
よっぽど楽しみなんだろうか?
慌ててリンゼと聖羅が後に続く。
俺も行こうかとした所、王様に呼び止められた。
「すまんな大試!有栖は、日の光に弱い!この日傘を差してやってくれ!」
「わかりました。お1人にして申し訳ございません。暗くなる前には帰りますね。」
「頼む!」
王様からデカい日傘を受け取って、3人の後を追う。
玄関から出ると、今か今かと有栖がフンフン鼻息荒く待っていた。
「私が外出を許される事はめったにありません!さぁ、時間を無駄にせず行きますよ!」
「でも有栖、アンタこの辺りの地理わかんないでしょ?大試に案内してもらいなさいよ」
「……確かにそうですね。では大試、よしなに!」
「はぁ……」
この姫様、今この瞬間は勢いに任せて生きてるな。
あいかわらず、よしなにの意味は分からん。
多分、よろしくって感じだと思うんだけど。
日傘で姫様に影を作りながら、散歩をすることになった。
といっても、こんな辺鄙な場所に観光名所なんてものは無い。
仕方なく、近くの川へ連れていく事にする。
この川は、常に水が奇麗で、しかも何故かどんな大雨が降っても洪水が起きない不思議な川だ。
魔物もあまり寄り付かないため、この川があるおかげで俺の開拓村はあの場所に存在しているってわけだ。
川に着くと、有栖は、その赤い瞳をキラキラさせながら固まってしまった。
「とても、奇麗ですね……」
「そう言ってもらえると、この開拓村の住人として嬉しいです。」
「……大試、何故リンゼにはため口で、私には硬い言葉なのですか?私にもため口で話すように要求します」
「流石に、それはどうなんでしょうか……?」
「王女がそう言っているのですから問題ないでしょう?家族以外で私と親しく話せる唯一の男の子になるのですよ?光栄に思いなさい」
「うーん……まあいいか、わかったよ有栖」
「はい、よしなに」
そう言って、微笑む有栖。
控えめに表現して、天使みたいに奇麗だ。
川の煌きを背景に、信じられない程の美少女っぷりを披露している。
これが……お姫様か……。
「リンゼ、今の美少女ムーブ見習えよ?お前も顔は凄い美少女なんだからモテモテになれるぞ」
「余計なお世話よ!どうせアタシは口悪いし!」
「それはそれで嫌いじゃないけどな俺」
そう言って聞かせると、面白いように赤くなるリンゼ。
ふふふ、女神も色恋沙汰には弱いようだのう?
「だいたいね、アタシはもう生まれた時から婚約者が決まってんの!王子様よ王子様!」
「はい、私と同い年で腹違いの兄ですね。第3王子です」
「うへぇ、生まれる前から結婚相手が決まってるのかぁ……。流石王族と貴族って感じだな」
「私の婚約者は大試」
「そんな約束はしてない」
「した」
「してない」
皆で取り留めのない話をする。
それだけでも、有栖にとっては中々ない出来事だったようで、ずっと嬉しそうにしていた。
立ち話も何なので、家から持ってきたデカいクマの毛皮を草原に敷き、皆を座らせた。
流石にどうかとは思ったけれど、他に間食できるようなものが無かったため、干し肉を持ってきた。
「案外美味しいわねコレ!」
「はい、でもちょっと喉が渇きます」
「水筒に雑草茶入れてきたからよかったら飲んでくれ」
木でできたコップを3人に渡し、シカの胃袋から作った水筒から、雑草茶を注ぐ。
どうやら、有栖にも気に入ってもらえたようで、おかわりまで要求された。
「ここは、とても素敵な所ですね」
「俺は、他の場所を知らないから何とも言えないけど、ずっと住んでたら飽きると思うぞ?」
「そうですか?では、いずれ王都にきたらお城に来てみてください。きっとここの良さがわかりますよ」
「楽しみにしとくよ……いや、楽しくないのか?」
「少なくとも、大試たちが来てくれたら私は楽しいと思います」
「じゃあ、行くしかないな」
「約束ですよ?」
そう言ってほほ笑んだ有栖は、何故かちょっとだけ寂しそうだった。
しばらく4人で話していると、周りから何かが草の中を動く音がしてきて、何かと思っていたら、草の間からウサギが飛び出してきた。
「あ、美味しい奴だ」
「大試、アレ捕って」
「俺レベル1なんだけど、倒せるのかなぁ……」
「大試ならできる、余裕!」
現れたのは、ホーンラビットって俺たちが呼んでる角付きのウサギだ。
角がついてて攻撃的なだけで、基本は野ウサギだ。
肉は、非常に旨い。
ただし、魔物なため非常に狂暴らしい。
聖羅におねだりされてしまったけど、本当に倒せるのか?
まあでも、コイツより小さい獲物ってこの辺りにはスライムくらいしかいないからなぁ……。
レベルを上げるには、丁度いいか。
俺は、右手に神剣(木製)を作り出し、ウサギに向かって構える。
程なく、ホーンラビットがツッコんできたので、カウンター気味に通り道に刃を置くように振り抜くと、「ゴキッ」という感触がする。
見てみると、ホーンラビットの頭があらぬ方向を向いたまま動かなくなっていた。
「あれ?あっけないなコイツ」
「だから余裕って言った」
「そりゃ木刀とはいえ神剣で叩けば、こんなウサギ即死でしょ……」
「魔物をこんな近くで見たのは初めてです!」
何故かドヤ顔の聖羅と、何故かドン引きしているリンゼと、どこからか持ってきた枝で興奮気味にウサギの死体を突っついている有栖。
三者三様の反応だけど、有栖の美少女ポイントがちょっと下がった。
「あ、なんか体が熱い」
「あら、おめでとう。アンタ、多分レベルアップしたのよ」
「レベルアップ?」
「ええ、ギフトカード見てみたら?」
言われて、懐に入っていたギフトカードを取り出すと、俺のレベルが3になっていた。
2を通り越して3レベルだと……?
思ったより、このウサギは強いという判定だったんだろうか……?
そして、手元に出現するガチャチケット2枚。
これは、引くしかねーな!
「剣ガチャを回すぞ!」
「なんですかそれは?私も回してみたいです!」
「まじかー姫様……いいだろう!俺より運気良さそうな姫様に1つは任せよう!」
「ありがとうございます!」
チケットを一枚破ると、目の前にガチャの機械が出現する。
これを回すことで、俺が呼び出せる剣が増える。
やっとこれで、木刀しか出せない微妙ギフトから卒業だっぜ!
もう1本木刀が出たりしない限りだけど……。
「では……行きます!」
「行け!」
姫様が勢いよくガチャレバーを回す。
すると、コロンとケースが1つ転がり出てきた。
蓋を開けてみると、中に入っていたのは西洋風の剣のミニチュアだった。
それを手に取ると、一瞬で本来?の大きさに戻る。
エクスカリバー(SSR):泉の女神様から貰った剣!たまに岩に刺さってる!鉄でも簡単に斬れる!鞘を持っているとどんなケガや病気もすぐ治ってしまう!装備時に身体能力を100%増加!
頭に浮かんでくる説明文によると、エクスカリバーらしい。
……は?エクスカリバー?
「リンゼ……これ……エクスカリバーらしいんだけど……」
「はぁ!?最高クラスの神剣じゃない!」
「これは、良い物ですか?」
「俺の知ってるエクスカリバーだとしたら、すごくいい物……だよな……?」
「ふふん!褒めても良いですよ!」
姫様のテンションが高い。
とりあえず、頭を撫でておく。
ただ、コレは俺が持ってても良い物なんだろうか……?
「うーん……」
「どうしたのよ?」
「いや、これは俺より王族が持っておくべきものなんじゃないかと思って」
「変なこと気にするわねアンタ……。でもまぁ、確かにこれなら……有栖、この剣ちょっと持ってみなさい!」
そう言って、リンゼが俺から剣を奪い取り有栖に渡す。
「なんですか?」
有栖がエクスカリバーを受け取ると、その瞬間、彼女は目を見開いた。
「……すごい……すごいすごい!すごいです!目がよく見えます!体が重くないです!日光に当たっても辛くないです!」
「おー、エクスカリバーは剣も良い物らしいけど、その鞘があればケガも病気もすぐ治るらしいからな。病弱な人に持たせたらこんな感じになるのか」
「どうよ!?アタシの発想はすごいでしょ!」
「すごいのは、大試のギフト」
「何よ?」「何?」と睨みあい始めたリンゼと聖羅を放置し、エクスカリバーを持ってぴょんぴょん跳ねている有栖を見る。
今まで考えたこと無かったけど、俺のこのギフトで生み出した剣って、譲渡することは可能なんだろうか?
離れ過ぎたら消える、なんてことになったら、逆にがっかりさせてしまうかもしれない。
検証しないと……。
「有栖、その剣が俺から離れると消えてしまったりしないか実験したいから、ここでじっとしててもらえるか?ちょっと100mくらい走ってみるから」
「それには及びません!私が走ってきます!」
そういうと、俺が止めるよりも早くダッシュを始める有栖。
速すぎて、追いつくことはできなかった。
気がついたときには、既にポツンとしか見えない程離れている。
明らかに100mじゃ効かない、1000mは離れてるな……。
手を振っているのが見えたので、手を振り返してみたら、すぐに走って戻って来た。
「離れても消えませんでした!」
「おー、それはよかった。じゃあ、それあげるよ」
「……よろしいのですか?これ、とても高価な物ですよね……?」
「俺より、有栖が持ってた方が活用できそうだしな。大体その効果が知られたら、王家の後ろ盾でもないと盗みに来る奴続出だろうし、遠慮なく使ってくれ」
「……では、その、ありがたく貰っておきますね……!」
そう言って、大切そうにエクスカリバーを持つ有栖。
デザイン的に、俺よりもやっぱり王様とかそれに連なる人の方が似合う気がするな!
「これで、大試たちが城に来るまで生きていられます!」
あ、有栖の体って結構重い症状だったのね。
シリアスブレイクしてしまった。
「でも本当に良いの?アンタ、木刀しか出せないままでしょ?」
「ふふふ……甘いよリンゼくん……俺にはまだ、ガチャチケが1枚あるんだから!」
そう言って、先ほど出たもう1枚のガチャチケを手にもつ。
しかし、一瞬で小さい手に取られてしまった。
見ると、聖羅がフンスと気合を入れて破る所だった。
「次は、婚約者の私の番……!」
「婚約してねぇって……まあいいけど」
出てきたガチャをすごい勢いで回す聖羅。
出てきたガチャカプセルは、軽く飛び跳ねる程に加速していた。
蓋を開けて中身を取り出してみると、まっすぐな刃の古風な剣が出てきた。
他に特徴を挙げるなら、なんか……刃が燃えてる……。
倶利伽羅剣(SSR):邪なるものを焼き尽くす業火に包まれた剣!この炎は、装備者本人や、装備者の敵ではない相手は傷つけない!全ての邪なる者へのダメージが100%上昇!装備時に身体能力を100%増加!
なんか、またすごい剣が出てきた。
RよりSSRの方が出てるんですけど……。
「リンゼ……倶利伽羅剣だって……」
「燃えてる時点でとんでもない物だってことは分かってるから大丈夫よ!大丈夫じゃないけど!」
「これがあれば、泥棒猫も即殺できるね」
「発想がこえーよ聖羅……」
ガチャ回すのが怖くなってきました。
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