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大魔王{のようなもの}

作者: 後藤 章倫

運とか、運命とか、呪い、悲しみ、怨念、たまに幸せ、そんなものがグワングワンと渦巻きながら其処ら中にある。

「おっかしいのぉ、なんでまた俺の車は調子悪いのん?」

「うわ、ドブに嵌まってもうた」

「朝の占い三日連続最下位やぞ」

から

「わ、あ、ああ、何卒ぉ何卒ぉ」とか言うとる間に斬られた。

「そこのお前じゃ」偉そうな巫女に指され生贄に。

「切腹せよ」となり、「いや、マジで俺じゃねーよ。いや、まじまじ。まーじーでー」と、そこで首を刎ねられたり。

から

狩ろうとしていたマンモスに、逆に仕留められたり。普通にヤバい奴にアカン所へ来て連れていかれたり、絶滅した筈の恐竜ティラノサウルスに遭遇してしまい、がっつり喰われてしまったり。

そんなことが繰り返されているのだけど、それは偶々とかそういう訳ではなくて。

 ええ、その、それはね何というか、俺のね、Meの匙加減というか、まぁそういう事やねん。占いとか神とか、はん?宗教?ていうのとか、そういうのアホかと思うわ。いやいやホレ俺やからね。分からんかもやけど、俺って大魔王やねん。だから人類の類がさ、同じ類の誰かさんを崇めてみたりして、で、神とか何とかに仕立て上げたり、将又自分からそういうものだと言ってみたり、書物かなんか知らんけどそんなものを信じてみたり、は?って思うわ。だって俺が、いや今便宜上に俺て言うとるけど性とかも無いねん。大魔王やから、ていうか、大魔王いうのも便宜上言うとるだけで、そういう所謂もんなのんよ。

 流石にそろそろ飽きてきたっつーことやねん。俺が来た頃はまだ素朴やったというか、単純やったというか、生き物は生きることに必死やったんやけど、まあ俺も退屈やから、呪い玉とか嫉妬玉とか喜ビームとか怨念ファイヤーとかそんなもんをホイホイと投げてみたりしとったら、ゴンゴン変化していきよった。偶に気分転換というか小旅行というか、ちゃうとこ行って、ここらでいうとこの五百年くらいして帰って来てみると、しょうむないことばっか始めて、勝った負けただ滅ぼしただ何だって、やから鼻糞飛ばすくらいの感じで、運命変えたるボールをヒョヒョイと飛ばしてみたら、おもろいくらい変わっていきよるからオモロ。

 オモロかったんやけど、またちょっと、まぁちょっというてもここらでいうちょっととはちゃうかもやけど、ヒョイと遊びに行って、ほんでまた帰って来てみると、なんや核とか使いだして戦争つーの?WARやね、そんだらくだらん事始めて、引くわ。俺なんもやらんても、自然災害とか発生すんねん。そんな時、戦争とか内戦とか阿呆かっつーの。もう滅びろ玉投げたろうかと何回も思ったわ。

 で、マジでもうどうでもいいから、お暇させてもらうわ。そんならサイナラッキョ。プゥ。て屁こいてもおたやんけ。


 そして、大魔王は去っていった。そしたら人類は、つーか哺乳類全般は普通に滅びた。つか、そんなこと言うとった儂も、うあ、ここも?ああああああああ!ああコレ、儂も駄目やわ。

「アーメン。アーメンって何や?つい口から出てもうたって、来年もヨロピクぅぅ」


来年どころか明日も無いねん。


ぐしゃっ。




                〈了〉

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