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エピローグ
「じゃあ、新入りくん。今から姫様と初顔合わせになりますが、覚悟はいいですか?」
先輩の側仕えとして、誠介の指導係になった伊丹は、ニヤニヤと笑っている。
誠介はもちろん、胸を張って、
「もちろんです」
と答えた。
この日をずっと待っていた。決して容易い道ではなかったが、その先に彼女がいると思えたからこそ、ここまで頑張ってこれたのだ。
そして、扉は開かれる。
『祈りの塔』の最上階。魔法で和らげた風が吹き抜け、眼下に雲を見下ろすその祭壇に、その女性は座っていた。巫女衣装に、長く垂れた黒髪。
もうじき、彼女が振り返る。そして、懐かしいあの笑顔を誠介に向けてくれるだろう。
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3/28(日)から、新連載「妖怪退治人のプロポーズから始まるラブストーリー」の
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