表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術使いの転生エルフ  作者: りんぬごろごろ
6/6

捕縛


 血液が沸騰しそうな位に体が熱くなる。だけど感情にまかしちゃ駄目だ


 一人ずつ確実に殺す


 人間は三人。一人は喉をナイフで刺して殺そう。もう一人はそのナイフを投げて頭に刺そう


 もう一人はどうしようか


 「貴方!いやぁ!」


 「お父さん!お父さん!やだやだ!死んじゃやだよぉっ!」


 もう一人は人間が持ってる剣で殺そう


 よし考えは決まった


 「お姉さん、失敗したら援護よろしく」


 駆け足、だが音は出来るだけ立てないように一人目に近付く

 そして腕を伸ばして、喉に突き刺す


 「ごっ!?っつ!」


 そしてナイフを二人目に投げる

 頭に当たりはしたけど軽く刺さっただけで死んではない


 一人目の腰に提げてる剣を抜いて三人目に斬りかかる、が、同じように剣を抜いて止められる


 「まだ残ってたか!おらっ!」

 相手の方が力が強いから押し返される


 暗殺失敗だ


 「お姉さん!」


 「『氷束縛』(アイスバインド)!」


 「効かねぇよぉ!」


 魔法は人間に触れる前に消える


 やっぱり全員持ってたか。一部の人間しか持ってないのが良かったけどこの感じだとそうじゃなさそうだ


 だけどもう対抗策は考えてある


 「『突風』」

 ここに来る途中で取ってきた石を『突風』で飛ばし、目に当てる


 「ぐわっ!」


 人間の周りには『突風』の効果はない、がこの『突風』によって速度をもった石は消えない


 「死ね!」

 拾った剣を喉元に突き刺す


 ゴポリ、と口から血液が出てきて動かなくなる


 だけどまだ安心するには早い


 「う、うぅ」

 二人目の始末がまだだ


 「う、あ、や、やめ」

 さっきと同じように喉に突き刺す


 「ふぅ、何とかなった。大丈夫、じゃないね」


 人間達は殺したけどそれでお父さんが治ることはない

 お母さんが一生懸命回復しているようだけど心臓近くにまてま突き刺さっている傷を治すのはお母さんには無理だろう

 せめてお姉さん並の魔法使いが二人はいないと


 「やだ、やだやだやだ、やだよぉ」


 「お父さん、お父さん死なないで、お願い、お願いっ」


 お母さんも妹も泣きながらお父さんにすがるが、もう無理だろう


 「あ、アル、さ、最後に顔を見せてくれ」


 「うん」

 

 「アル、お前は昔から何でもでき、ぐっ、はぁ、はぁ」


 「お父さんっ!やだよぉ!兄さん助けてぇ!」

 妹は僕に助けを求めてくるが、回復魔法に関したことなら妹の方が上だしお母さんはそれより上だ

 それで無理なのに僕にどうしろと


 「あぁ、見えない。もう見えない。皆何処にいるんだ、いやだ、助けてくれ、はぁ、誰か、、、」


 お父さんは僕に何かいう前に死んだ


 もう少し早くここにくれば聞けたんだろうか


 それを聞いたとして何か意味はあったんだろうか。今ではもうわからない


 「やだ、貴方、ああぁぁぁあ!」


 「お父さぁああん!やだ!兄さん!助けてよぉ!何で助けてくれないのぉ!」


 「、、、僕じゃ助けれない。ごめん」


 二人の泣き声が響く


 本当はこんな泣いている暇はない。早く逃げないといけないのに、お父さんの死体から離れることができない


 もやもやする


 助けれなかった自分に


 殺した糞人間どもに


 間に合わなかった自分に


 間違いで殺した人間に


 もっと僕に力があれば変わったのかな


 「ねぇ!近くに人間が来てるよ!」

 お姉さんがそんな永遠と続く考えを止めてくれた


 窓から外を盗み見ると確かに人間が近くにいる。けど向かってくるのは僕の家ではなくその前の家

 僕の幼馴染みの家だ


 「行かなきゃ。お姉さんここで待ってて」


 「え、いや、一緒に」


 「人間が来たらお母さん達を守ってて」


 返事を聞く前に外に飛び出る

 

 ナイフと剣を一応持ってきたから一人でも戦えるし見た感じ厄介な鎧を来ている人間もいなかった

 一人でも大丈夫なはずだ


 そういえばポーチに入れてた禁書があったな。邪魔だから置いていこう



 入り口からゆっくりと見ると人間達で何かを話し合っている

全部は聞き取れないけど配分がどうだとかそっちと交換しろだとか聞こえる

 もう捕まってしまってたか


 幼馴染みのお父さんは近接戦が出来たはずだ。僕もよく教えてもらっていた

 その人が捕まえられたか殺されちゃったってことは正攻法では僕じゃ倒せないってことだな


 少し話し合って話がついたのか一人が部屋のなかににやけながら入っていきもう一人はイラつきながら離れていく


 一人なら殺せる


 男は煙草を吸ってるみたいだ

 こっちには背中を向けてるし、この男は軽装だ。恐らく後衛か盗賊タイプなんだろう


 

 行ける



 「はぁーあ、最悪だ。

 俺が捕まえたのは取られるし次に捕まえたやつも寄越せってマジありえねぇ。こんなんなら博打なんてしなけりゃよかったぜ」


 独り言がうるさいやつだ


 その口を今から閉じさせてやる





 「だからお前で早くチャラにしよっと」


 さっきのように後ろから腕を伸ばして喉を刺そうとしたら一瞬で投げ飛ばされていた


 ナイフが遠くに転がっていく


 「ぐっ」

 肺から空気が抜ける


 早く立ち上がろうとするが僕の腕を足で引っかけられて体制を崩れさせられる


 「おぉ~、中々の上玉だ。これが俺のだったら良かったのになぁ」

 腕を足で押さえられて腰に着けていた剣を遠くに投げられる


 まずい、このままだと捕まる!


 「強か

 「おっとあぶなぁーい」

 唱える前に顔を思いっきり蹴られる


 蹴ったことによって自由になった片腕で風を起こす

 男を吹き飛ばして剣を拾い立ち上がる


 よくある勘違いだが魔法は別に名前を言わなくても使える

 使えない奴もいるけど僕はそうではない


 魔法を使う前に名前を言うのはただのルーティーンでいう必要はない。それを利用してわざと蹴らせた

 そのせいで歯は折れるし口内が切れて鉄の味がする


 でも戦うには支障ない


 「マジか、あの状態からメイジに逃げられたことは初めてだぜ。だけどもう遅い」


 ガッ、と後ろから首を閉められる


 仲間がいたのを忘れていた


 こんだけ騒げば一人くらいくるか


 やばい、苦しい。暗くなってきた

 

 自爆覚悟で攻撃するしか


 「おい、絞め落とすなよ。意識がないと反応がつまんねぇからよ」


 パッと手を離されて地面に足がつく。けど動けない

 体に酸素が足りない。咳き込み、必死で息を吸う


 「よーし、いっちょあがりっと」

 体が動かせるように成ったときにはもう手足が縛られていた


 でもこんな物ならすぐに破れる


 「はーい、首輪のプレゼントだよぉ」


 首にきつく首輪を絞められる

 早く縄を解かないと


 「な、魔法が」


 「気づいた?この首輪は魔力を吸い取る『吸魔石』でできてまーす。これを着けながら魔法を使える奴はハイエルフくらいだろ」


 やばい、やばい

 

 脱出ができない


 魔力を動かせない


 なにもできない


 「はぁーあ、仕方ないけど渡しに行くか」

 男二人は僕を担ぎながら部屋に入る


 酷く臭い部屋だ。獣の香りがする

 その臭いの原因はすぐ目の前にいる


 歯を食い縛りながら性行為に耐えている女のエルフとそれを見ながら猿轡をされて声を出せないようにされて涙している男のエルフ



 そして僕の幼馴染みがそこにいた










お父さんはもうほぼ出てきません

たった数行で死ぬのはどうかと思ったけど長引かせると死に際って感じがしないので短くしましたけど極端すぎたかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ