表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術使いの転生エルフ  作者: りんぬごろごろ
4/6

戦闘


 

 「さっき何で魔法使わなかったの?お姉さん確か二級は取ってるはずだよね?」


 二級というのは魔法の級のことだ


 前の世界と同じで試験を受けて合格すれば自分に箔が付いて給料の良い職業に着けたりする

 二級というのは大事な書類の管理や良いとこの学校の教師になれるレベル

 お姉さんも実際禁書の管理を図書館と一緒にやれてる位だ


 僕には通用しなかったみたいだけど


 「えっと、あの、ん、これが」


 お姉さんがいきなり口のなかに手を入れたと思ったら口から石が出てきた。え?プレゼント?ありがとう


 「ん、この石もしかして『吸魔石』か?」


 「うん、これを口の中に入れられて魔力を奪われちゃって」


 『吸魔石』というのは触れた生物の魔力を奪う石だ。石の大きさによって魔力を奪う速度、容量が決まる


 お姉さんの口から出てきたのは三、四センチほどの石だから緩やかな速度で魔法使い二、三人分位の容量位だと思う


 「私の魔力がもっと、人並み位にあれば戦えたと思うんだけど、ごめんね」

 このお姉さんは魔法の二級で中々の使い手だけど魔力容量がとても少ない

 責めてるつもりはないけど謝られちゃった

 泣きそうな顔も可愛いねぇペロペロしたくなっちゃう、けど今は不謹慎だからやめとこ




 「おーいおいおいおーい、どーなってんだぁ?」


 後ろ、トイレの入り口から男の声がした


 「っ!『爆裂』(ブラスト)!」

 エルフだったらごめんで済まないことだが確信があったので魔法を撃った


 「おいおい、あぶねぇじゃねぇかよ。いきなり魔法使うなんて。


 ま、効かねーがよ」


 後ろにいたのは確かに人間の男だった

 しかし爆発四散した体ではなく五体満足で傷ひとつ負っていない人間の男だ


 「『爆裂』が効かない、ってことは僕より魔力制御が巧いか、、、」


 「これがあるかってことだよなぁー。混乱せずにここまで考えられるなんて良い頭してるねぇー」

 男が懐から取り出したのは対魔を示す不思議な形をしたアミュレット

 この類いのアミュレットは、このアミュレットの限界値を越えない限り魔法を無力化するという効果だ

 僕が知らない人間の技術もあるかもしれないけど今は当たっているみたい


 これを着けている対象を攻撃するには限界値を越える魔法を打てば良いだけだが、『爆裂』という魔法は相手に直接干渉して魔力を流して爆裂させる魔法で今のところの僕の最大火力で一番使っている魔法だ


 この魔法は魔力の消費量が激しいのに相手に干渉出来なかったら発動しないという普通の人にとっては不遇扱いされている魔法だ

 しかも魔力で干渉するという行為は魔力を使える相手に対してはほぼ通じない


 僕は魔力が桁外れだから時間を掛ければ魔法のエキスパートのエルフでも『爆裂』があたるだろうしこの人間相手でもそうだろう


 一番の問題は相手がどう見ても接近戦が出来る姿だということだ


 全体的には軽装だけど心臓近くや間接部分に金属製の防具を着けてるし腰には二本の直剣とナイフを何本か着けている


 僕はエルフの中では近接戦が出来る方だ

 魔力以外は平凡だから、その魔力を使えば使うだけ強くなれる強化魔法を使えるように頑張った

 この魔法を使えばある程度は戦えるだろうけどここまで前衛特化相手だとどこまで通用するか


 「これ以上手が無いんだったら、行くぞぉ?」

 右手に直剣、左手に肉厚なナイフを抜きながらじわりじわりと近付いてくる

 これから貴方を殺しますよって感じだ

 でもこれは多分ブラフ


 お姉さんがエロすぎるってこともあるかも知れないけどこいつらは多分エルフを捕まえに、正確に言うなら奴隷にしに来たのだろう

 エルフが高く売れるのはどの異世界でも一緒らしい


 だから致命傷は追わないだろうけど手足の欠陥位はやってくるだろう

 手足の欠陥は治療に高い金額が必要らしいけどエルフを売ったらプラスに余裕でなるだろうし自分で治せる奴は手間が減ってラッキーだ


 「おいおい、ブルッちまったのか?違うよなぁ?お前はそんなにやわそうじゃねぇしよ。

 その可愛い顔をぐちゃぐちゃにしてやりてぇぜ」

 

 嫌らしい顔をしながらさらに近付いてくる


 この図書館は中々の広さだからトイレも広いけど限度がある

 もう男との距離は五メートルを切ってるだろう

 でも取り敢えずの策は決まった


 「行くぜぇ!」


 男が思いっきり踏み込んで一気に近付く


 「はぁ!」

 右手での大振りな横凪ぎ

 お姉さんを遠くに押し飛ばして体制を低くして避ける


 「『反射神経・強化』、『運動能力・強化』、『脚力・強化』、『腕力・強化』、『思考速度・強化』、強化、強化、強化、強化、強化、強化、、、」


 「おいおぃ!どんだけ強化すんだよぉ!それでもたんねぇけどなぁ!」


 一通り強化、そのあと強化の重ね掛け、それの重ね掛け、をしたところで邪魔された

 思考速度も強化したから避けながらでも強化は出来るだろうけどこいつはまだ本気を出していない

 隙を見せたらすぐに僕の足が飛んでいくだろう


 今のところはこれで対応出来てる

 後は時間を稼ぐだけだ


 「避けてばっかじゃなくてよぉ!打ってこいよおらぁ!」


 残念ながら無理だ。避けて時間を稼ぐことが今は精一杯


 本当はこんなことを考えてる暇もない


 「っちぃ、つまんねえ、なぁっ!」


 恐ろしい速度でナイフの投擲

 

 一瞬で右肩にナイフが刺さる。肩の肉を抉って血管を破り神経をぶったぎる

 気が遠くなるほどの痛み、なんだろうけど痛覚切っといて良かった

 右腕は肩の辺りがほぼ動かないし異物感が凄いあるけど気にしないでおこう


 「顔色ひとつ変えねぇとかやっぱりお前面白いなぁ!もっと遊ぼうぜぇ!?」


 斬りに来る、避ける、少し傷がつく

 斬りに来る、避ける、今回は完全に避けれた

 斬りに来る、避ける、斬りに来る、頬が斬られた


 一体何回避けただろう。もう何分たんたんだろう


 脳が焼ききれそうだ

 

 早く、早く、早く


 「いいねぇ、お前は売らないで持って帰って遊ぶわ。だから、今は大人しく斬られろぉ!」


 グンッ、と男の速度が一気に上がる。やっぱり今までは本気じゃなかったみたいだ

 足を狙った攻撃、これはもう避けれない




 けどもう充分な時間はたった




 「『鉄壁』(アイアンシールド)『突風』(ウィンド)

 足を狙った剣の前に鉄の壁を出す


 そして自分を後ろに風圧で下げる


 そして投げる


 「いいぞぉ!もっと足掻け!足掻け!」

 男は僕が投げた物を見もしないで向かってくる。残念ながらそれが敗因だね


 「『爆発』(エクスプロード)!」


 僕が投げた物が視界を埋め尽くすぐらい爆発する。爆風がこっちに来ないように風で防いどく


 そしてお姉さんを連れて今のうちに逃げる



 「転移(テレポート)



 僕達は逃げ出した








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ