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Through the Past  作者: 冬長
二章
32/32

【終】 新しい全ては、ここから

 数週間後、ウィルステル東部リバートにて。

 街から少し離れた場所にある小高い丘の上には、一件の家がある。そこは広い家だが、決して豪華ではない。その家の住人の話によると、元が孤児院であったためらしい。

 その家へと続く道を歩きながら、バザックは軽く伸びをした。この時期は連日晴天に見舞われる東部の空は、今日もよく晴れている。清々しいほど澄み渡る空の青さは見事なのだが、同時に照りつける日差しは強く、暑さを感じさせるものだ。数日前まで北部に滞在していたから、なおのことそう思うのかもしれない。

 そんなことを思いながら、目的の家の玄関先へとたどり着いたバザックは呼び鈴を鳴らす。静かに響くその音色をぼんやりと聞きながら、バザックはドアが開くのを待った。


「バザック君、いらっしゃいっ」


 すぐにドアは開かれ、アリアが現れる。さらりと銀の髪を揺らして、彼女はにっこりと微笑んだ。


「ちょうど良かったわ、もうすぐケーキが焼けるのよ。上がっていって」

「お、それはいいな」


 バザックが了承すると、アリアは嬉しげに両手を打ち合わせた。少女めいた仕草が似合うのも、この人ならではのものである。年の経過と共に年齢不詳に磨きがかかっている彼女は、バザックを中に招き入れると軽やかな足取りで台所へと戻った。

 そんな彼女の後を追って、勝手知ったる他人の家とばかりにバザックも居間へと向かう。何せここを訪れるようになって軽く十五年以上経つのだ、今更気兼ねをすることもなかった。


「よぉ、クーレン」


 そうして居間に向かうと、この家の主人でもあるクーレンが嫌そうな顔で出迎えた。出迎えたといっても、椅子に座って本を読んでいたのを中断し、若干顔を上げた程度である。そして目が合った瞬間に露骨に嫌な顔をされたのだが、バザックは気にしない。いつものことだ、すっかり慣れてしまっている。


「何読んでるんだ?」


 バザックは手にしていた鞄を手近な椅子の上に置くと、クーレンの向かいに腰を下ろす。すでに視線を本へと戻していたクーレンは、質問に端的に答えを返す。


「この間出た医学書」

「ああ、ドルクが書いた奴? どう?」


 知人の一人が書いたものであることに気付き、バザックは感想を求める。わずかに目線を上げ、まだ読んでいる途中だ、と前置きをした上でクーレンはやはり端的に答えた。


「悪くはない」

「ふぅん。お前がそう言うってことは、いい本なんだな」


 俺も今度読もう、と呟いてバザックは周囲を見回した。レースのカーテンや可愛らしい小物の類は、まず間違いなく彼の妻と娘の趣味である。可愛らしいことは間違いないのだが、そんな中で気難しい顔をして医学書を読む繊細な顔立ちの男というのは、なんとも不釣合いな光景だった。


「いっつも思うけど、ここに不似合いだよなお前」

「うるさい。アリアやローズがこれでいいと言っているんだからいいんだ。大体お前が人のこと言えるのか、俺よりもでかくてむさくるしい図体しているくせに」

「自分じゃ自分は見えないからなぁ。判断しにくい」

「知るか」


 きっぱりと言い切って、クーレンは再び本に視線を落とす。バザックは適当に周囲へと視線を向けていたが、ややあって口を開いた。


「この間さ、『地吹雪』に行っただろ」

「ああ、行ったな。今度はしばらく行けないからな、俺は。そうそう家も空けてはおけん。母の具合があまり良くない」


 クーレンは医学書に視線を落としたまま、淡々と答える。分かっている、とバザックは首肯してから言葉を続けた。


「そういうことじゃなくてさ。ルドがさ、いなかっただろ?」

「ああ。出て行ったらしいな」

「うん、その経緯はヴィルフールたちから聞いてるんだけどさ」

「トリウムが非常に嘆いていたな」

「いや、それも知ってるけど。じゃなくって」


 バザックはいったん言葉を切る。それで何かを察し、クーレンは顔を上げた。


「“蒼紫の朔風”死亡説が流れててさ」


 どこで、とバザックは言わなかった。それはおそらくサリッシュウィットのみならず、ウィルステル北部で囁かれていることなのだろう。そう判断したクーレンだが、顔色一つ変えずにバザックを見やる。


「それで」


 淡々とした言葉は、一切の感情を排除したかのようだった。


「お前はそれを信じているのか?」

「全然」


 自分で言っておきながらあっさりと両断するバザックに、クーレンも驚くことなく頷く。


「だろうと思った。で、お前はどう思ってるんだ」

「まぁ、どう、とはいえないけどな。どっかで生きてるさ。それがどこかは、調べないと断定できないけど」


 調べて欲しくないから死亡説なんだろうし、とバザックは肩をすくめる。


「ふん。お前がそう言うなら、ヴィルフールたちも騙されてはいないだろうな」


 軽く鼻を鳴らしたクーレンは、バザックよりも子供たちの方を気に掛けているようだった。むしろ、バザックはどうでもいいと言わんばかりの態度である。そしてバザック本人も、それを気に掛けるような繊細な神経は持ち合わせていない。


「俺もそう思うよ。ま、トリウムがいるから大丈夫だろ。それにあそこには、ヴィルとサーレがそろってるし、アイリーンもいるし」

「あそこは本当に変な街だな。『最後の溜まり場』の名も伊達じゃないらしい」

「はははっ」


 バザックは軽く笑い飛ばす。そのとき、ふわりと甘い香りが漂ってきた。ケーキが焼けたらしいことを察し、バザックは笑みを浮かべる。


「美味いんだよな、アリアのケーキは」

「帰れ」

「いや、俺、アリアに寄っていってと言われたんだけど?」

「帰れ」


 医学書に視線を固定したままのクーレンに、バザックは再び笑う。そのとき、玄関の呼び鈴が響いた。


「クーレンっ。ごめんなさい、ちょっと手が離せないから、出てくれない?」


 そのすぐ後に、台所からアリアの声が響く。分かった、と簡潔に返して、クーレンはしおりを挟んだ医学書を机の上に置いて立ち上がった。


「夫としては優しいよなぁ、お前」

「当然だ」


 裏を返せば他には冷たいということなのだが、本人は迷いなく言い切り客人を迎えに行く。後ろからバザックの忍び笑いが聞こえてきたのも、全て無視だ。


「しっかし、この風の感じは……」


 途中でバザックのぼやきが聞こえてきたが、やはり意味が分からないので完全に無視してクーレンは玄関へと向かう。そうしてドアを開けた。


「はい、どちら……」


 言いかけて、クーレンは言葉を飲み込んだ。

 青い髪と、紫の瞳。先ほどまで話題に上っていた少年の姿に、クーレンは目をむく。そして彼の名を呟こうとした、その瞬間。


「やー、お久しぶりっすね、クーレン先生。元気だったっすか?」


 見たこともない笑顔と共に言い放たれて、実に珍しいことにクーレンは硬直した。何かを企むような笑みを浮かべていた少年は、反応を返さないクーレンにやや不思議そうな表情になる。しばしの黙考の後、ひらひらと軽く手を顔の前で泳がせた。


「クーレン先生ー?」


 ややあって、わずかにクーレンの表情が動く。それは反応したと言うよりも、ひきつったというほうが正しいような動きであった。

 そして。


「誰だお前はっ!!」


 クーレンの怒声が、静かな空気を揺らした。






 ソファに座った少年を、バザックはしげしげと眺めた。少々不躾な視線になっているという自覚はあったが、目の前の少年がそれを気にしていないようなので彼も気を遣わなかった。

 顔立ちも、髪の色も、瞳の色も、記憶と変わりがない。一見すると変わりのない少年は、しかし記憶の中から確かに変化していた。


「どうしたんっすか?」


 軽く首を傾げて、少年は笑みを浮かべる。それはなぜか、何かを企んでいるような印象を受ける笑みだった。


「いや、うん。ちょっと見ない間に変わったなぁ」

「それだけか!」


 あっけらかんとしたバザックの反応に、クーレンは思わず怒鳴る。そんなクーレンに、バザックはむしろ不思議そうな表情を向けた。


「他に何かあるのか?」


 そう問い返されると反応に困り、クーレンはしばし唸った後に口を閉じた。ソファの背もたれに倒れ掛かるようにして背中を預ける。


「賑やかねぇ」


 パウンドケーキを持ったアリアが、柔らかく笑いながらやってくる。まだ焼きたてのパウンドケーキはほこほこと湯気を上げていた。


「でも良かったわ、ちょうど来てくれて。あ、今上にいる娘たちを呼んでくるから、ちょっと待ってて頂戴ね。そしたら、みんなでお茶にしましょう」


 そうして軽い足音を響かせて、アリアは部屋から出て行く。少しして、娘たちを呼んでいるらしい彼女の声が家の中に響いた。何もいぶかしむことなく、すっかり現状に馴染んでしまっているアリアにクーレンは息を吐き出す。昔から、彼の想い人はさり気なく強い。

 しばらくして、アリアは戻ってくるとそのまま台所へと向かう。お茶を淹れているのだろう、柔らかな紅茶の香りが居間にまで漂ってきて、パウンドケーキの甘い香りと混ざり合う。その芳ばしい香りに、バザックは表情を緩めた。


「うん、いいなぁ。美味そうだ」

「なんと言うか……色々と脱力しそうではあるけどな」


 すっかり平和な午後のお茶会と化している。


「まぁ、いいんじゃないっすか?」

「お前が一番問題なんだ!」


 あっけらかんとした口調で言い放った少年に、クーレンはやはり怒鳴り声を上げた。大体にして、記憶にある彼とは違いすぎるのだ。かつての彼であれば、この状況で呆れこそすれ、こんなのん気なことは決して言わないだろう。


「お父さん、今日はよく叫んでるわね」


 そのとき。ドアが開くと同時に、長い銀の髪を緩く三つ編みにし、左肩に掛けている少女が顔を出した。少年と同じくらいの年齢だと思われるその少女は、丸い深紅の瞳をめぐらせて中にいる人たちを見やる。


「あら、知らない子がいる。えぇと、お客様?」


 そして少年の姿を見つけると、ふわりと笑みを浮かべた。その色彩といい、笑い方といい、アリアによく似ている。だからこそ少年にも、すぐにアークメル家の娘だということが分かった。


「そうっす、はじめまして。えぇと……」

「ローズ。ローズ=アークメルです。はじめまして」

「よろしくっす。ちなみに俺は現在、名前が決まってないんで好きに呼んで欲しいっす」


 その言葉に、ローズと名乗った少女は気難しそうに眉根を寄せた。その仕草にクーレンの面影を見出して、少年はわずかに表情を崩した。


「じゃあ、どう呼べばいいのかしら」


 困ったわ、と呟いたその言葉は、どこかずれていて。名前が決まっていないことよりも、呼び方を悩むその思考からは、確かにアリアの面影がある。それに気付き、少年は本当に笑いそうになった。確かに、二人の血を引いていることを感じたからだ。


「あ、そうだわ。この子はリシアっていって、私の妹なの。よろしくね」


 ローズのスカートの裾を引っ張るようにしていた幼い少女は、その言葉に顔を上げた。くりっとした丸い深紅の瞳と、柔らかそうな銀髪。ここの風習なのか、リシアの髪もやはり三つ編みにされていた。こちらは二つ結びであったが。


「あの、よろしく、です」

「ん、よろしくっす」


 フュールよりもまだ幼い手を取り、少年は軽く握手をする。


「俺の大事な娘に、手ぇ出すなよ」


 気付くと、半眼にして睨みつけてきているクーレンがいた。いつものことなのだろう、バザックはその横で苦笑している。


「もう、お父さんっ。馬鹿なこと言わないでよ」

「しかし、ローズ。何かあったら……」

「お父さんは心配しすぎなの。私やリシアのことを心配するより、少しは自分の素行の方を心配してよね」


 きっぱりと娘に言い切られて、クーレンは思わずうなだれた。そこに、紅茶を淹れたアリアが戻ってくる。


「あら、二人とも降りてきてたのね。じゃあ、座って頂戴、お茶にしましょう?」

「はーい」


 ローズとリシアは返事をして椅子に座る。それを見ながら、アリアは全員に紅茶を配っていった。


「それにしても、唐突に来たのねぇ」


 アリアは少年に話を向ける。ええまぁ、と少年は曖昧に頷いた。


「連絡入れようかとも思ったんっすけど、徒歩だとどれくらいかかるか、分かんなかったっすからね」

「徒歩で、サリッシュウィットから?」


 思わず尋ね返したクーレンに、そうっす、と少年はいともあっさりと答える。


「まぁ、最初はここに来るかどうかも決めてなくて。でも先生たち、すぐに探せて良かったっすよ。有名で、大体のところで名前を出すとすぐに教えてもらえたんで」


 少年は軽く笑う。うんうん、と納得したようにローズが何度か頷いていた。


「けどお前、本当に名前変えることにしたんだなぁ」

「まぁ、まだ決めてはいないんっすけどね。一度、全部捨ててみようと思ったんっす。クーレン先生にも言われたことっすし」

「お父さん……何言ったの?」


 不穏な何かを感じ取ったのか、ローズはクーレンへと疑惑の目を向ける。娘に弱いというのは事実らしく、クーレンは瞬間的に視線を逸らすとぼそぼそと呟いた。


「まさか、本気にするとは思わなくてな……」

「もうっ、またそうやって! はた迷惑なことばかりしないでって、いつも言ってるのに!」


 呆れたのか、ローズは目を細めて父を見やる。くすくすと、アリアは小さく笑った。


「いいんっすよ。おかげで一つ、踏ん切りがつけたっすから。むしろ感謝してるっす、俺は」

「駄目よ、お父さんの言うことを全部真に受けてたら。真面目な顔して、たまに適当なことを言うんだから。機嫌が悪くなると変な笑い方するし」


 暗黒笑いのことを言っているらしいと察した少年は、思わず頷いていた。しかしあまりの言われように、さすがにクーレンは眉根を寄せる。


「いくらなんでも父親に向かって言いすぎじゃないか、ローズ」

「普段の行いを省みてよ。あんまり馬鹿なことばっかり言ってないでって言ってるでしょ、リシアに悪影響が出たらどうするの。私はね、この子をお父さんみたいな捻くれ者にする気も、お母さんみたいなどこかずれまくった人にする気もないんだから」


 絶対、優しい素直な可愛い子に育て上げるんだからね、と言い切るローズに、クーレンは二の句が告げなかった。


「それは楽しみねぇ」


 アリアは微笑ましそうに笑う。少年としては、ここは一家揃ってどこかずれている、と思ったが。


「それで結局、名前はどうするんだ?」


 そんな家族の話を軽く聞き流して、バザックは気を取り直したように尋ねる。


「そうっすね。ってことで、付けてもらえないっすか、師匠?」


 沈黙が舞い降りた。全員が動作を止め、まるで静止画のような風景になる。唯一、言葉をまだあまり理解していないリシアだけが、もふもふとパウンドケーキを食べていたが。


「師匠って……」


 真っ先に立ち直ったらしいクーレンが、恐る恐る訪ねる。それに笑みを浮かべて、少年はだから、と繰り返した。


「師匠は師匠っす。バザック先生のことっす」


 全員の視線がバザックに向く。カップを手に取ったまま止まっていた彼は、おや、とばかりに首を傾げる。


「俺か? 俺は弟子を取るつもりはないぞ? 俺だってまだ修行中の身だし」

「いや、お前は一体どこまで修行するつもりだ」


 思わず尋ねたクーレンに、バザックは多分一生、とこともなく答える。


「ていうか、人に教えられるようなことなんてそうないしな。もっとマシな人材見つけたほうがいいぞ?」

「いえ、俺はもう決めたっすから。師匠として付いて行くっすから!」


 きっぱりと言い切った少年に、バザックとクーレンは首を傾げる。本当に、こんな性格をしていただろうか、と思ったからである。かつての彼は、もっと淡白に世界を見ていたように思うのだが。本当に何があったのだろうか、と普段はくだらない喧嘩ばかり繰り広げている二人は、このときのみは目で意思疎通し、再度首を傾げていた。


「あらあら、頑張ってね」

「頑張るっす!」


 アリアがおっとりと応援し、少年が頷く。それはどうなのかな、とローズは男二人とはまた別の意味で首を傾げた。


「ってことで師匠、俺の名付け親になってくれないっすか?」

「それは駄目だ」


 バザックは即答で言い放つ。取り付く島もないような返答だが、少年はそれでも食いつこうと口を開こうとした。しかし。


「弟子云々の前に、名付け親にはなれない。なぜなら、それは俺がお前という存在を規定してしまうことになるからだ」


 続けられた言葉に、少年は口を閉ざした。紫の瞳に真摯な色を宿して、黒い瞳を正面から見つめる。


「言ったろう? 自分を決めるのは、他でもない自分なのだと。自分でかつての名前と、かつての自分を捨ててここにいるんだ。だったら、今の、そしてこれからの自分を決めていくのも、自分自身以外にはいないだろう?」


 笑う顔は不思議と優しい。その顔に、少年は感じ取るのだ。たくさんの人に生かされて、そうして今を生きていることを。


「だから、自分の名前は自分で決めろ。いいな?」

「分かったっす、師匠!」

「いや、だから師匠じゃないって」


 そんな二人のやり取りに、周囲はどこか微笑ましそうな笑みを浮かべた。何となく、すでにおぼろげながらも師弟関係が成立しつつあるのを感じたからだ。バザックは認めないだろうけれど。

 だからこそ少年は、彼を師と選んだのだろう。バザック本人が告げたように、彼から教わることの多さを感じ取ったからこそ。それは、生き方として。これからの道を選んでいく上での、一つの指針であり指標として。


「さ、ケーキ食べましょう。冷めないうちに、ね」


 アリアに促されてスプーンを取りながら、少年は周囲を見回す。かつての場所で出会った三人と、その二人の血を継ぐ少女たち。

 そしてこれからも、きっとたくさんの人と出会っていくのだろう。

 それを自然と感じ取りながら、少年は考える。自分の名を。自分の道行きを、在りかたを決めていくための一歩として。




 数日後。

 リバートの外れにある小高い丘の上に建つ一軒の家に、一人の少年が再び訪れた。

 自らの名を、告げるために。


 過去を通して、今がある。今を通して、未来がある。

 出会いと別れ、人とのつながり、自分を取り巻く環境。たくさんのものを通して、自分というものが存在する。

 人と人を通すものとして。それは後、仲介屋を名乗るものとして。

 全てを通して在る自分の名として、付けた名前を戒めとして、誇りとして。


 自ら定めたその名と共に。

 過去を通して生まれた、新しい全ては、ここから。


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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