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  作者: 中塩屋 治
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第1章

今日は、余りにも月が綺麗であったので外に出て、月を眺めた。

家の庭から眺める景色は特別美しく、月を眺めるのには絶好の場所であることに気がついた。さらに、今日は風も程良く吹き心地よく快適であった。

その中で僕はいろいろと考えた。風のことを考えた。今僕のまわりでは風が吹き、木々を揺らし、僕の髪を、眉毛を、まつげを動かしている。そうして肌は風の重みを感じている。風が無いときはその存在を感じさせないほどに静かであり、物を動かす力など持たないのに、ひとたび風が吹けばその存在は明らかになり、強弱の差はあれ、それに見合った力で動かすのだ。そう思いながら月を見ると、月は動いてはいなかった。月はこちらで風が吹いていることを知っているだろうか。こちらに月の様子が解らないように、月もこちらの様子を解るまい。月はこちらの風の外にいるのだ。そして、こちらは月の風の外にいるのだ。何が動いているか相互に知り得ない。ただ、遠くから見つめるだけである。


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