【令和学問のすすめ】焼き畑資本主義と耕作資本主義
【学問のすすめ】より
>西洋のことわざに「愚民の上には暴政府あり」というのはまさにこのことを言ったことである。これは政府が横暴なのではなくて、愚民が自ら招いている災いである。しかし、愚民の上に暴政府があるのならば、良民の上には良い政府があるというものである。こういったように、政府の良し悪しは人民の智か不智かにかかっているのだから、現在のわれらが日本でも、この人民あってのこの政治なのだ。
>横暴な政治を好んで良い政治を嫌うという人がいるだろうか、自分の国が強く富んでいることを望まない者がいるだろうか、外国からあなどられることに甘んじる人がいるだろうか、これらのことは人たる者の当然の思いである。
常々、本コラムの作者としては、『新自由主義的資本主義』は、『焼き畑農業的な資本主義』であると考えている。
その理由は、新自由主義的な資本主義とは、【金(金融)】【人(移民)】【物(貿易の完全な自由化・関税撤廃や参入障壁の撤廃)】であり、それぞれの地域や国に根付かない、根無し草な資本の移動であるからだ。
イギリスの作家、デヴィッド・グッドハートが提唱した、『エニウェア族』と『サムウェア族』と言う言葉を知っているだろうか?
その意味は、エニウェア族とは、大都市に暮らし、アウトソースされにくい仕事に就いている人たちのこと。
住む土地を変え、グローバル化の恩恵を受けてきた層である。(英語等の他国言語が話せ、他国で住むのに困らない人達も含む)
一方、グローバル化の弊害を被り、アイデンティティ面でも、所得面でも不安定な生活を送っているのが「サムウェア族」。
生まれ育った地元など、特定の場所に根をおろして生活する。(自国語しか話せず、他国への移住が難しい人達も含む)
つまり、新自由主義を真の意味で謳歌出来るのは、ごく限られた人達と言う事に成る。
仮に他言語が話せなくても、金銭的に通訳を雇う、お手伝いさんを雇う、翻訳機や翻訳アプリを使うなどして、他国で生活可能な人達は、新自由主義的な生活を謳歌する事が可能だ。
逆に言えば、他言語が話せず、金銭的に余裕の無い人達で、他国への移住費用も無い人達は、新自由主義的には負け組と成ってしまう。
ここに格差が産まれ、更には貧富の格差も開いてしまう傾向が高くなる。
何故かと言えば、それこそが新自由主義的な資本主義が、焼き畑農業的である所以!
日本も現実にそうなのだが、日本国内で儲からなければ、『エニウェア族』である富裕層やグローバル企業、他国言語を話せて、海外へ移住可能な資金を持っている人達は、日本を捨てて海外へ移住出来てしまうからだな!!
つまり、富を吸い上げるだけ吸い上げて、その国が不景気に成って儲からなく成ったら他国へ移動して、安い人件費で稼ぎ、高度経済成長による投資で儲けて、本人は先進国の一等地で、タワマンにでも住んで、のほほんと生きて行けるのだ。
その間に、非正規雇用や派遣労働で低賃金で働かせた人達の稼ぎを吸い上げ、『税金が高いから出て行く』とか、『人件費が高いから、海外に工場を移す』などとその国の政府を脅し、政治家や官僚に【ポッケナイナイ】を握らせて、自分達の思い通りに悪どく儲けるのだ!!
デービッド何とかさんとか、竹中なにがしとか、堀江なんちゃらとか言う人達は有名だな。
日本の様に、デフレで極上のサービスが激安で提供され、治安の高い安全な都会のタワマンで、海外で儲けた資産で暮らせる訳だな。
無論、日本人である必要は無い。
日本国籍すら要らない。
その国が不要に(儲けが薄く)成ったら、海外へ移住するだけの話なのだ!!
焼き畑農業は、収穫した後の土地に火をつけ、残っている根や、枯れた草や茎を燃やして、灰からリン酸を得る農法だが、土地が痩せやすく、その為に焼き畑農業では、土地を頻繁に移動しなければ成らなくなる。
そのせいで、森が伐採され、砂漠化するなどの問題も起きている。
これぞ正に、新自由主義ではなかろうか?
使い倒して使えなくなれば、他所へ移動して、また同じ事をする。
その為には、【金(金融)】【人(移民)】【物(貿易の完全な自由化)】は、必要不可欠となる。
でなければ、海外へ資本の移動がスムーズに出来ないし、使い倒して捨てた国に、関税無くして輸出して儲ける事が出来なくなる。
狡賢いでしょ?新自由主義者ってのは?
だから、福沢諭吉先生の仰る通り、『学問をして、不貞の輩の行為を正せ!!』と言う事なのだ!!
根無し草的な生き方としては、狩猟採集生活にも、通じる所がある。
しかし、新自由主義的な資本主義は、『必ず飽和状態化する』
永遠に続く訳が無い。
当たり前だよな?世界の国の数には限界が有り、更には、地政学的に、産業を根付かせるのが困難な地域も沢山ある。
なので、いずれ必ず限界に達し、飽和状態化するのは当然なのだ!!
だから、新自由主義者達は、政治家を使って外交問題を作り出し、世界各国を分断して、定期的に戦争を起こして、世界的な人口数を間引きし、産業を灰燼に帰して、再び資本投下出来る下地を作るのだ!!
今起きているウクライナ紛争も、米中関係悪化も、次の世界大戦の下地作りであろう。
穀物メジャーや石油メジャー、医薬品業界や武器産業は、ウクライナ紛争でボロ儲けだ!!
まぁ、こう言う人達の家族が、戦争に行っても最前線に従軍しないのは、読者もご存知の通りだ。
こう言う問題に気付いた人達が、所謂全体主義や共産・社会主義などの、『全ての人民が平等』と言う政治概念を考えた訳だが、いくら全体主義が理念的に平等を訴えようとも、人間社会には、統率者や統率者を補佐する官僚が必要に成るから、平等に成る事など、100%有り得ないのだ。
アルバイト店員と同じ時給1000円で、大統領や総理大臣をやりますか?って事なのだ。
責任の重さが、天と地程も違うのにな?
無論、『失敗しちゃった!テヘペロ』では済まない、医療関係者もそうだよな?
失敗=人○しに、成る可能性が高いからね。
なので、過去の経済学的な偉人である、ケインズやシュンペーター等は、財政出動による、格差是正を推奨していたのだ!!
所謂、アメリカいわく『世界で最も成功した社会主義』と言われる、【日本式資本主義】は、焼き畑農業や狩猟採集生活式の資本主義では無く、『持続可能な資本主義』、【定住耕作式資本主義】と言える。
今流行の【SDGs】だな。
つまり、正当な労働分配率を、年功序列(定時昇給)で保証し、常に労働者の購買力を維持・向上させ、国内需要を安定的に維持・向上させる。
終身雇用により、雇用の安定性を維持し、労働者の消費意欲を維持する。
これにより、持続可能な資本主義を維持する。
護送船団方式や価格カルテル、民間談合によって企業間の無駄な競争を避け、企業の経営の安定性を維持し、雇用の持続性を担保する。
正に、農地に肥料を撒いて耕し、土地を肥沃にし、毎年の収穫性を維持する、耕作農法と同じ発想ではないだろうか?
縄文時代から、農耕で定住生活をして来た、日本人らしい資本主義のやり方だと、作者は考える。
そして国を富ませるとは、つまりは日本国民全体を富ませると言う事!
だから、二宮尊徳(二宮金次郎)や渋沢栄一など、昔の富裕層は。
※『稼いだお金は、社会貢献に使うべきである』
※『稼いだお金は、労働者に均しく分配すべきである』
と言っていたのだ!!
社会貢献とは、明治や昭和初期までなら、鉄道や道路等の交通インフラを整備して、移動効率や物流効率を上げて、生産性を上げる。
そうすれば、富裕層は更に儲かり、儲かったお金を労働者に分配すれば、消費意欲が高くなり、更に富裕層が儲かる。
新しい産業(投資)を地域に作れば、雇用先が増え、労働者は雇用と賃金を得、更に富裕層も儲けを増やせる。
雇用が安定し、賃金が毎年上がれば、労働者は安心して結婚して家庭を持ち、子供を作る様に成る。
更に、その子供達の為に、交通インフラを整備し、新たな産業(投資)を作れば、子供達は地域に定住し、自分達の親と同様に、その地域で生活し続けてくれる。
そうなれば、更に富裕層は儲かる。
そして富裕層は、労働分配率を多少増やした所で、毎年の様に儲けを増やせれば、勝手に家にはお金が溜まって行く。
そのお金を元に、銀行(金融機関)を作ってお金を貸出せば、労働者から起業する人達が出てきたり、他の地域から投資をされたりして、更にその地域は経済的に活性化され、富裕層も労働者も、富を増やして行く事が可能に成る。
どうかな?正に経済的な【SDGs】だよな?
持続可能な資本主義だろ?
これが、所謂【日本式資本主義】だった訳何だよ。
さて、竹中なにがしとかが推奨する、新自由主義が良いのか?
二宮尊徳や渋沢栄一が推奨する、持続可能な資本主義(日本式資本主義)が良いのか?
考えるまでも無いよな?