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学校が教えない社会科・歴史・公民  作者: 学校が教えない社会・歴史・公民
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借金(負債)を返すと資産が消える!!

何を言ってんだこいつ?


と、思われたかと思いますが、これは、実態経済においては事実なのです。


普通に生活していれば、負債、つまり、借金を返済したら、返済された先の、資産に成るのでは?


と、考えるのが普通です。


しかし、現実社会においては違うのですよ。


確かに、 利息分は 貸方の資産になりますが、 がんきんの部分は、 返済された時点で消えるのです。


どう言う事か、説明致しましょう。


まず、例として、銀行や金融機関から、10万円借りたとします。


この時、計算しやすい様に、年利10%だったとしましょうか。


1年で返済するとして、がんぽん含めて、11万円返済する事になりますよね?


この時に、金融機関側の資産は、未返済の時点で、11万円となります。


しかし、信用創造にせよ、手持ち資金からの融資にせよ、がんぽんの部分は、借り方が返済した時点で、金融機関の帳簿から消えます。


信用創造とは、いわゆる、万年筆マネーと言われるもので、古くはゴールドスミス、金細工職人が、きんを預かる事により、今の銀行の走りで有る、貸出業務を始めた事に由来します。


きんを預けたからと言って、全部引き取りに来る客はまれで有る、なので、証券を発行する事により、それが一種の貨幣と同じ効果を得る。


と言うのが、銀行業務の走りとされております。


例えば、ゴールドスミスが、かねを借りに来た客に、10ゴールド貸し出すとします。


この時に、ゴールドスミスは、10ゴールドの証券を、借りに来た客に、発行します。


この証券を、借り方の客が受け取った事により、新たに10ゴールドが、市中に資産として誕生した事に成ります。


そして、10ゴールドが返済された時点で、ゴールドスミス側から見た、10ゴールドの資産は消えます。


つまり、貸し出されていた資産が、ゴールドスミスの元に返された訳ですから、ゴールドスミス側から見れば、資産は消失する訳です。


利息が、貸し出した側の、新たな資産と成った。


と言う事です。


貸した10ゴールドの証券の資金的な担保は、ゴールドスミスが預かっている、金の総量に成ります。


これが、最も古い、信用創造の始まりです。


もっとも、ゴールドスミスが預かっている、きんの総量には当然限りが有りますので、金の総量が決まった中での、信用創造と成ります。


分かりやすいのは、闇金やシャドーバンクの方で、そもそも闇金は、手持ちの資金から、借り方に融資をしておりますので、がんぽん部分は自己資金だったのですから、返済と同時に、元本は帳簿から消える訳です。


寧ろ、借り方に貸し出した時点で、闇金の場合は、資産が一時的に目減りしますから、返済された時に、元本分の資産が元通りに成っただけなわけです。


これが、現在で言う所のキーボードマネー、つまり銀行による信用創造だった場合は?


がんぽん10万円たす金利1万円イコール11万円。


が、新たに市中に創出された、事に成ります。


何せ、パソコンのキーボードで、ホニャらら様の口座に、10万円振り込むだけで、融資が完了するのですからね?


数字が移動しただけで有って、現金が移動した訳では無いのです。


さて、ここで皆様が疑問に思うのは。


銀行も、銀行口座を持つ顧客の預金から、貸し出しをしているのでは?


と言う事ですよね。


実際は違うのですよ。


銀行は闇金等とは違い、貸し出し資金の担保は、日銀当座預金により、保証されております。


故に、闇金や街金とは、根本的に違うのです。


日銀当座預金と言う担保、つまり、現金による現預金では無く、日本政府の所管する、日本銀行の証券が、貸し出しきんのがんぽんと成ります。


つまり、現ナマの、お札を持っているから、貸し出している訳では無いと言う事ですね。


勿論、窓口で現金で貸し出す事も可能ですが、何千万円とか言う金額は、普通は口座間で、インターネットを通して、数字が移動するだけです。


ちなみに、銀行が持っている自己資本以外の預金残高は、預金預け入れ者の資産と成るので、預金の金利支払い分を含めて、銀行から見れば負債と成ります。


故に、借り方から借金を返済された時点で、金融機関の資産としては、消失する訳です。 

 

預金金利よりも、貸し出し金利が高いのは、貸し出し金利が高くなければ、金融機関が利ざやを稼げないからですね。


さて、ここでお金を借りた方が、借りたお金を他の何かに使う事によって、始めて市中に、新たに資産が誕生します。


例えば、借金してマイカーを購入すれば、自動車販売店の資産が新たに誕生し、車を買った人は、マイカーと言う、資産が新たに誕生した事に成ります。


まず、あり得ませんが、借り方が借金しただけで、なんにも使わなかったら、市中に新たな資産は生まれません。


それでは、タンス預金と同じですし、下手をすれば、貸し方で有る銀行の、不良債権に成ってしまいかねません。


ちなみに、貯金から、なんらかのサービスや商品を購入しても、新たな資産は誕生しません。


それは、元々有った資産が、誰かの資産として、移動しただけだからですね。


例えば、貯金して貯めたお金から、マイカーを購入した場合、元々持っていたお金が、自動車販売店へ移動し、その代わりに、マイカーが自分の物に成ったのですから、お金と言う資産と、自動車と言う資産が、交換されただけに成ります。


つまり、信用創造による、新たな資産の創出が無ければ、市中の資産の総額は、永遠に増えないと言う事なのです。


ですから、政府が緊縮財政を続けていた場合、いつまで経っても、国内総生産高は増えない訳です。


日本政府における、信用創造とは、国債発行残高の事。


つまり、国債発行残高を減らすと言う事は、国内総生産を減らすと言う事と、同義な訳です。


先程も解説した通り、国債の貸し方で有る、金融機関や個人が、国債を償還される事によって、資産が消失するからですね。


例えば、量的金融緩和政策、つまり、国債の買いオペを例にすると?


金融機関の場合、国債を買い取る事によって、金融機関の資産が生まれ、その代金として、国債の額面分のお金を、日本政府に支払った事に成ります。


これを、日本政府の所管する日本銀行が、国債を買い戻した場合、それまでの保証金利と、国債のがんぽん分のお金を、金融機関の日銀当座預金に積み増します。


これによって、金融機関の資産が消失し、金利分の資産が増えた事に成ります。


なにせ、がんぽん分は、そもそも金融機関が、保有していた資産な訳ですから、国債が償還されたら、単にがんぽん分が、元通りに成っただけの事です。


つまり、金融機関と日本政府の間で、資産が行ったり来たりしているだけなのです。


日本政府が、国債発行残高を増やして、それを財政支出として、使わない限りは。


日本政府が国債を新たに発行しない限り、新たな資産が永遠に増えないのは、これでおわかり頂けるかと?


つまり、プライマリーバランス黒字化などと言い、国債発行を減らし続ければ、当然、元々の生産能力で有る、潜在GDPの水準に戻るだけで、それ以上増えないのは、当たり前の事なのですよ。


さて、闇金や街金は、日本銀行に、当座預金を持っておりません。


ですので、手持ち資金からの貸し出ししか、基本的には出来ないのです。


なにせ、手持ちの資金が無ければ、そもそも、貸し出す現金が無いのですからね?


故に、貸し倒れが発生すると、あっさり破綻します。


ですので、必死に、取り立てするわけですね。


ちなみに、基本的には、借り方の返済能力で、融資額は、決定されます。


だから、銀行や街金などでは、融資審査がある訳です。


これは、今話題のMMT、現代貨幣理論も同じです。


なので、MMTにおいては、自国通貨建て国債で、その国の潜在GDP、つまり国内総生産が、国債の発行限度額に成る。


と、理論だてております。


国債発行額の、もう一つの縛りは、インフレ率に成ります。


つまり、その国のサービスや物の生産能力の限界値て有る、潜在GDP以上に国債を発行しても、インフレ率が上がり過ぎるだけで、物やサービスの供給が追いつかなく成るからですね。


バブル時代に、将来的な返済能力の先食いをしていた投資家などが、投資で儲けた利益で借金を返すと言う事を繰り返したため、リスクヘッジを緩めて、銀行が融資を増やしたから、特に、資本力の低い、地方銀行から、破綻が相次いだ訳ですよ。


と言うふうに、借金は返済されると、元本部分は、帳簿から消えます。


逆に、銀行や日本政府が、信用創造を増やさないと、実体経済には、いつまで経っても資産は増えないのですよ。


繰り返しますが、日本政府の場合は、国債発行が、信用創造と成ります。


日本政府が、緊縮財政で、財政支出を削減していると、デフレの継続によって、民間の資金需要が低調に成り、民間銀行の融資がとどこおって、市中に資産が創出されない訳ですね。


ちなみに、通貨発行権を持つ政府組織ノミが、信用創造を増やした上で、更に連結決算により、国債を帳消しに出来ます。


市中の金融機関に売った国債を、日本政府所管の日本銀行が買い戻し、金融機関の日銀当座預金に積み増したのですから、この時点で、事実上、国債残高は減った事に成ります。


これが、所謂、通貨発行と言う、政策行動なのです。


更に、日本政府と日本銀行は、連結決算されますので、日本銀行が保有する、国債は帳消しに成ります。


簿記会計的には、子会社で有る日銀が、親会社で有る日本政府に金を貸していても、連結決算により、帳消しに成るからです。


なので、通貨発行権を持つ日本政府ノミが、信用創造を、潜在GDPと、インフレ率の許す限り、拡大させる事が可能なのです。


斯様に、デフレや緊縮財政とは、国や国民を、疲弊させ続けるのですよ。


是非この機会に、皆様もお考えに成って頂ければ幸いです。


どうだったかな?


言いたい事は本編で書いたので、特に後書きで付け加える事は無いが、『借金を返すと、貸し方の資産が消える』のが、理解して貰えたなら有り難い。


自分が、友達にお金を貸した時に例えて、もう一度解説しておこう!


自分が持っているお小遣い1万円の中から、2千円を友達に貸したとしよう。


この時、自分のお小遣い(資産)から2千円が、友達の【負債】として、友達の手元に渡る。


そして、利子を取らない場合(普通は、友達にお金を貸して、利息は取らないよな?)、お友達からお金を返して貰った時点で、自分が元々持っていた【資産(貸し出したお金も資産)】が、元通りに成った【だけ】なので、友達の【負債(友達が持っている時点では友達の資産)】が、市中から消えた事に成る。


仮に、利子を100円貰う約束を友達としていたら、その100円が、新たに市中に創出された自分の【資産】に成る。


これが、いわゆる貸金業(金融業)と成る。


つまり、貸し出した元本では無く、【利子】が新たに生み出された【資産】な訳だから、元本の部分は新たに創出された【資本】には成らない。


ただし!これは市中の銀行と日銀(日本政府)には当てはまらない【闇金は省く】


何故なら、市中の銀行は、日銀に【日銀当座預金】と言う担保が有るから、新たに市中に資本を創出する能力を、政府から下賜されている。


つまり、【口座預金者の、預金残高が貸し出し担保では無い】のだよ!


日本政府は、そもそも国債【政府の負債】を創出する事によって、新たに市中に通貨発行する能力を持っているので(ただし、自国通貨建て国債発行国のみ)、最初から『負債=資産』の関係が成り立っている。


そして、市中の銀行は、国債を買い取る事により、日銀当座預金を積みます権利(つまり、貸し出し担保)を得る事が出きる。


故に、日本国債を、金融機関は買い取る事に成る。


これを、世界標準では【マネタリーゼイション(通貨発行)】と呼ぶ!!


けっして、『財政ファイナンス』などと言う物では無い!!


まぁ、難しいかも知れないが、もっと単純に考えても良い。


つまり、【預金者の預金が、銀行の貸し出し担保では無い】


【日本政府は、国債発行により、通貨発行をしている】


これだけ、覚えておけば十分だ!


これで、政治家や財務官僚、そして、役に立たない経済評論家や経済学者に騙されなく成る。


もう、騙されるなよ?!

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― 新着の感想 ―
[一言] 質問させて下さい。 この理論だと、 他国に侵略戦争を仕掛けて、 潜在GDPがボロボロに成った新しい領土を得るよりも、 その莫大な資金で、 自国内の商品を買い上げて備蓄したり、 コロナ等の非…
[一言] 手元資金を貸し出したとこの説明間違えてませんか? 手元資金を貸し出したときは信用創造ではないですから… 資産増えないかと… 手元資金を貸し出すと 現金資産(手元資金)→貸出資産 にうつるだ…
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