ニッコロ・マキャヴェッリ (マキャベリ)が生きた時代と日本の共通性【前編】
さて、『マキャヴェリズム』と言う、所謂【帝王学】に属する『政治哲学』が有る
中々誤解されている面が多い『マキャヴェリズム』だが、今回は『マキャヴェリズム』の産みの親【ニッコロ・マキャヴェッリ
】の生きた時代背景と、不気味な程に似ている現在の日本の置かれた状況を解説したいと思う
ちなみに、【ニッコロ・マキャヴェッリ】の概略はこちら
ニッコロ・マキャヴェッリ(イタリア語:Niccolò Machiavelli,1469年5月3日-1527年6月21日)は、イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。
著書に『君主論』、『ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考』、『戦術論』がある。理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治は宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政治理論を創始した。日本語では「マキャヴェリ」「マキャベリ」「マキァヴェリ」「マキァヴェッリ」など様々な表記が見られる。
(wikiより抜粋)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%AA
さて、この【マキャヴェッリ】が生きた時代のイタリアの『フィレンツェ』の状況を見て見よう
まず、この時代のイタリアは、日本の戦国時代よろしく、小さな小国に分断されていた時代だった!
ザックリ歴史を辿ると、元々、ローマ帝国により統一化されていたイタリアは、ローマ帝国崩壊御、カール大帝が再統一する迄、ローマ教皇が預かっており、ローマ教皇が新皇帝に皇帝位を与えた事から、後にローマ教皇の権力が拡大する事に成る
後にカール大帝の死後、領土は孫達三人に割譲され、三分割される事に成る
その後、何やかやと政変が起きて、後の【ドイツ】【イタリア】【フランス】の基礎が出来て、イタリア国内は、土着の貴族やローマ教皇が野心を燃やして国を奪い合う、戦国時代に突入する
マキャヴェッリが生きた時代は
【ヴェネツィア共和国】
【フィレンツェ共和国】
【ミラノ公国】
【ナポリ王国】
【教皇領】
の大まかに分けて5つに分割されていた
その他のイタリア国内の小国は、いずれかの5大勢力の勢力下に入っていた
この当時、イギリスとの百年戦争を終えたフランスが、ナポリ王国を攻め、占領する事件が起きる
その頃、フィレンツェ共和国は、※【独自の軍備を持たなかった事から】、フランスと和解し、政治的には、親フランス路線を採る
これを不服とした教皇アレクサンドル6世が、【ドイツ】【スペイン】【ミラノ】【ヴェネツィア】を味方にして、フランス軍に攻撃を仕掛ける
これにより、フランス軍がナポリを放棄し、フランスに逃げ帰る
親フランス路線を採っていたフィレンツェは、政治的立場上、教皇軍とフランス軍に対して『中立』の立場を採らざるを得なくなる
それがイタリア国内各国の不審を招く
更に、立場が弱く成ったフィレンツェのスキをついて、ピサが反旗を翻して独立する
この時期から、【マキャヴェッリ】が外交官として、フィレンツェ共和国の要職につく
この時点で、フィレンツェはイタリア国内の群雄に睨まれ、更にはフランスやスペインからの圧力も受けていた
実に日本の近年の状況に酷似してないかな?
そして戦前の日本を取り巻く状況にも似ている
戦前と現在において、似て非なる点は、【独自の軍備を持つか?持たないか?】だな
日本は何度か解説した通り、『自衛隊はその装備からして(特に海上自衛隊)、アメリカ軍のバックアップ組織で、独自開発の装備は、既に敵が上陸してからしか使えない『戦車等の陸戦装備』ノミで、逆に『紛争の解決策として、軍事力を行使しない』と言う憲法9条の理念からすれば、独自開発の装備は、事実上敵基地攻撃や敵地攻撃には使えない
そして何よりも、『ナビゲーション衛星を、日本は独自で持っていない』ので、もしアメリカとの同盟が崩れたら、現状では兵装をほぼマニュアル操作でしか使えなく成ると言う現実が有る
遠距離攻撃兵器で有るミサイル等は相当弱体化するし、戦車等への指揮系統も脆弱化する
独自の軍事力を持たなかったフィレンツェと、今の日本は実に似ている
フィレンツェ共和国はフランス軍に頼らざるを得ず、日本は米軍に頼らなければ、国防もおぼつかない
更に、フィレンツェ共和国は、独自の軍事力を持たなかったが為にピサを独立させてしまい、日本は『馬鹿げた平和主義』のお陰で、竹島を韓国に不法占拠された挙げ句、竹島周辺で操業していた漁民を、韓国に散々惨殺されたり、不法に拿捕された
そして現在は、尖閣諸島すら、支那に奪われそうに成っている
な?フィレンツェ共和国の状況にそっくりだろ?
今こそ、同じ様な環境で外交官を務めた、【マキャヴェッリ】の思想が日本には必要不可欠なのではないのだろうか?
ちなみに【マキャヴェッリ】は、フランスと交渉して軍を借り、ピサ再統一の為に自ら挙兵した事が有る
しかし、フランス軍の士気の低さからピサ戦役に敗退し、独自の軍隊を持たない事の脆弱性を認識する
フランス軍の士気が低いのは当たり前で、自国や自分の利益に関係無いフランス軍人にとって、ピサ奪還などやる気が無くて当然だ
現在の軍隊にそのまま当てはめるのは、やや安易に過ぎるかも知れないが、アメリカが竹島問題に口を出さないのも、アメリカの国益に何の関係も無いからで、更には、尖閣諸島が、支那軍の太平洋進出拠点にされる危険性が無ければ、尖閣諸島問題にも、米軍が絡む事は無かっただろう
マキャヴェッリは、その後『フィレンツェ共和国の独自の軍隊』を創設する為に、農民兵を徴兵する事に成る
今と経済理念が異なる為に、マキャヴェッリは独自軍創設の為に増税を敢行し、フィレンツェ国民に反感を喰ったが、独自軍の勇姿を国民に定期的にパレード等で見せ、国民の理解を得て行った
この頃、【チェーザレ・ボルジア(ヴァレンティーノ公)】が頭角を現し、フィレンツェ共和国に対して、軍事的に守るからと、多額の傭兵代を請求する事件が起きている
この事件も、今の日本の『米軍思いやり予算』を思わせるエピソードとは思えないかな?
ちなみに『米軍思いやり予算』とは?
>思いやり予算とは、防衛省予算に計上されている「在日米軍駐留経費負担」の通称である。在日米軍の駐留経費における日本側の負担のうち、日米地位協定及び、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定を根拠に支出されている。
思いやり予算の内訳は、在日米軍基地職員の労務費、基地内の光熱費・水道費、訓練移転費、施設建設費などである
平成26年度の在日米軍関連経費の内訳のうち、いわゆる「思いやり予算」は1,848億円であるが、それとは別に、
基地周辺対策費・施設の借料など 1,808億円
沖縄に関する特別行動委員会(SACO)関係費 120億円
米軍再編関係費 890億円
提供普通財産上試算(土地の賃料) 1,660億円(防衛省の予算外、25年度資産)
基地交付金 384億円(防衛省の予算外、25年度予算)
(wikiより抜粋)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%9D%E3%81%84%E3%82%84%E3%82%8A%E4%BA%88%E7%AE%97
因みに、米軍基地負担金を世界一支払っているのは日本だ!
日本は在日米軍の駐留経費の約七割を負担し、他の米軍基地所在国は、四割程度を負担している
聞けば聞くほど、【マキャヴェッリ】の生きた時代のフィレンツェ共和国と日本はそっくりだろ?
後編に続くぞ!!
どうだったかな?
前後編2回に渡る長い解説なので後書きは控えるが、マキャヴェリが生きた時代のイタリアと、今の日本の置かれた現状の共通点は多岐に渡る
つまり、昔から地政学上の問題や、経済的な政策による問題は、沢山有ったと言う事だ!
しかも現在と共通する点も多いと言う事
後半では、更に詳しく解説しているので、是非とも読んで欲しいぞ!!




