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帰宅部に明日はもうないから。  作者: 夏空パレード
2/5

帰宅部の過去

青木は帰宅部に居ながらも、帰宅部の過去など興味がなかった。

それに引きかえ、こんな男の子が帰宅部の過去を

知っていることに青木は恥ずかしさと劣等感に

苛まれていた。


『噂ですが、10代目部長は部員数50人、全国高校帰宅大会優勝に導いた方です。しかし、部員の集め方として、彼のやり方はひどいものでした。部活をやってる人部活をやってない人、関係なく無理矢理に帰宅部に入部させたんです。それからと言うもの帰宅部は部員数50人になり、全国では最大最強ともまで言われ

10代目部長はこの学校にも恐れられた方なんです。」


それを聞いた青木は衝撃ばかりが走り、開いた口が塞がらなかった。


「それでは、これで失礼します。今日は助かりました。」


男の子はぺこりと頭を軽く下げて帰ろうとするところを、青木が止めた。


「キミ、ちょっと待ってくれ・・・話がある。」


「なんですか?」

 

「お願いがあるんだ。帰宅部に入部する気はないか?今月までに

3人集めないと廃部してしまいそうなんだ。」


「廃部ですか・・・ごめんなさい、帰宅部にはあまり興味ないです。」


「そうか・・・呼び止めて悪かった。」


男の子は青木に背を向け、そそくさと歩いて行った。


          ◇


一方その頃、部室に残ってポテチを食い散らかしていた水田に

ある訪問者が訪れていた。


「あんた誰?」


「青木様の恋人候補。2年2組夏川なつみ、よろしく~。」


夏川なつみ。

性格は気が強いほうだが、天然なところもある。

髪はショートで似合っている。青木のことが好きである。


「青木様?部長なら帰ったぜ。」


「そうなんだ。ねぇ、ところでここ何部?」


「帰宅部だけど。あんたよく知らないで青木がここに居るなんて分かったな。」


「ここの教室で青木様が部活してるって聞いたのよ。帰宅部って何するとこなの?」


「ただ、一緒に帰るだけ。」


夏川はその言葉に目が輝きだし、とても嬉しそうに身を乗り出した。


「ねぇ!あたしも帰宅部って入れる?」


「あ?入れるけど・・・なんで?」


「だって帰宅部に入れば、青木様と一緒に帰れるじゃない!それってすごく幸せじゃ~ん」


「青木目当てか!」


「それ以外興味ないわ。さぁ、入部届けの紙ちょうだい。」


「うそだろ!?入部する気か?」


「あったりまえじゃ〜ん」


水田はしぶしぶ引き出しに置いてある入部届の紙を取り出し、夏川に渡した。

こうして、突然ではあるが夏川は帰宅部に入部した。


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