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さてと…

ガルディンさんの経営しているぽっぽー屋にてオレらはこれからのことを話していた。


「まず、みんなにはオレの特訓に付き合ってもらおうと思ってるよ。魔法の使い方は分かるんだけど何しろ使い込んでないから感覚があんまり掴めないんだ。」


指を1つ立てながら話すオレに四人はふむ、と腕を組む。


「でもセイク様、それではすぐ終わってしまいますよ?」


「左様。」


「うふ、セイク様は学習する樹木ですもの。他のことも考えられたらどうでしょうか?」


「そうねー。セイク、勇者について調べてみましょうよ。邪魔なら消せばいいわ。」


黒い笑顔で笑う四人にオレは苦笑する。

もちろん勇者のことは調べるつもりだったし、オレの特訓自体はすぐ終わることもわかってる。


「んーとね一応考えてはあるんだ、特訓のあとのこと。ユリさんは王族のことを調べて欲しいんだ。テューは王都の現状、ミューは魔族について、ルゥは勇者のことを。」


本当はオレ自身が接触したいところだがこの過保護で心配性な精霊たちは許してくれないだろうからオレはこの世界に馴染むことに専念しよう。


「なるほど、分担するのね。わかったわ。」


「さすがはセイク様です!!」


「ではまず特訓ですな。」


「んふ、私達がお手本を見せますのでセイク様は見て、感覚を覚えて下さいね。」


そう言うとルゥは水系統の初級、ウォーターボールをふわりと3つ浮かせた。

それを合図にしてテューは同じく水系統の初級、ウォーターアローを。

ミューは中級のウォーターゴーレムを顕現させた。


「ほむほむ。治癒とかは?」


「誰もケガしてないからできませんよぅ。そもそも私たちは実体があるようでない存在ですし…」


「そだね。オレとかがケガすることはないか。」


「あとはステータスアップですが別にしなくてもまず負けることはありませんよ!」


「そっか。なんとなく感覚はわかったよ。」


感覚がふわふわしていたものから明確なものに変わったのがわかった。さすが転生チート…かな?普通なら自分で何度も使って覚えていくことがサクッと終わってしまいオレ自身もなんだか拍子抜けだ。


「じゃあみんな明日から情報収集お願いするよ。あ、直接接触できるならオレも連れていってね。」


「ええ、わかったわ。ほらセイク、そろそろ寝ましょうね。」


「…あのさ…確かにまだ慣れてないけどさ…とりあえず年齢はじじぃなんだよ…?」


「?何を当たり前のことを言うの?」


「あ、なるほど。セイク様は子供扱いがお恥ずかしいのですね。」


「…うん…」


そう言うとユリさんはショックを受けたようで


「セイクが反抗期…!!」


と言いながら布団に潜ってしまった。

どうしろと。

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