番外編2 神と世界 なんで俺の世界は平和なんだ!?
人間にして24年という短い生に終止符を打たれ、なんやかんやで神様見習いになり、ようやく自分の世界を持つことを許された。
「むふふふー、人間とか、亜人とか創ったりするぞー!!そんでもって魔王とかが人間と敵対したりして…くぅーっ!!いいね、バトルファンタジー!!」
と、思っていたのに。
「…は?」
「だから、お前が担当する世界はもう完成してるからそんなことせんでいい。そもそもそんな邪な考えを持つな、バカもん。争いでも起こしてみろ、お前は永遠にクビだ、いいな!!」
な、な、なんだと!?既に完成している面白くない世界を担当するだと!?しかもバトルがない世界!?そんな、そんな!!
「……見てろ、爺。刺激のある世界の方がより良い世界に決まっているんだ。俺が争いを起こさなきゃいいんだろ?だったら…」
人間を唆せば!!
「と、勢い良く進めてみたが…なにこれアウェイ。聖樹様とやらの信仰が強すぎワロス。」
この世界は俺のものなのに、気に入らない。神様権限で消そうにも聖樹は世界の様々な場所に根を張っていて消したら一発で消滅する。もちろん世界が。あと俺の神としての権利も剥奪か。
「うーん…まずは敵を知ることからか。なになに…?聖域に生えたこの世界初の樹木で転生者…?転生で木に成るとか(笑)ウケる。」
普通はチートとか、魔物とかだろ常考。ダサっ(笑)
「聖域に生えている聖草に育てられ、成長しながら世界の概念を生み出し、生き物が生まれ、今の形になった、と。うっわ、何?魔族と人間が仲良しこよしで亜人とかの差別もない!!つまんねぇ!!」
世界は戦いがあるべきなんだよ!!ぬるい、優しいだけの世界など面白くない!!
さーて、どうやってこの世界を混沌とさせようか。これはこれで楽しいかもしれない。