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勇者が妹…だと…

人がとある道に集まり始めている。なんでもそろそろ勇者様の御披露目が始まるそうな。


「勇者かぁ…イケメンなんだろうね。あ、もしかしたら女の子も美少女だったり?」


「それは見てからのお楽しみかしら。それにしてもいけ好かない教会やら神殿やらが目に痛いわね。この世界は自然を敬わなければ力など使えるわけがないのに。」


「ユリさん、人間は偶像にすがって生きてるものなんだよ、仕方ない。」


神様と話せると豪語する巫女を中心とした教会…神信教の人たちは自然は自分のものだと主張しながら狩りをしたり木を伐ったりしているらしい。神の方が聖樹より上だとも言い張っているが、聖樹信教者が全体の八割をしめるので軽くあしらわれているんだとか。なんだかなぁ。


「あ、来ましたよ!!」


ざわざわと周りの野次馬が騒ぎ始め、姿を見たであろう町娘の黄色い声が、男の野太い声が、辺りに響く。


「ミュー、肩車してー。見えないよー。」


「む、御意。」


女性陣の腰くらいの身長しかないオレはミューに肩車をしてもらった。ミューは体を鍛えているらしく、女性にしては少々筋肉質だ。泉の精霊に筋肉が必要かどうかはわからないけれど。


「ほへー…さすが主人公格、みんな容姿が整っ…あれ…?サクラ…?」


ニコニコしながら手をふっている前世の妹、桜。

黒髪で茶けたつり目だったオレに全く似ていない柔らかそうな茶髪に色素の薄い大きな目。


「なるほど、召喚されたから行方不明になったんだね。あ、もう下ろして、気付かれる。」


「はっ、御意に。妹君とは以前おっしゃていた前世とやらの…?」


「うん。へぇー、時系列が違うんだ。後にあちらからこの世界に来たはずのオレがウン千年も年上だもんな。」


無駄にハイスペックなオレの体は城からかなり離れた場所のここからでも顔が見えるし声も聞こえる。ハイビジョンも真っ青なくらいだ。

日本人と思われる四人の他に二人、身分が高いだろう人間が見えた。1人は苦虫を噛んだように眉間に皺を寄せた少々悪人顔の中年、もう1人は無表情に四人の紹介をする若い中性的な青年。


「…キナ臭いなぁ…」

「臭いますね!!」

「全く…これだから人間は…」

「ふふ…面倒ね…逃げたい…」

「セイクに迷惑をかけない程度にして欲しいわ。」


どう考えても王族にも教会にも何か問題がある。もしかしたら神とやらにも。そう感じたのはオレだけではなく、ユリさんたちも何か不穏なものを感じたようだ。


「…よし、首を突っ込むようなことは極力しないように立ち回ろうか。まずはオレの魔法の練習に付き合ってもらえるかな?」


「「「「我が聖樹様のお心のままに。」」」」


サッと片膝をつき、騎士の礼をする4人をあわてて立たせ、オレの特訓は始まるのだった。よーし、神とやらの思惑を引っ掻き回して、王族(仮定)の事情をめちゃくちゃにして、教会の人を懐柔したりできるように頑張るぞー!!っておもいっきり首を突っ込んでる気がするけど気にしない!!

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