三話『勇者「え? 俺に悪を倒せと? 死亡フラグじゃね?」』
俺は、王家の血を受け継ぐ人間だ。そして、力を持つものだ……と言っても、力はまだ発現してないけど。
まさか、親父…王様から死地に行けって、言われるとは。
完璧、死亡フラグじゃん。
てか、なんだよ。向こうの戦闘力。先鋭の討伐隊三千人をほとんど生きて返さなかったんだぞ。
そんな奴等に、力が発現していない俺を向かわせるとか……
やだー 死にたくねぇー まだ生きてぇー
でも、行かなかったら。この国で生きていけねぇーし
他の国に行っても、どうせ追跡されてるだろうーし
てか、こんな事考えてるから、力が発現しなかったりして、なんて。
それが理由だったら、マジでしゃれにならねぇな。
はぁー 親父、いや王様に呼ばれているから、行かないと。
呼ばれた先は、大きなホールだった。
てか、色々人がいるんだけどwww
おっ、美人発見。黒い長髪の人だ。
てか、待て。現実逃避じゃないからな、俺。
べ、別に国のお偉いさんが沢山居て、動揺してるわけじゃないんだからね。
……ごめん、調子に乗りすぎた。
あーぁ、どうしよう。着実に死亡フラグが立ってるわ。
いや、もう立っているか?
まぁ、いいか。さて、勇者を演じますか……
勇者「王様、ただいま参りました」
王様「おぉ、ようやく来てくれたか。すぐにで悪いが、そなたに討伐して欲しい者達がいる」
はぁ、しかし形式美が必要っておかしくね?
まぁ、その分生きていられる時間が延びるからいいんだが。
あれ? この考えだと、俺死ぬ気じゃね? まぁ、いいか。
王様「その者達は、この前我らのプロジェクト『光』を壊したのだ」
知ってますよ、超が付くほど有名ですからね。
王様「その者達をその行動にちなんで、悪と私達は呼んでおる」
知ってます~
王様「そなたには、悪を討伐して貰いたいのだ」
勇者「はっ」
あ~ぁ、俺の死亡フラグが確定した。
王様「この前騎士団を送ったのだが、ほとんどが帰って来なかった」
王様が嘆く。おい、絶対そんな気持ちねぇだろ。
王様「ゆえに、勇者に行ってもらいたいのだ。」
くそ、バカ親父! 死ねよ!
勇者「畏まりました」
王様「しかし、そなた一人だと旅先では不安だろ。そこで、一人優秀なパートナを用意した」
は?
王様「魔女をパートナとして、悪を討伐して欲しい。よいか?」
魔女? て事は女? うやほっー ……うん。女なんて、関係ないよな。どうせ、俺ヘタレだし。
魔女「ご紹介に預かりました、魔女です。どうか、よろしくお願いします」
おろ? さっきの黒髪美人の人だ。……て、まじかよ!
勇者「……よろしく、お願いします」
王様「では、今日は遅い。明日の朝に出発をしてくれ」
あぁ、決まってしまった俺の死亡フラグ。だが、神は俺を手放さなかった。
旅の付き添いとして、美人の人が付いてくるからだ。
だが、ヘタレの俺としては何にもできないのが、キズだが……
そんな事で始まった、俺の物語。