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イレギュラー・サーティーン ―公安調査庁・庶務十三課―  作者: 北方宗一
第四章 アーティラリーズ・ファントム
47/64

ヒビの入ったメイス その1

新しい脅威は外からくる。

 中央合同庁舎第6号館法務省旧本館 第2小会議室


 「さて、諸君に決定を伝える」

 集合をかけた課長は整列した強襲一班を前に言う。

 「なんです?」

 秋津が訝しげに言う。

 「今後、標準装備としてSCARの5.56ミリモデルを導入する。遅れたのは生産の問題だ。すまなかった」

 「新装備ラッシュだな」

 「で、適応される人員は?」

 井口は挙手して言う。

 「まずは、強襲一班で、特に現在89式を使用している人員だ。それ以外は一応操作訓練をうけてくれ」

 「で、いつから?」

 御手洗が言う。

 「今後、だ」

 そういうと武田がガラガラと台車を押してきた。台車の上にはハードケースが積まれている。

 「これが現物だ。コンバーションバレルもセットになっている」

 ハードケースを開けると黒いライフルが姿を現す。

 「色は黒だ。ストックは6ポジション。チークパッドは2ポジション。基部で折り曲げることができるが89式とは逆方向だ。セレクターとマグリリースはアンビ。ボルトハンドルは取り換え可能だ」

 説明とともに当該部品を茅ヶ崎は操作していく。

 「アイアンサイトは可倒式」

 (((((((げぇ!)))))))

 自衛隊出身組が青ざめる。

 「だが、簡単には倒れないそうだから大丈夫だ」

 ほっと溜息が聞こえる。

 「注意するべきは、セレクターを45度傾けると単射、90度傾けると連射になるという点だ。感覚をつかむまで練習すること。警視庁術科センターで訓練を行う」

 『了解』

 伝達後、一班はガンケースを持って車に乗り込んでいった。


     *************


 「ええ〜。春季遠足まであと少しです。今年は刃物見に行くんだそうだから!日本刀見れるよ!」

 『おお〜』

 相変わらずだらしないお腹の小坂先生の放った言葉はクラス中にどよめきを生んだ。

 刃物ということは関市だろうか。名前なら知っている。

 ドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドと肩を並べる世界的に有名な刃物の町だ。

 「まあ、お菓子とか、デジカメとか、お財布とか準備してろよ!」

 『は〜い!』

 「ただし!刃物は買えないからな!」

 ああ。やっぱりねと言う声がそこかしこから聞こえた。


 「どうしたの?残念そうな顔して」

 理恵ちゃんがニコニコしながら近づいてきた。

 「刃物の街っていうから何か買えるかな?なんて思ってたんだけど……」

 さすがに虫が良すぎた。この学校は普通なんだ。刃物なんて許すわけがない。

 「ああ〜。私も」

 「えっ?」

 意外な答えが返ってきた。

 「いや〜。うちの包丁、ぼろぼろでさ。良いやつ売ってるだろうなぁなんて思ってたんだけど」

 「あ、ああ。そういう」

 やっぱり。生きている場所が違う。

 「あれ?そのリアクションってことは何か違うの?」

 「そ、そうじゃなくて……!」

 ばれた!?

 「まあ、いっか」

 よかった。

 「そういえば、バスの席決めでどうするの?」

 「席決め?」

 「そう。長い移動を楽しむためには必要だよ」

 「へぇ」

 すっかり忘れていた。バスの座席のことなんて眼中になかった。

 「バカ話したりさ。幸太郎君の隣は?」

 「エミリーが怒りそうだからなぁ〜……」

 ずぅんとなる。

 「じゃあ、どうしよっか」

 「私の隣に来てくれない?」

 「いやいや。それはいけないでしょ」

 「え!?」

 拒否された!?

 「いや、だってさ。カップルは合席ってのは定番でしょ」

 「あ、合席……」

 言葉が出てこない。

 「まあ、そういうものだよ」

 「そうなの?」

 「そう!」

 「だけどなぁ……」

 どこか躊躇いがある。今の幸太郎にどう接すればいいかわからない。

 「ばれた時が怖いの?やっぱり」

 「ばれたらエミリーが何やるかわからないから……幸太郎に」

 幸太郎に危害が及んではいけない。

 「あ、そりゃだめだ♪」

 理恵ちゃんはテヘッ♪と誤魔化す。

 「真面目に考えてよね」

 溜息が漏れる。

 「ごめんごめん」

 理恵ちゃんが笑って言った。


     *************


 東京都 江東区 警視庁術科センター 射撃訓練場


 射撃訓練場でグローブをつけた手でSCARを構えると御手洗は静かに引き金を引く。

 撃ち味は89式に似ているが若干重い。機構も、重量もそう変わらないから当たり前といえば当たり前だ。レールに何もついていない殺風景っぷりも89式に慣れていると、まったく気にならない。

 「なにかつけないとなぁ」

 「フォアグリップとかか?」

 背後から声をかけてきたのは普段はM4A1を使う湯浅だった。SCARのストックを折りまげてスリングで首から吊っている。

 「湯浅さん」

 マガジンを抜きチャンバーを空にしセーフティをかけると御手洗は振り向く。

 湯浅の使用するM4A1はアメリカ軍のMWSに準じたRAS組み込みモデルである。当たり前だがミッションごとに若干の換装をするのだが大抵変わらない装備というのがある。湯浅の場合はEOTecホロサイトとフォアグリップはほぼ固定状態である。

 「まあ、なんでもゴテゴテつけると重くなるからな。まずはフォアグリップだけだ」

 「なるほど」

 「光学機器もいろんな種類がある。選び放題だ」

 「そうですよね」

 「これから楽しいぞ。ようこそ、ピカティニーの沼地へ!」

 湯浅は朗らかにそう言った。


     *************


 新潟県新潟市東区 新潟港


 昨日ウラジオストクを発った新航路開発の試験便のフェリーが接岸する。

 「〈ここが日本か〉」

 埠頭に降り立った白髪交じりの男は入国審査へと向かう。その髪からは想像できない若い顔がのぞく。

 入国審査の列で待たされ、少しすると無愛想な入国審査官が眼鏡の奥の瞳でまじまじと見つめる。

 「〈今回の来日の目的は?〉」

 「〈ビジネスだ〉」

 ビザと見比べると、審査官はダンッと強く判を押す。

 「〈よい旅を〉」

 手を振って言葉に答えると、街へと繰り出す。

 「〈赤1よりゲーナへ。シャパクリャクを確認。オーバー〉」

 港近くの道端に止まっているシルバーのフィットアリアの車内で大男が言う。

 『〈ゲーナより赤1へ。監視を続けろ〉』

 「〈赤1了解〉」 

 男たちはSVR――ロシア連邦対外情報庁の日本国内向けのエージェントだった。

 そんな中、男はタクシーに乗る。

 「〈ここまで頼む〉」

 紙を一枚渡す。

 ネットカフェで手に入れた日本語版のマップで示した場所を示す。

 「ここに行きたいの?」

 タクシーの運転手が指でさして確認する。

 「〈ああ。行ってくれ〉」

 「あ、OKなのね」

 コンフォートはすべるように走りだした。

 追ってくる車を確認して男はカバンの中身を確認する。

 使うことを考えてチェックをした。 


     *************


 中央合同庁舎第6号館法務省旧本館


 御手洗と和田はSCARの操作訓練の後、霞が関に帰ってきていた。

 二人してソファに座って本を読んでいるとプリンターから紙が一枚でてくる。

 気が付いた御手洗がプリントアウトされた資料を手に取る。

 「ドイツの憲法擁護庁とロシアの連邦保安庁から情報がきた」

 「なんだ?」

 和田は急かす。

 「国内にテロリストが潜入した可能性があるんだそうだ」

 「名前は?」

 「ゲオルゲ・アマナール。欧州を荒らしまわったフリーのテロ請負人兼殺し屋らしい。関わった事件は、ドイツのアメリカ欧州方面軍司令部爆破未遂事件、イタリアのアメリカ欧州空軍アヴィアーノ空軍基地襲撃事件、スロベニアの親米政党幹部暗殺事件など多数。殺人や騒乱などでユーロポールを通してインターポールの赤手配を受けている」

 赤手配。精確には国際逮捕手配書。これはつまり発見次第拘束、引き渡し条約の有無にかかわらず身柄を要請国に引き渡すように要請する最高クラスの手配だ。

 「なら、ローゼンハイム姉妹ならわかるんじゃないか?あいつらはその業界の人間だろ」

 「そうだな」

 和田の言葉に納得する。御手洗からプリントをひったくって読む。

 「それにしても、憲法擁護庁はまだわかるが、FSBが普通、取り逃がすか?」

 「そうだよなぁ」

 和田は御手洗の疑問に同意する。

 憲法擁護庁は旧西ドイツがナチス主義者と共産主義者を取り締まるために設立した機関だ。強権的な面が薄く、対応力が不足している。

 しかしFSBはソ連時代に悪名を轟かせた、かのKGBを改組した組織である。CIA以上に大胆な行動が多く、ハニートラップに代表される工作員を使ったヒューミントやデモの扇動、政治家やジャーナリストの暗殺などの直接的工作を得意としている。

 「そういえば、実話誌にロシアの裏社会記事が載ってたんだが、今ロシアでは新興宗教が流行りつつあってマフィアとの癒着が激しくなってきているとか」

 ぱらぱらと和田が雑誌をめくると「あったあった」とページを指す。

 「これなんだが、なんせ信憑性が薄いからなぁ」

 白黒の写真の中では白い髪の少女が真っ白な法衣を着て祈りをささげている。

 「なんだ、こりゃ」

 「最近ロシアで人気のカルト教団の女教祖だそうだ」

 「見る限り小学生くらいの女の子だが」

 「素性は知らねぇよ」

 覗き込む御手洗に和田はことわりを入れる。

 「まあ、そうだろうな。ちょっと調べてもらうかな」

 「何を」

 「この教団に関すること」

 「どうやって?」

 「諜報班や情報班にはロシア語に明るいやつが多いだろ。そいつらに検索してもらうのさ」

 「なるほど。インターネットは優秀だからな」

 「有効利用させてもらおう」


 「で、ここに持ち込んだわけね」

 気怠そうな顔をしてボサボサの髪の女――情報班の堀環奈は実話誌を受け取る。

 「てんで外国語ができないんでね。大学時代の第二外国語フランス語で落第寸前だったし」

 和田は頭を掻く。

 「わかったわよ。ロシア語でこの娘に関するニュースを片っ端からね」

 「ありがとうございます」

 御手洗は頭を下げる。

 「それにしても、なんでこんなこと頼むの?直接関係ない以上、外務省IASが教えてくれるまでノータッチでしょ?」

 「この間から警察と一緒に追ってるロシアンマフィアと関係あるかなぁ?なんて」

 和田はそう言って愛想笑いを浮かべる。

 「なるほどねぇ」

 一通り記事を舐めるように見ると視線を戻す。

 「けど、私たちはそんなことしたって意味ないんじゃない?」

 「……?」

 「ほら、マフィアは刑事警察である組対部の管轄でしょ」

 あきれたといった表情で堀は和田を見つめる。

 「あっ……」

 「何ド忘れしてるのよ。私たちは刑事ドラマの主人公じゃないのよ」

 溜息交じりに堀は言う。

 「こういうところにいると憧れるようになるんだよ」

 「まったく。無駄な仕事はしたくない主義なの。わかる?」

 「そこを何とか」

 和田はそう言って腰を低くしてみる。

 「報酬を用意して」

 「俺と一夜を共にする券とか?」

 「……なめてんの?」

 堀は舌打ちとともに和田にガンを飛ばす。そういえば、元レディース(女暴走族)だったか?

 「ああ!スイマセンスイマセンスイマセンスイマセンスイマセン……!!」

 一応元自衛官のハズなのだがあの威圧感には敵わない。

 「よろしい。じゃあ、バーキンね」

 「バ、バーキン……バーキンってあの、バーキン?」

 和田の顔が一瞬で青ざめる。

 「そう。エルメスの」

 「ちょ、それは……」

 「いやなら、やめようかな?」

 「……わあったよ……俺の給料がぁ」

 咽び泣く和田の肩を御手洗は抱きとめた。


 「俺も半分出してやるから、気を落とすなよ」

 しょんぼりとソファに座る和田に御手洗が声をかける。

 「軽の中古車買えるぜ?良いのか?」

 「一応金溜めてるからな」

 「付き合ってる女にどういうつもりだ?こんな高い買い物。しかも女ものだ」

 「そういえば、そうだな」

 「大変だな」

 「情報班は偏屈な奴が多いからな」

 「だが報酬がいるとは思わなかった」

 「あいつ、バーキン似合いそうにないぞ」

 「もしかしたらおめかしするのかも」

 しばしの沈黙。

 「想像できん……」

 「まあな。想像できる方が異常かもしれないが」

 男二人で溜息を吐いた。


     *************


 「バスの席順表埋まったみたいだね」

 理恵ちゃんが私の許に駆け寄って言う。

 「幸太郎の隣は?」

 「山本君」

 「そう」

 プリントをまとめて再度理恵ちゃんに向き直って聞いてみる。

 「で、私の隣は?」

 「あたし、理恵ちゃんで〜す♪」

 キメポーズとともに理恵ちゃんは言う。

 「……はぁ……」

 自然と溜息が出る。

 「ちょっとぉ!なんで溜息つくのぉ!?」

 理恵ちゃんは頬を膨らませ憤慨する。

 「いつも元気ね。本当に」

 「いつもムスッとしてるよりもいいじゃん♪」

 彼女はいつも朗らかだ。

 独特の雰囲気がある。

 一緒にいるだけで私も元気になりそうな、そんな気がする。

 「どうしたの?」

 「あ、その」

 「ホントどうしたのかなぁ?」

 両手がワキワキと虫の脚のようにせわしなく動く。

 「とうりゃっ!」

 一瞬のうちに脇腹に指を這わせる。

 「ちょ、それは……。やめて!くすぐったいからぁっ。あっ」

 「にししししぃ!」

 「〈ほんと!だめなんだってぇ!〉」

 体を捩じらせえくすぐりに堪える。

 「おっと」

 不意に理恵ちゃんはくすぐるのをやめる。

 「やめてくれたんだ」

 息もとぎれとぎれに言う。

 「さすがに可哀そうだったから。ドイツ語口走るって、必死ってことだろうし」

 「ありがとう。察してくれて」

 「えっへん!」

 理恵ちゃんは胸を張る。

 「そういえば、あなたには恋人とかは?」

 仕返しとばかりに意地悪を言ってみる。

 「いないんだなぁ。これが。誰も私の美貌に気が付かないのかしら」

 しょんぼりと肩を落とす理恵ちゃん。

 「大丈夫。いつかは巡り合えるから」

 「ホントかなぁ……」

 しょんぼりする理恵ちゃんに、これ以上どう声をかければいいか、わからなかった。


     *************


 「さて、SCARだが」

 御手洗はSCARを見つめる。

 「レールが食い込むんだよ。手に」

 溜息しか出ない。レールは意外とエッジが立っている。長時間握っていると仕舞いには掌には赤と白のストライプができる。

 「レールカバーかフォアグリップは必須だな。あと光学照準器」

 和田も納得するように言う。

 「バレルはどうする?」

 「俺はスポッターだからこのままにするかな」

 「なら、俺はショートバレルにするか。近接戦が多いし」

 そう言うと御手洗はメモにペンを走らせて続ける。

 「他に必要なのはレーザーとフラッシュライト……、あとは……」

 「俺は、ライトは要らないからサイトブースターとバイポッドがいるな」

 「用途が違うと必要なものがこうも違うのか」

 「ははは。今まで同じ銃を使ってきたことの方がおかしかったのさ」

 御手洗の驚嘆に和田は笑って答える。

 「だな」

 「そうそう。どうも89式がなくなったからサプレッサーが制式化されるらしい」

 「へぇ」

 「ほら、こいつマズルの外周にネジが切ってあるだろ。これを使って固定するんだそうだ」

 和田はマズルを指差す。コンペンセイターの外周にはネジの突起があった。

 「そういう設計だったのか」

 「これがあるから採用したんだろうな。どうも他の銃にもクイックドロウサプレッサーの取り付け対応をするそうだ」

 「この間の神山のあれはそう言う意図が」

 「そうらしい」

 「これで、隠密戦がやりやすくなるな」

 「粉塵爆発や可燃性ガスへの引火の危険のある場所でも安全に戦える」

 二人して装備の更新の意図が見えた気がした。

 これからは、麻薬戦争だ。


     *************


 新潟市街へと繰り出した白髪交じりの男は周囲を見回す。在新潟中国総領事館近くの喫茶店で待ち合わせていた。

 すぐそばにはつけてきた車があった。

 カバンの中のラジコンを車道に放ち、アプリケーションを利用し、つけてきた車の真下に配置した。

 そのまま喫茶店に入る。

 「〈遅いぞ。ルーミニー〉」

 喫茶店の中で白髪の大男が待っていた。それなりの年の男は鋭い視線を投げかける。

 「〈すまない『ヴィンペル』。つけている奴がいたからな〉」

 『ルーミニー』と呼ばれた男は顎でガラスの向こうを指す。

 「〈どうだ?〉」

 「〈まだいるな。だが、大丈夫だ〉」

 次の瞬間、路肩に駐車していたシルバーのフィットアリアが爆風で宙を舞った。

 「〈処分した〉」

 道路の周囲が騒がしくなる。

 「〈派手だな〉」

 『ヴィンペル』はそう言って惨状を見つめる。

 「〈十八番だよ。昔、『下の娘』に教えたくらいにな〉」

 『ルーミニー』はダビドフの紙巻き煙草を箱からトントンと振り出して口でくわえる。

 「〈そういえばそうだな。忘れていたよ〉」

 ライターを探す『ルーミニー』を横目に『ヴィンペル』は言う。

 「〈これで、SVRは迂闊に動けない。この国の警察も当面の間は極右主義のテロだと考えるだろう。足はつかない〉」

 「〈で、どうするんだ〉」

 粗末なライターで火をつける『ルーミニー』に『ヴィンペル』は問いかける。

 「〈これから、弾丸列車で東京に向かう。チケットは手配したな〉」

 「〈ああ。いい席取っておいたぜ〉」

 『ヴィンペル』はチケットを取りだす。

 「〈『娘たち』に連絡しないとな〉」

 「〈場所と電話はわかってるのか?〉」

 「〈電話さえ分かればすぐだ〉」

 そう言うと『ルーミニ―』は煙を吐き出し、すでにベロモルカナルの吸い殻のある灰皿に灰を落とす。

 「〈なるほど。携帯電話のGPSか〉」

 「〈ああ〉」

 「あの、え、エクスキューズミィ?」

 「?」

 見るとおどおどと男が近づいていた。

 「!?。あのご注文……オーダー……」

 「〈これとこれをくれ〉」

 注文と察した『ヴィンペル』が指でメニューを指して答える。

 「オ、オリジナルブレンドと、クラブハウスサンドですね。かしこまりました」

 そそくさと店員が退散する。

 「〈コーヒーはうまいぞ〉」

 そう言うと『ヴィンペル』は水を一口飲んだ。


 「〈赤1!応答しろ!赤1!聞こえるなら報告するんだ!!〉」

 さっきから赤1との通信が途絶えたままだ。

 「〈班長。テレビを〉」

 不意に入ってきたのは若手のオフィサーだ。

 「〈どうした〉」

 オフィサーの催促に応じてテレビを見る。

 「〈新潟で、爆弾攻撃です〉」

 液晶の中では進行方向が地面に向いている乗用車が一台燃えていた。

 「〈!まさか!?〉」

 「〈赤1が使っていた車と同じと思われます。残骸のナンバーも一部が一致しました〉」

 硬い拳を机に叩き付ける。

 「〈!!してやられたか!!赤2と橙2を向かわせろ!!〉」

 班長は指示を飛ばす。

 「〈だめです。規制線が張られた模様。車両進入が不可能になりました!〉」

 「〈チッ……黒0を準備。準作戦状態に移行〉」

 小さい舌打ちの後、班長はしばし逡巡して言う。

 「〈!?……早すぎます!合法的手段がまだたくさん〉」

 「〈このままでは、わが国だけでなく、この国やアメリカにも問題が波及しかねない!事態悪化の前に処理しなければ!〉」

 抗議する部下を怒鳴り声で制し、班長は強く言う。

 「〈わかりました。ゲーナより黒0へ。準作戦状態へ。チェブラーシカに報告。『ガルモーシカを弾く』〉」


 蓮池と真田は事件現場に来ていた。新潟に潜伏しているテロリストの検挙を終えて帰路に着く直前に偶然にも鉢合わせたのだ。

 「公安調査庁だ」

 身分証を見せ現場に入る。

 「ひでぇな」

 車はものの見事にフロントを下にして『立って』いた。

 「目撃者によると上に吹き飛んだとか」

 「指向性爆薬か」

 蓮池は結論付ける。

 「なるほど。この車以外の被害は小さいしな」

 真田が周囲を見渡す。見た限り被害車両も負傷者も比較的少ない。

 「?なんだあいつら?」

 見渡したとき不意に黒い背広の男二人が真田の目についた。

 黒縁メガネの二人は喋りながらメモを書いている。

 「ああ。中国の外交官です」

 制服警官は目で指し示しながら言う。

 「なんで?」

 「この近くに中国の総領事館が……」

 「ははぁ〜ん。なるほど」

 真田が相槌を打つ。

 「後で文句言う気なんですよ。最近、総領事館を巡って騒動があって、右翼団体とか保守系の団体が抗議をしたりしてたんですよ」

 制服警官はそう顔をしかめる。

 「もしかして右翼の犯行だと思ってるのか?」

 「そうかもしれません」

 「それはおかしい」

 「え?」

 蓮池の言葉に制服警官は驚く。

 「もし、抗議の爆弾だったら総領事館に突っ込むか、そうでなくてももっと近いところでやるはずだ。それにここでやるなら爆薬じゃなくて燃焼剤を使うはずだ。右翼とかだったら、ただの国民に危害を加えたがるわけがない」

 「なら、マッチポンプ……」

 「いや。火薬が指向性である意図が分からないし、距離も少し遠すぎる。それにどうも、車の下に火薬を仕込んだみたいだしな。手が込みすぎている」

 真田の言葉を遮って言うと蓮池はアスファルトを指差す。

 アスファルトはクレーターのごとく抉れているが、そこに金属片はなかった。

 さらにシャーシを指差すと、外部からの圧でぶち抜かれたことが如実に表れている。

 フロントシート下の燃料タンクは爆圧と熱量で破裂し、さらに燃料気化爆弾の要領で気化したガソリンに誘爆し派手に吹っ飛んだのだろう。フロントシート直下部の損傷がとくにひどい。

 ボディの変形もシャーシを内側に巻くようになっている。

 「死者は?」

 「この車に乗っていた二人です。ただ、身元確認に時間が掛かりそうです。黒焦げでグシャグシャなんですよ」

 「マジか……」

 真田は表情を曇らせる。

 「はい。ただ二人とも、やけにガタイがよさそうでしたね」

 「ガタイ?」

 「はい。肩幅からの推定ですが、プロレスラーみたいな。クマみたいな大男ってああいう人なんだろうなって」

 「そこまで言うか?」

 蓮池は制服警官に言う。

 「見ます?死体袋はあっちです」

 「ああ」

 歩いて緑の死体袋のジッパーを開ける。

 「これは」

 蓮池は息をのむ。

 重度の熱傷。だが、肩幅はかなりあることはわかる。

 「ちょっとまて。これって外人か?」

 真田はふと気が付く。

 「かもな」

 「外人?」

 「ああ。タトゥー。顔だち。ガタイ。これならあり得る」

 「そういえば、こんなものが」

 鑑識の一人がおずおずとやってきて半分近くが黒くなってしまっているプラスチック製のカードを見せてきた。

 「なんだこれ?」

 「カード?」

 蓮池はカードを受け取る。そこには三頭の冠を被った黄金に輝く双頭の鷲に青い円盾、二振りの剣を模った絵と茶色の円に星と青い球、そしてトリコロールのリボンが模られた絵が並んでいた。

 「アルファベット?」

 「あれだ。ロシア語とかのあれ」

 「ロシア語よめねぇぞ。中国語は大学で習ったが」

 真田が顔をしかめる。

 「俺もよめねぇよ。楽したくて韓国語選んだからなぁ」

 「このカード。情報班に写メするか」

 「なんで?」

 「翻訳してくれるだろ」

 「ナイスアイデア」

 蓮池が懐から携帯電を取りだすとピロリン♪という音とともにシャッターが落ちる。

 「メールに添付して、送信」

 また電子音が鳴る。

 「かわいい音だな」

 「初期設定のままなんだ。いじったら娘がごねたしな」

 「ああ。なるほど」

 着信を示す電子音が響く。

 「ん?」

 「どうした」

 「返信がきたな」

 「で?」

 「……え?そんな……ほんとかよ」

 文面を見て蓮池の顔がみるみる青ざめていく。

 「おい、教えろよ」

 「コイツら。ロシアの対外情報機関SVRの工作員だ」

 「えっ?なんでそんな、身元がすぐ割れるもの持ってるんだ。普通、こういうのって現地の協力者を使うんじゃ」

 真田の経験からの言葉だ。

 「今回は任務の特性が違うのかもな。日本や中国の政府情報以外を狙っていたのかも」

 「どうして」

 「さあな。ん?」

 「今度は何が気になったんだ?」

 「あれ見ろ」

 蓮池が顎で示す。二人の白人が喫茶店から出てきた。

 「外国人だな。新潟には空港や港があるから普通じゃないか?」

 「だが、この車からなら、あの二人組がいた喫茶店がばっちり覗ける」

 「あ!!」

 真田も気が付く。

 「もしかしたら、もしかするかもしれないぞ」

 「追うのか?」

 「ああ」

 「けど車はどうする?」

 少し真田は狼狽える。

 「コインパーキングに置いて誰かに回収してもらおう」

 「……嫌だなぁ」

 蓮池の提案に真田はあからさまに嫌な顔をする。

 「しょうがない。あいつらは駅に向かってるから、駅近くの駐車場に行け。尾行はちゃんとしてやる」

 「さらば、俺の愛車……」

 「今生の別れじゃないんだ。落ち着けって」

 目に涙を浮かべる真田の肩を抱きかかえて蓮池はなだめた。


     *************


 プリンターが電子音とモーターの唸りとともに紙を吐き出し始める。

 「今度はCIAだとさ。ゲオルゲ・アマナールの情報」

 御手洗はそう言ってぱさりとプリントを一枚手に取る。

 「散々痛手負ったからか。詳しいぞ。どうも奴らも報復を考えていたらしい。この具合からすると」

 「いちいち死傷者リスト着ける程度に憎いらしいな」

 和田は苦々しい顔をしてプリントを見る。プリンターが呻りつづけ紙を吐き出している。

 「プリンターの紙。大丈夫か?」

 和田はふと不安に思って言う。

 「CIAに常識があることを祈ろう」

 そんな間にもプリントは増えていく。

 なかなかに怨嗟のこもったそれらのプリントは死傷者の詳細なリスト、爆発のあった地点、残骸や微細証拠などの詳しい分析結果による使用爆薬や機器の分析、さらにアマナールの協力者リストから判明しただけの足取りまでがつらつらと記されていた。

 「それにしても、みんなして捕まえるのに躍起になっている理由を知りたいな」

 「ああ。並みの国際テロリストじゃないみたいだが」

 「……そう言えば課長は?」

 ふと思い出して御手洗が言う。

 「C棟だったはずだ」

 「法務官僚とやりあいに行ったのか?」

 「いや。CIAに会いに行ったとか」

 「課長に連絡。CIAに紙とトナーの代金を請求しておくように」

 「名案だ。意外とバカにならないからなぁ、紙とインク」

 「今年の予算はカツカツだからな。緊急時特別予算(キントク)があるからまだいいけど」

 緊急時特別予算――通称キントクはいうなれば裏金と言う奴であった。活動が活発ではなかったころに念のために保管しておいた予算であり、臨時予算の議決前に弾薬費や装備調達費などが枯渇した場合に切り崩すのだ。

 「うわぁ。リストすげぇな。アルバニア、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ラトビア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、セルビア、ウクライナ……どんだけあるんだ。」

 和田が目についた国名を挙げていく。

 「襲撃対象も、アメリカ軍、NATO、ロシア軍、親米政治家、親露政治家、実業家、児童福祉NGO。手当たり次第か」

 「この世全てに恨みでも持ってるのか?」

 「じゃないとこんなことしないよ。まったく」

 資料を放り投げると御手洗は携帯電話を開きポチポチとタイプを始めた。


     *************


 中央合同庁舎第6号館C棟 小会議室


 「〈この前依頼された件だが、武器の移動ルートに関して我々は中国ルートが濃厚であると結論づけた。これはそれに関する資料だ〉」

 レスターはガチャ玉で束ねたA4の資料を手渡す。

 「〈ありがとう。……。すまない。メールだ〉」

 携帯電話を開くとメールの文面を見始める。

 「〈それにしても、この国の文房具は便利だな。故障知らずのボールペンが100円(1.2ドル)で買えるとは。合衆国とは大きな違いだ。それに、このクリップもいい。機械で止めれて手で外せる。ステープラーとは違いエコだな〉」

 どうもガチャ玉などにいたく感心した様子のレスターは上機嫌だった。

 「〈君たちに対しての文句だ。コピー用紙とトナーの請求だそうだ〉」

 「〈どういうことだ?〉」

 疑問符を浮かべるレスターに茅ヶ崎はさらに言う。

 「〈大量の資料をファックスで送られて困っているらしい。財政事情が事情なんでね〉」

 「〈赤坂に帰ったら、オフィサーに言っておこう〉」

 「〈頼む〉」

 「〈すまない。最近、欧州方面がいろいろ慌ただしくなって。テロリストが極東方面に逃げて各国のエージェントが追っている。おかげで国務省官僚の来訪が迫っている日本支部(こっち)の事務仕事が激増して、いろいろ不手際が増えている。知ってるだろう?ゲオルゲ・アマナール〉」

 「〈うわさに聞く全方位型テロリストか〉」

 名前は聞いたことがある。思想信条があって殺しをしているようには思えないが、やけに地位や権威のある人間ばかり狙うテロリストだ。

 「〈如何せん、奴が現在、最後に行った攻撃がハバロフスクだった。その後足取りがぷっつりと途絶えた。我々の監視をすり抜けたんだ〉」

 「〈この間発生した警察署爆破事件か〉」

 日本国内でもニュースになった事件だ。チェチェン独立派による示威行動という報道だったが、違ったらしい。

 「〈あれ以降、我々は奴を確認できていない〉」

 「〈奴の素性くらいわかっているはずだ。プロファイリングは?〉」

 CIAお得意の情報分析ならわかるはずだ。

 「〈それが、素性不明だ〉」

 「〈いくら機密でも変に白を切るな〉」

 白を切ることぐらいわかっている。彼らにとって情報は金の生る木だ。

 「〈いや、本当に不明だ〉」

 今まで見た事がないほどに困惑したレスターがいた。どうも素性不明は本当らしい。

 「〈我々のエージェントが一度接触したが、わかったのは奴の名前だけ。人相を確認する前に、エージェントは殺された〉」

 「〈なんで?〉」

 「〈さあ。カンが働いたのかもしれない〉」

 どうもわからないといった表情をするレスター。

 「〈CIAの直接接触エージェントを初見でかぎ分けることができる人間なんて、犬並みの嗅覚じゃないと無理だろう?〉」

 「〈まあ、並みの人間じゃない。注意しろ。あなたの後ろにテロリスト。だ〉」

 レスターは指鉄砲を作って撃つジェスチャーをする。

 「〈大丈夫。日本は人口構成の殆どが黄色人種(イエロー)なんでな〉」

 「〈よく言う〉」

 茅ヶ崎の軽口にレスターは肩をすくめた。


     *************


 やはりというかなんというか、二人の男は上越新幹線に乗って東京へと向かっていた。

 「これが、MaxE4って奴か。テレビで見た気がする。シートはいいが、顔は不細工だな」

 真田は見回して言う。

 「700系のぞみもカモノハシみたいで気が抜けたようなミテクレだったが、こっちは目尻が垂れてて余計マヌケに見える」

 「ああ。それにしても最近はこんなカモノハシが流行りなのか?最近走り出した東北の緑の奴も、なんかカモっぽかったが」

 鉄道に興味が薄かった真田には何かとカモノハシ顔が全国で増えつつある理由がわからなかった。

 「らしい。昔500系って戦闘機みたいなカッコいい顔のすごい速いやつがあったんだが、断面積による空気抵抗を小さくするだかで輪切りにすると楕円になるようにしてシート配置とかに難があったんだそうだ。で、断面を四角くするために考え出されたのがカモノハシ顔なんだとか」

 「お前、鉄道マニアか何かか?」

 「いや。ちょっと前に科学番組でやってたことの受売りさ」

 蓮池はそう言いつつ二人の男をちらりと見る。二人の男は何をするつもりなのか。得体のしれないところがある。

 「一応、課長に報告しておこう」

 「ああ。俺たちだけで張ってても意味がないからな」

 そう言って蓮池は席を立つ。

 「じゃがりこ、食うか?」

 ふと思い出して真田は問う。

 「ああ」

 そう言って蓮池はデッキに向かう。

 少しすると手押し車の車内販売が来た。

 「すいません」

 「はい?」

 「じゃがりこ二つ」

 「かしこまりました」

 車内販売はそう言ってじゃがりこを二箱出した。

 「240円になります」

 「はい」

 小銭で出し会計を終わらせるのと前後して蓮池は戻ってきた。

 「これがじゃがりこか?」

 「らしい。初めて見た。四角い箱のじゃがりこなんて」

 「にしても」

 「ん?」

 「やけに外国人が多くないか?」

 「ああ。なんか多いな」

 見た限り、スキーのシーズンオフであるこの時期において考え得る以上に白人が多く乗車していた。


     *************


 「ただいま」

 「お帰りなさい。シャワー浴びる?」

 「うん」

 「じゃあ、着替えを準備しておくわね」

 シャワールームに向かい制服を脱ぐ。

 白いブラウスを脱ぐとパステルブルーのブラジャーとともに不釣り合いなものが見えてくる。

 ブラホルスター。ある程度の胸があれば簡単にサブコンパクトハンドガンを隠せる画期的なホルスターだ。ちょっと肩ひもが食い込むが、耐えられないわけではない。

 パチンとスナップを外し、コンバットマスターの入ったホルスターをゴトリと棚に置く。

 プリーツスカートのホックを外し、ジッパーを下げるとスルリと脱げる。

 ブラジャーのホックをはずして脱ぎ、ショーツも脱ぐ。

 浴室に入り戸を閉めるとシャワーのバルブを開く。少々冷たいが、湿度が高いときには心地よい。水が頭から足もとまで流れ濡らしてゆく。

 不意にガラッと浴室の戸が開く。

 「……お姉ちゃん。抜け駆けはダメ」

 飛び込んできたのはエミリーだった。背を向けているわたしに抱きついてくる。

 「やっと、幸太郎が居なくなったんだよ」

 「わかってるわ」

 「……ふふふ。あったかい……」

 「ちょ、ちょっと!エミリー!?」

 エミリーはより強く腕を巻きつけてくる。

 「お姉ちゃん」

 「ちょっと……そこは!?」

 エミリーの右手はマリアの胸元へと伸びてゆく。

 「お姉ちゃん、うらやましい」

 遂に左の乳房に右手が触れる。

 「だからって……そんな……はぅ!」

 「どうしたの?お姉ちゃん?」

 エミリーはそう言ってさらに責め立てる。

 「だめ、エミリー。そんなことしたら……あぁ!」

 エミリーはまるで、私に匂いを擦り込もうとするかのように身体を密着してこすり付ける。いくら最近まで幸太郎がいてストレスがたまっていたからと言って、こうも強く来るとは思わなかった。

 「これ以上は……戻れなく……」

 「……いいよ。私は」

 「え……?」

 不意に紡がれた言葉に振り向く。

 エミリーは動きを止め小さく震えていた。

 「……ずっと、お姉ちゃんと……一緒にいたい……よ……!」

 声が少し掠れる。

 「エミリー……?」

 「……私から……離れないで……!独りに……しないで……っ!」

 シャワーの湯にエミリーの涙が溶けていった。


     *************


小辞典


SCAR

FN社の開発した最新鋭アサルトライフル。

5.56ミリモデルはSCAR‐L、7.62ミリモデルはSCAR‐Hと呼ばれる。

高い拡張性や十分な動作性を誇る。

また、アイアンサイトの照準線が高いのも特徴。


倒れるアイアンサイト

陸上自衛隊では教育課程においては64式小銃を用いるが、64式小銃はアイアンサイトを可倒式にしている。

しかし、このアイアンサイトの立てつけが悪くなりやすく、酷いものだと発砲時の反動で倒れることもあるという。

この欠点故に89式ではアイアンサイトは一般的な固定式になっている。

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