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総力特集 現代の「特高」―公安調査庁特捜部―(2007年のTV朝日ワイドショー特集抜粋)

インターミッション第一弾は庶務十三課の表の顔、特捜部に関して。

作品世界より5年前のTVの夕方のワイドショーの特集コーナーの情報という体です。

所々で出てきた特捜部の存在に関する簡単な説明となります。

 公安調査庁

 法務省傘下のこの組織に七年前設立された「特殊部隊」が存在する。

 特別捜査部

 国内外で頻発するテロや国家機密の漏出に対応するために1999年の法改正によって設立された専門部署である。

 組織の人員は特別捜査官と呼ばれ、もともと公安調査庁に所属していた職員に加え検察庁や法務省、警察、自衛隊、厚生労働省などから人員を分けてもらっている状態だ。

 組織は警察官に準じた装備を許可されており、手錠や警棒はもちろん拳銃も装備している。

 部長「我々はいかなるテロにも屈さないという強い意志を示さなければなりません。だからこそ、このような武装をしているわけです」

 今回取材を許可されたのは特捜部きっての重武装部隊、特殊作戦班の突入訓練だ。

 マシンガンや盾を持って一気に犯人を制圧する。

 (ここで黒づくめの隊員の突入・鎮圧訓練シーン)

 「突入」

 パン

 ガシャン

 ダダダダッ

 ダンッ ダンッ

 「確保!」

 (ここまで訓練シーン)

 きわめてスムーズな突入。

 一部ではSAT以上の練度を有するともいわれてる特殊作戦班。

 この部隊の主任務はテロリストの逮捕拘束のみに特化しているという。

 特捜部設立の背景には8年前のとある事件が関係している。

 公安警察官宅連続襲撃事件。

 1999年の8月に発生したこの事件は死者34人負傷者8人の大事件となった。

 世界でも類を見ないテロ事件は1990年代前半、日本を震撼させたオウム真理教事件とともに日本の治安維持のあり方を問うものとなったのだ。

 「あの事件を教訓として、専門の部署を作ったのです」

 その後、この組織は設立直後のとある事件で頭角を現す。

 レジャー施設連続爆破事件。日本国内の遊園地をはじめとしたレジャー施設がテロリストの標的となった事件だ。

 この事件にいち早く対応し実行犯を逮捕したのが公安調査庁特捜部だ。

 さらに先月の船橋監禁事件やカルト教団内部抗争事件も特捜部が事件解決にかかわっている。

 年々テロ攻撃の頻度が増えていく中、政府は特捜部にさらなる予算を付加する予定だ。

 理由として今まで対テロ・情報戦の主力を担ってきた警察庁警備部や警視庁公安部との動的な運用を強化するためだとしている。

 これに関して安全保障の専門家は

 (国内のスパイ問題に詳しい寺川幸三 拓殖大学教授)

 「今までの日本の情報管理の甘さや情報収集能力、対テロ能力の低さを考えればこの程度の組織では不十分ではないでしょうか」

 「今後、国内では熾烈な情報戦が発生します。CIAやSISのような、より強い組織が必要となるでしょう」

 一方で法律の専門家からはこのような意見も噴出した。

 (国内の人権問題に詳しい吉田太郎 法政大学客員教授)

 「これはですね、やっていることは戦前の特高と同じなんですよ。同じことをしている」

 「今後、特捜部が人権活動家や政治活動家を弾圧する可能性がある。この組織は法的にも予算上も無駄なんです。存在意義自体が憲法違反です」

 先週の水曜日、霞が関の合同庁舎を人間の鎖が囲んだ。

 反特捜部の集会だ。

 デモ主催者「憲法のもと保障されている権利を一方的に制限する特捜部は違憲だー!」

 『違憲だー!』

 「即刻特捜部を解体しろー!」

 『解体しろー!』

 「国民の怒りを聞け―!」

 公安部はこのデモ隊のメンバー五人を威力業務妨害と公務執行妨害で逮捕した。

 この件に関してデモの主催団体は不当逮捕だとして公務員職権濫用で東京地検に告発した。

 デモ主催者「私たちはいかなる権力にも屈しません」

 この件に関して政府は「まだ認知していない」としている。

この世界の日本人にとっての公安調査庁特捜部の一般認識はこの通りとなります。

賛否の分かれるこの組織の評価。

あなたはこの情報でどう評価するでしょうか。


次回はWLS編エピローグ直後のお話。

蕎麦屋での茅ヶ崎と蓮池、おっさん二人の会話。

二人は蕎麦屋で何を語るのか?

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