少女の正体①
どくん、どくん
はぁ、はぁ、はぁ、
心臓が張り裂けそうなくらいの鼓動。呼吸ができない。真っ黒の部屋が何キロにも続いているようだった。そんな中、何かに追われている危機感。
いや、来ないで
何かが私の肩をつかんだ。
いや!
「、、、、夢?」
ここはどこだろう。でもなぜか落ち着くにおいだ。
カチャ
ドアの開く音。だれだろう視線を向ける。
「あ、起きたのか。ここが俺んちだぜ」
この人は、さわやかなにおいがする。この人なら、、、、
数時間前、、、、
「ただいま~」
「おかえり、めずらしいわね。あんたが挨拶するなんて、、」
おふくろはめちゃくちゃ驚いていた。そりゃそうだ。俺が誰かもわからない少女をおんぶして帰ってきているのだから。
「あんた、この子どうしたのよ。」
「五人ぐらいの男たちに囲まれてた。それで助けたけど、寝ちまって、、」
「、、、はあ、また危ないことに首突っ込んだんだね。でも、この子を助けたことは偉いよ。よくやったね」
「これからどうすればいいのかわからなくて、」
「起きるまで待ってみたら?それから事情を聴こうじゃないか」
おふくろは怒らず俺の話を聞いてくれた。正直、安堵した。
そして、その子が起き事情を聴くことに。
ベットに寝かせようとしたら、その子の服から何かの石が落ちてきた。
「なんだこれ、、」
美しいエメラルド色に輝くそれは、なんだかその子から離してはいけないと感じ、その子の隣に置いた。聞くことが多すぎて、メモしないと大変だと思ったイガーである。