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2024年大河ドラマ『光る君へ』、父と娘

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 2024年の大河ドラマ『光る君へ』は『源氏物語』をベースとした紫式部の一生を描くストーリー。

 脚本は大石静。『功名が辻』以来18年ぶりの大河、大石静と言えば恋愛作家の大御所であり、ドラマの脚本も多い。

 主演は吉高由里子。『篤姫』以来16年ぶりとなる。


 あらすじ


 シングルマザーのまひろ(紫式部)が子育ての片手間に源氏物語を書き、それが宮中で評判となる。

 貴族社会のドロドロ愛憎劇の傍ら、まひろは宮仕えする。

 これだけで今のなろうのメイン読者のハート鷲掴み確定。少なくとも総合ランキングはそう言っていますね?


 女性主演は『おんな城主 直虎』以来となる。似た演出が出てくるかもしれない。

 ところがどっこいしょ。紫式部は直虎のようにイケイケタイプではない。実力を隠しつつ、ギリギリの人付き合いを繰り返す。平安時代という舞台装置は土臭い戦国時代とは無縁だ。


 ある意味で『弱い女性』である。NHKにしては挑戦的な試みといえる。まぁ現代情勢には合っているだろう。少なくとも直虎みたいな名前以外よくわからない人物とは違い、紫式部は脚色しようがない有名人。


 紫式部を選んだ理由


 『軍師官兵衛』『真田丸』の視聴率は高かった。それまで低調だった大河のターニングポイントともいえるほど評判が良かった。だからなのか、後の作品もリアル路線に変わった。『鎌倉殿の13人』なんて特に。恐らく漢詩関係で宋人、高麗人も出てくるだろう。越前(福井県)は国際港湾都市なのでグローバル化して当時の世界情勢を知るいい機会になるはずだ。




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 『源氏物語』の著者、紫式部とはどのような人物か?


 紫式部とは本名ではない。本名はわかっていない。

 紫式部とは『源氏物語』に(・・・・・・・)書かれた仮の著作名(・・・・・・・・・)である。それまでは藤原為時の娘という事で藤式部とうのしきぶと呼ばれていた。

 当時では女性の名前を呼ぶのはご法度であり役職名で呼び合っていた


 仮に『光る君へ』で「まひろ!」と誰かが呼んでもエンターテインメント演出なので気にしてはいけない。不明な部分に設定を肉付けして物語に色付けするのが大河の仕事だ。ちなみに『まひろ』とは明るい子をイメージングしたようだ。


 紫式部は『源氏物語』の他に『紫式部日記』『紫式部歌集』を書いている。

 重要なのは『紫式部日記』。

 日記とは公式記録であり、貴族の最も重要な仕事だった。


 紫式部は公家の娘であり、本人も生まれながらの貴族。

 父は花山天皇の学者を務めるほど高名で知られる藤原為時(正五位下)。

 戦国時代ちょっと知ってれば五位すげーじゃんと思うだろう。まぁ官位は地方や襲名によって細かいので細かく書かないが、とにかくすごいと思ってれば良し。

 ところがどっこいしょ。平安時代の正五位下はそんなに高くはない。天皇の気分次第で簡単になれる。藤原のネームバリューで何でもゴリ押しだと思いきや、実はそうでもないらしい。


 藤原為時は紫式部を語る上で極めて重要。

 かなりの堅物で理屈屋、融通の利かない男。

 この面倒くさい性格が紫式部に受け継がれ、最終的に彼女は陰キャになる。


 しかし為時はすごい。家系がスゴイ。


 為時の祖父。藤原定方と藤原兼輔は右大臣と中納言。

 しかも両名とも歌人としては当代一級の文化人。

 定方の祖父である藤原冬嗣は太政大臣。

 藤原冬嗣の曽祖父が藤原不比等。

 まぁそれでも子孫は山のようにいる。その中で為時の子孫の藤原邦綱は大納言で平清盛に養子入りさせたり(・・・・)とやり手で、邦綱の娘、輔子は安徳天皇の乳母を務めた。


 為時はスゴイ。よくわかんねぇだろ? 無理に理解しなくても大丈夫。

 

 父もすごければ娘もすごい。


 紫式部の夫、宣孝との間に一人娘である賢子が生まれる。

 彼女は後冷泉天皇(後朱雀天皇の子)の乳母となり、従三位という破格の待遇を受ける。言うまでもなく紫式部の功績のおかげ。

 賢子はその名の通り母親譲りの毒舌……聡明さで宮中では華々しい活躍をする。



  

 続く

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