第七話 兎狩り
さてと、私は今クエストでラビットという魔物を狩るために始まりの草原という場所に来ている。
ただまだ街に近いのでそこらかしこに人影が見える。
「おい!そっちにったぞ」
「わかってるけど当たらないんだよ」
「くそ、足元でちょろちょろ動き回りやがって」
ということでとりあえず街から距離を取ろうと思う。
気力を使って身体強化をしながら走る。
ワールドアナウンス{始まりの草原ボス グラスウルフが初討伐されました}
なんか聞こえたけど無視でいいかな
身体強化をするだけならば体内で完結するからなのか一度SPを気に変換してしまえば驚くほどロスが少ない。
それに私はここに来るまでに掲示版で確認したジョブレベルがレベルアップしたときのスキルにボーナスが付与されるというものが気力感知と気力操作には適用されないのだろうと薄々気づいていた。
う〜んこれなら常に使っておいてもいいかな…
今はまだ体が少し動かしやすいだけだがレベル1でこれなら後々が楽しみだ。
そんな事を考えながら走っていると
一匹のラビットが襲ってくる。
「キュッ」
そしてそれを容赦なく蹴り飛ばす。
「フッ」
そしてそのままジャンプ、ラビットの上に着地。
ふむ、10点といったところか…
「ジュッ、ジュエー」
{基礎レベルが上がりました}
{HPが10増加します。MPが3増加します。SPが10増加します。}
{ジョブレベルが上がりました}
{ステータスポイントを5手に入れました}
ふむどうやらレベルアップしたようだね。
前にジョブレベルは1度レベルアップしたことがあるからジョブレベルは3で、基礎は2だね。
ではステータスでもっ
「キュッ」
「ッッ!いきなり蹴りかかってくるとは危ないな」
なんとかとっさに回避しながらも失敗したな〜と今更ながら考えていた
なぜなら相手の識別をすることのできる手段を持っていない私でさえ今、自分と相対している相手が私の目的であった街の城壁の周りにいたラビットとはかけ離れた存在であると理解させられたからだ。
だってあいつら攻撃は頭突きのモーションしかなかったし。
城壁周りの奴らより一回り大きい上に異様に足が発達してるし。
何より金色のきれいな角が一本生えてるし。
まず街の近くで大人しく慎まやかに狩りをしていればこんな強敵と出会うことはなかっただろう。