第六二話 お宝
……
私の目の前には山があった。
それもファトルスの北にあった岩山ではない、イメージとしてはアルプス山脈だろう。
緑多めだが木だらけというわけでもない。
今までこのゲームをやってきて一番個人的には好きなバイオームだ。
などと思わなければやっていられない。
だって優しそうな雰囲気したヤギがね?
「メ゛ェェェーーーーー」
可愛い雰囲気なリスが
「ギィーー」
いやこえーよ。
リスとか集団で襲ってきたからな。
目で確認できればもう少し愛嬌でもあったのかもしれないが、生憎肉眼でなく気や魔力での感知である。
恐ろしい声をして集団で襲い掛かってくる物体には勘弁してほしい。
もうそろそろあの竜との待ち合わせまであと半日ほどしか時間がない。
そのため私は新天地探検は程々に折り返すことにした。
こうして再び私はコンラッド村前の森の浅い場所に帰ってきた。
そこで魔物を狩り、暇つぶしをしながら私は自分のステータスを確認した。
名前 ハル
種族 獣人 level148 進化可能
ジョブ 拳闘士 level293 ランクアップ可能 サブジョブ 結界師 level43
HP1690/1670+600
MP749/493+600
SP3680/5910+850
攻撃400+80
防御375+70
敏捷545+75
魔攻60+60
魔防79+35
生命0+60
魔量0+60
持久355+85
器用0+30
幸運7+30
ステータスポイント0
武器
防具
頭 幻狐の仮面 部分防御+120 魔攻+30
胴 土蜘蛛のシャツ 部分防御+33
手1
手2
脚 土蜘蛛のワイドパンツ+32
足 ボアのブーツ 部分防御+8
アクセサリー
・騎士の証(リトランド王国)
・耐魔のローブ・黒 部分防御+5
・
・
・
スキル
〔気力感知level71〕〔気力操作level68〕〔魔力感知level57〕〔魔力操作level39〕〔鬼闘術level9〕
(五感強化level103)(SP消費緩和level112)(MP消費緩和level21)(結界魔法level32)(魔術level4)
(HP回復速度上昇level61)(MP回復速度上昇level42)(SP回復速度上昇level93)(攻撃強化level16)
(防御強化level14)(敏捷強化level15)(魔攻強化level12)(魔防強化level9)(生命強化level12)
(魔量強化level12)(持久強化level17)(器用強化level6)(幸運強化level6)
(暗視level31)(鑑定level132)(隠密level30)(毒耐性level9)
スキルポイント27
称号
(プレイヤー)(拳闘士)(結界士)(C級冒険者)(ジャイアントキリング)(拳鬼の愛弟子)
(破棄者)(平和主義者)(罪人)NEW(殺戮者・魔物)NEW
(罪人)
カルマ値を一定以上ためたために獲得。
効果 分かるものが見れば罪人だと分かる。
敏捷+10
(この称号を非活性状態にすることはできません。)
(殺戮者・魔物)
一万体以上の魔物を殺したため獲得。
効果 魔物に与えるダメージ増加(与えたダメージの1%)
魔物と敵対する種族の好感度上昇。
魔物からのヘイト上昇。
私は今回対竜を想定し、ステータスポイントを振った。
その結果がこれだ。
攻撃に100、防御に75、敏捷に100、魔攻に10、魔防に40、持久に200振った。
合計がレベルアップ数と合わないのはボーナスだ。
攻撃はあの時の竜の顎を蹴り飛ばしたときに感じた力不足から、防御は竜の肉弾戦の強さを感じたことから、敏捷は魔法を回避するために、魔攻は結界の強度上昇を狙って、魔防は余波ぐらいでいちいち良いダメージを貰わないように、持久は最近スキルやらでSPの消費が早まってきたことから。
全て竜との戦いのために振った。
できる準備も全てした。
それでもまだ勝てるかなんて分からない。
まあできることをするだけだ。
そういえば一部のスキルのレベル上昇がおかしい事になっているだろうが別に誤字ではない。
気力感知などの強いスキルはレベルが上がりにくかったものの、感知に常に気を向けていたらこうなった。
鑑定は目で見る必要はどうやらないらしく、そこにあるということを認識さえ出来ていれば、鑑定することが可能だった。
という事で私は感知内に入ったものを鑑定し続け、圧倒的な速度で鑑定のレベルを上げていった。
今はもう役立たずとは言えない。
まあ殆どの情報など視界の端に映すだけで、見ることもしない。
まあそもそも何も見えないが。
まあそうこうしてレベルを上げた鑑定があれば今まではただのゴミとしか見えなかったものもお宝に早変わり!
ほら、こんなふうに!
腐リ果てたカオの木の棒
品質 粗悪 レア度 レア
腐り果て、酷くボロボロで、今原型をとどめていることが奇跡と言ってもいいほど、存在自体が不思議なカオの木の棒。
これを見つけられたあなたは幸運です。
しかしなんの役にも立たないこの棒の活用方法を見つけることはこの棒を見つけることよりも更に困難を極める事になるでしょう。
※クラフト不可、装備不可
……す、すごい、すごいぞ!れ、レアなんてお宝じゃないか!
記念に取っておこう。
こうして私は腐り果てたカオの木の棒を手に入れた。
まあこのように物の見方が変わってくるのだ。
このレベルになればどんなゴミでも捨て難いお宝に…。
因みに騎士の証の効果についても見るとこのようになった。
騎士の証(リトランド王国)
品質 良質 レア度 アンコモン
リトランド王国の騎士であることを証明するバッジ。
これを着けておけばリトランド王国の国民からの好感度が上昇し、いくつかの恩恵を受けられる。
まあこんな感じだ。
さてと、そろそろ約束の場所に向かうとしよう。
そう考えて私は洞窟に向かって足を動かし始めた。
私はここしばらく常に悩み続けてきた事について考えながら森の中を黙々と進んでいる。
私は悩んでいた。
勿論これからの竜との戦いについてのことだ。
1つ目はあいつが本気出していたのかという点だ。
実は全然本気じゃなくていざ戦ったら手も足も出せず惨めにボコボコになんてことも…
いやいやまさか、それにこれは考えてもどうしようもない問題だ。
2つ目はあの時の戦いが全力だったとしてもだ、あそこから一切戦うことなく、なんの進展もないままに居るのだろうかという点だ。
このゲームについて一言言わせて貰うなら異常だ。
このゲームはNPC一人一人が異常なほど細かい設定、感情を持っており、驚かされることが多々ある。
私は特に気にしないが、まるで本当の人のように感情で非効率に動いたり、融通してくれたりなんてこともあるらしい。(人との関わりがない)
そのため私にはあの竜が、強さを求めている竜が何もすることなくのうのうと私の挑戦を待っているとは到底思えなかった。
3つ目は魔力が感じれなかった
竜と相対したとき、理由は不明だが魔力を感じることができなかった。
単に圧倒的な魔力の支配力なのか、それともまた別のスキルか何かが関係しているのか。
どちらかなんて分からないが魔法を使えないことを危惧しておくべきかもしれない。
もし竜のみしか魔力を操れない状態になった場合は…




