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第五九話 とっても便利な同化術



さて、今日からイベントが始まるのだがイベントの前に〔同化術〕を使ってみた感じの効果について説明しよう。

同化術は本来の自分のスキルではないからなのか、何故かスキルの詳細を確認することが出来なかった。

そのため実際に使ってみたのだ。

まずは変なことが起こって誰かに見られても困るし、身動きが取れなくなっても困るのでクッキーの工房に行った。


そしてクッキーが見守る中、〔同化術〕を使う。

…これは感覚的な話だが私の体と何かと混じっているようだ。

それとどうやらそれなりの速度でSPを消費している。


「あれ?何かハルちゃんが大きくなってる?あと少し色が薄い。」


「見た目はそんな感じなんだ。」


「うん、あと気配が少し感じ取りにくくなった?気がするね。直ぐ側に居て見えているのに不思議な感じ。」


「面白いね、確か隠密は敵に気づかれていると効果はないんだよね。」


「うん」


とりあえず気配を感じ取りにくくなったのは分かったので動いてみる。

少し動きにくい。何というか人間の体じゃないみたいだ。

体の作りが人間とまるで違うようで人間のときは出来ないであろう柔軟な動きも可能なようだ。


体は軽いが少々違和感がある。

何となく体を動かすときに変な抵抗を感じるのだ。


感覚で異物が私の中に何かが入ってきているのが何となく分かり、不快感を感じる。

不快だが、何とも不思議な気分だ。

私の体と何が混じっているんだ?


まあおそらくだが空気か装備だろう。

それが私の考えついた結論だった。

なんせそれ以外に「同化」出来そうなものは見つからない。


だとしたら〔同化術〕は「同化」したものの性質を受け継いでいるのだろう。

そう〔同化術〕の名前から当たりをつけ、クッキーに検証を手伝ってもらう。


「クッキー、私を触ってみて。」


「オッケー。…めっちゃ硬いね。」


「ああ、ごめん結界とオーラを張りっぱなしだった。どうぞ。」


「よし、おお!柔らかい」


流石に文脈的に分かると思うから本当に一応言っておくけど別に卑猥なことをしている訳では無いよ。

ただ単にクッキーに手を触られているだけだ。

そしてクッキーの手は私の手にめり込んでいた。


「すごいね。触ってみてどんな感じ?」


「なんか弾力のあるクッションを触ってるみたいな感じ。」


「これ以上進みそう?」


「やってみる。おお!抵抗は大きくなるけどもっと行けるよ。あ、貫通した。」


「すごいな、ダメージは有るかな…有るね。」


どうやら同化術中でもダメージは通るらしい。

むしろ柔らかくなった分ダメージ量は増加しているかも。

しかし貫通したにしては少しダメージが少な過ぎる気もする。


なんせ通常のちょうど半分以下ぐらいないのだ。

もしもこのレベルで欠損してもこれだけ攻撃を軽減できるのは流石に強すぎる。

ただ軽く押されただけでこれだけのダメージが入るのだとしたらかなり致命的だ。


柔らかくなっているということはおそらくだが装備とは同化しておらず、空気とのみ同化しているのだろう。

でなければ、私の体が固くなっていない説明がつかない…

いや、そんな事も無いのか?


あくまで装備は防御力を上げるだけで、私の体よりも硬い訳では無い。

いや、硬いものもあるかもしれないが全てがそうではない。

だからこの硬さでもおかしくは無いのか…


よくよく考えればクッキーに聞いてみれば良いことだった。


「クッキー、私今装備つけてる?」


「いや、なんか体と混ざってきてるよ。」


「どういう事?」


「いやね、文字通りなんかハルちゃんの体がすごい形になってるよ。なんか装備の色と体の色が混ざってすごい。」


「…」


どうやら装備も同化するようだ。

体に力を入れる。

すると体のパーツが正しい場所に帰っていく、らしい。


どうやら放っておくと私の体は人間の形を保てないようだ。

…なんで?


………


結論


同化術中は体が周りのものと同化する。

周りのものと言ってもある程度の選択は可能。

同化中は体が変幻自在となる。


今は同化可能範囲は体から10cm程。

体を引き伸ばそうとすればできる、でも体の総量は変わらない。

例えば身長を極限まで伸ばせば横には体の要素が足りなくなり、麺みたいになる、と思う。

試してみたいという気さえ起こらない。


密度が大きければ大きいほど防御が高く、小さければ小さいほど防御が低くなった。

ただ腕を切り落とされるなどの同じ範囲で同じ影響を与えらた場合、ダメージが少ないのは密度が小さい方。

ダメージ量はその場所に存在していた元が私の体である部分の密度で決まる。


移動も可能だが、速さは変化しない。

体を切り離せばどちらか全ての体を失う。

気配は私の体での総量を分割する感じで、密度を小さくすればその分気配は小さくなる。


気配の総量は変わらないけど他の物と混じることによってその薄さ?が変化するみたいな。

これが今の私の〔同化術〕の効果だ。

っとまだあった、同化術の発動中はどうやら恒常的にSPを高速で消費するようだ。


具体的には秒間4ぐらいずつ。

今の私のSPが大体3600ぐらいだったから使い続けたら900秒でSPが不足する計算になる。

私はSPをふんだんに利用した戦いをするのでこの消費はかなり痛い。


それに戦闘中に使うとしたら気も同時に使うことになることが予想されるため、更に継戦能力は低下することだろう。

たしかに使い方によっては強いのかもしれないがこれは使い所も限られそうだ。

他にも効果はあるかもしれないが、私は見つけることができなかった。


これでイベントに臨む他無いだろう。



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