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第五話 爺の苦脳

タイトルの回収はまだだいぶ後になりそうです。


ワシはギルドの訓練場で後進の育成をしているものじゃ。

元は戦場で名の知れたものじゃったがそれも過去の栄光じゃな。

ワシらは今日もいつもどうり新しくギルドに入ってきた者のジョブのいろはを教えておる。

ワシはその中でも素手で戦いをするものの相手をしておる。


おや、また一人新しい顔が入ってきたわい。

あれは獣人かの?

…ふむどうやら鑑定でみたところぷれいやー、異邦人のようじゃの。

奴らは危機感が無く、せっかちでゆっくりと手取り足取り教えてやろうとしても端的にまとめてくださいだの何だのどのように育てられればその様になるのか皆目検討もつかん。


…ん?

ただこいつはなかなか危機感があるというかなんというか常に何が起こっても良いように身構えておるわい。

隙が無いのう…かなりの場数を踏んできておるようじゃ。

他のぷれいやーと違いある程度の常識があるといいが…


……やはりこいつは見どころがあるのう。

ワシの話を遮ったり催促することもなくすべての話30分間を嫌な顔せずに聞き切りおった。

15分ほどしたら異邦人でなくても嫌な顔をしたり、遮ったりしてくるのじゃが…っとまあよい。

ではこの者に気を感じる努力をしてもらうとしよう。


目の前の者はどうやら集中しておるようじゃまあ気なんぞ他人の手助けかスキルでも無ければ気を作り出すことも、ましてや感じる事もできやせんのだがな。


まあスキルポイントの重要性の説明のためにこのような面倒な手順を設けておる。

初めは皆無計画にスキルポイントを使ってしまう傾向にあるからの。


にしてもなかなか音を上げんの。

すごい集中力じゃもう1時間は立っておるぞ…


ってん?

なんと!これは驚いたスキル無しでSPを気に変換しておる。

そんな事がスキルなしで可能なのか?

いや、だが現にできておるわけだし…

もしや感知することも可能、なのか?

などと考えていたらいつの間にか通常のものより高性能な気力感知のスキルを獲得してワシの事を不思議そうに見ておるわい。

どうやら感知にも成功したようじゃのう。

スキルポイントを使わずともこのような真似が可能なのか!


動揺を悟られぬよう必死に隠しながら次の手順である気力操作をするように言いつける。

スキルがなくとも感知はできたのだし、もしかすると気はスキルがなくとも操作することも可能なのか?

スキルポイントの重要性も教えたいところじゃが使わんで済むのならそれに越したことはあるまい。

じっとその者の操作の進捗を見守る。


…確かに動いておるな。

まだ5分ほどしか経っておらんのに何というやつじゃ。

その後も順調に操作の精度をこれまた1時間ほど時間をかけて上げていきスキルのレベルに換算すれば3に匹敵するほどにまで精度を上げていった。

ちょうどその時コヤツがスキルとして高性能な気力操作を手に入れたのを確認した。


その後に教えた気力を使った身体能力の強化もあっさりと成功させてしまった。

ヤツの名を聞いたあとワシは訓練場を後にした。


…もしかするとこれは天啓なのかもしれんな。

コヤツならほぼ間違いなくワシの技術を余すこと無く身に付けるだろう。

コヤツがワシの技術をどう扱うかなどわからんがこの機会を失ってしまえばワシの技術を受け継げる才能を持ったものは十中八九現われんだろう。

だがいくらこの技術が失われるのが惜しいからと言ってこの技術を世に出していいものだろうか…



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