第五七話 幻影
狐の面の説明文を開く。
うわっ、何だこれ?
どうやら視界が塞がれている状況でステータスなどのウィンドウが出てくるものを開くと空中にウィンドウが現れるのではなく、言い難いが目?に直接映し出されるようだ。
これは完全に視界を取られてしまうため開くときは危険だ、と思ったがそういえばそもそも今は視界に頼れないのだった。
まあ狐の面、もとい幻狐の仮面の効果を鑑定で見てみる。
幻狐の仮面
品質 良質 レア度 高い
…また後でアマメに会いに行こっと。
その後私は私の真横を攻撃し続けている、狼を倒して帰還した。
{アマメー、幻狐の仮面の鑑定もう一回してくれない?}
{もしかして成長したの?}
{いや、そういうわけじゃなくて気になることがっあったから効果をもう一回教えてほしいなって。私じゃあ詳細には鑑定できないんだ。}
{ああ、それなら記録してるよ。はい。
幻狐の仮面 防具 頭
品質 良質 レア度 ユニーク
かつて名のある暗殺者がつけていた仮面。
つけた者の気配を少し曖昧にし、他者に幻影を見せる。
幻影の成功確率は使用者と相手の合計レベルに依存。
装備中〔同化術level1〕 が発動可能となる。
また、持ち主とともに成長し、持ち主に合った能力を身に着けます。
装備中、装備者の視界が大幅に狭まる。
部分防御+120 魔攻+30
※この防具は呪われています。
装備中一時間に一度は生物を攻撃しなければ秒間一%HP、SP、MPが常に削られます(生物に攻撃することで解除することが可能)。
三時間中に一度も生物に攻撃しなければこの装備を外すまでの間全ステータスが1割減少します。
三日間一度も生物に攻撃しなければこの装備を外すまでの間全ステータスが7割減少します。
耐久値が減ると装備者のMP、SPもしくはHPを自動的に吸収し耐久値を回復させます。
一度装備すればゲーム内で5日間は外すことができなくなります。}
{ありがと、助かったよ。}
{どういたしまして}
どうやらやはり先程の狼と鹿は幻影を見ていたと考えてもいいだろう。
鹿はレベルがかなり高かったため暫くの間は幻影を見ることがなく、狼はレベルが低かったためすぐに幻影に掛かってしまったと考えれば納得もできる。
私が意識的にやったわけでもないので、どうやら幻影は勝手に人に見せてくれるらしい。
問題があるとしたらその幻影を私が認識できないことぐらいだろうか。
そしていかにも強そうな〔同化術〕というスキル。
これも試して有効活用するべきだろう。
やることが山積みだがその分私は強くなれるだろう。
楽しみになってきた。
暫くの間投稿を休まさせていただきます。