第五五話 新しい装備
こうして私は新しい装備を手に入れた。
早速装備だ!
と思ったがいきなり街の中で装備して、誰がこんな仮面をつけていた。
という情報がもしもの話だが出回れば、身バレして指名手配。
牢獄生活の開始。
なんてことになるかもしれない。
なので仮面を付ける前に、顔を覆える防具が欲しい。
真面目に最近のゲームは一昔前のゲームとは違い、どんなことでも出来ちゃうからな…
そのようなことがあっても全く不思議ではない。
なので用心はいくらしても足りないぐらいなのだ。
土蜘蛛のシャツ 防具 胴
品質 良質 レア度 アンコモン
土蜘蛛から取れた糸を使い、作られたシャツ。
土蜘蛛は蜘蛛にしては珍しく巣を作らず、群れで暮らしている。
だがその糸は斬撃に対してめっぽう強く、ある程度の防御力もある。
部分防御+33
290ゴールド
土蜘蛛のワイドパンツ 防具 脚
品質 良質 レア度 アンコモン
土蜘蛛から取れた糸を使い、作られたワイドパンツ。
土蜘蛛は蜘蛛にしては珍しく巣を作らず、群れで暮らしている。
だがその糸は斬撃に対してめっぽう強く、ある程度の防御力もある。
部分防御+32
220ゴールド
耐魔のローブ・黒 アクセサリー
品質 良質 レア度 レア
魔法への耐性を布に付与したローブ
物理的な防御力は殆ど無いが、魔法には強い。
肌触りがよく、黒く染めてある。
装備者に装備中(魔法耐性level10)を与える。
部分防御+5
430ゴールド
私はこれらの装備を購入した。
村で偶然手に入れた高級そうな家具などがなければきっと足りなかっただろう。
ありがたいことだ。
これらの装備は動きやすいものを重点的に集めている。
そのため、今までと比べてても戦闘がしにくくなることはないだろう。
初期地点の街の東のフォレストディアがボスの森の中で装備品を身につける。
すると私の目の前は真っ暗になった。
いきなりの展開について行けず、混乱する。
だが死んだわけではなさそうだ。
本当に真っ暗になっただけだ。
そのはずなんだけど暗視を持った私が目を凝らしても何も見えない。
どういう事だ?
その答えにはすぐ気づいた。
幻狐の仮面だそのアイテム説明にある一文。
装備中装備者の視界が大幅に狭まる。
これが理由だろう。
まさか大幅に狭まるとは書いていたが完全に視界を封じられるとは思ってもいなかった。
まあ、気力感知と魔力感知があるので何とか歩いたりできるはずだと思った。
だが歩くのにも地面を完全に把握しておく必要があるということに気付かされた。
なぜなら散々コケることになったからだ。
このままでは駄目だと思い、魔力感知、気力感知を精度を高めて足元の地面を感じ取った。
すると何とか安定して歩くことができるようになってきた。
だがまだ走ることは出来ない。
無理矢理走ることもできなくはないが精密に足場全てを感知するのは気や魔力を感知するためのスキルでは現実的ではないように思う。
そう思っていたが人間何事もなれるもので、三十分ほど近場を歩き回れば、かなりの早足でもコケることなく歩き回ることが可能。
しばらく歩き回っていると、何かが3mほど先の地面から飛び出してくるのを感じた。
どうやら植物のような気を感じるが、それにしては速すぎ、謎の魔力を感じる。
一度回避してみると次々とあちこちの地面から根が飛び出してくる。
もしかしたら生物かもと思ったが木の感じを見る限りただの木にしか見えない
暫くの間回避しながらこの原因を探る。
その原因は直ぐに判明した。
30m以上離れているので確かなことは言えないが、何か居る。
その原因に向けて歩を進めようとするが、根が執拗なまでに邪魔してくる。
コレでほぼ犯人は確定だろう。
変に動いてコケても困るので、暫くの間、様子見も兼ねてこの場から原因に向けてもっと探れないかと感知の精度を全体的に引き上げていく。
するとどうやら犯人は鹿であることがわかった。




