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第五二話 やるべきこと



私はスイスイ進んでいった、山を超え野を駆けた。

その速度はステータスの上昇と比べても少々速い気がした。

おそらくはステータス上の身体能力の上昇だけでなく、きっと身のこなしの差も関係しているのだろう。

まあほんとに微々たるもんだし私の勘違いかもしれないけどね。


丸一日掛けてたどり着いた私は浅層の方で出てくる金の魔物を簡単に倒すことができるようになっていた。

ただ、すべての敵が一撃で倒せるという訳ではない。

HPの低いものは一撃で倒すことができるが高いもの相手では2、3発は必要だった。


しばらく戦っているとどうやら、深層にたどり着いたようで、薄い金ではなく、純粋な金色の魔物が出てくるようになった。

リベンジまでは主にここで敵と戦うつもりだ。


初戦は水辺でもないのになぜかいる金色のでかいワニだった。

目があった瞬間ワニが飛びついてくる。

強化結界で防御、しきれず破られるが、勢いの落ちた攻撃では私を捉えることなど到底できない。


体の側面に移動し、拳を叩き込む。

だがここに居るのがそれをいつまでも許すような甘い生物であるはずがなく、水の矢を発生させて私に向かって打ち出してくる。

自由自在に動くそれを自由にするのは不味いと判断してすぐさま強化結界を発動、叩き落とす。


結界は多少の範囲は決めることができるためまとめて発動したそばから結界にぶつけてやることで水の矢を叩き落してやった。

本来は小さな結界を沢山作った方がコスパがいいのだがまだそこまでの技術は私には無い。


その間私はワニの無防備な横腹を殴り続ける。

私を魔法だけでは移動させることができないと察したのか、私を突き放そうと身を捩り、大暴れする。

私は空中に飛んでそれを回避、そのまま落下の速度もプラスして拳を叩き込んでやろうと思ったが、何者かに横槍を入れられる。


正確に言うなら槍ではなく牙だったがそんなことはどうでもいい。

足元に強化結界を発生させ踏み台にして無理やり回避。

だが避けきれず少しかすってしまう。

すると状態異常 毒と視界の端に表示される。


その牙を向けてきたのは蛇だった。

その蛇は1、5m程と意外に小さく、そのサイズに見合ったように非常に希薄な気配と姿だった。

ここまで存在が希薄なものに気がつくのは気力感知がなければ不可能だっただろう。


だがそれでもかなり分かりにくく、かなり自然な気の流れしかなかったので寸前まで気付けなかった。

戦闘中でなければ簡単に気付いていただろうが、今は戦闘中、それも油断できないレベルの相手とだ。

そんなに他のことに気を配る余裕がなかった。


だがよくよく考えればそこまで警戒する必要性もないように感じる。

それなりに早いと言っても私の意識の中ではゆっくりと動いているのだし、油断しすぎるのもダメだが、変に警戒しすぎるよりは、落ち着いて周りを見渡すことができるぐらいの余裕も持っておいたほうがいいだろう。


そう考え私は肩の力を少し抜き、落ち着いて敵と相対することにした、ワニの魔法と全身を使った攻撃をかいくぐりながら、不可視の蛇の攻撃を避ける。

蛇の胴体を掴むと腕を巻き取ろうとしてくるが、その前にワニへ投擲。


蛇はきれいに今、私を喰らわんとして大口を開けてこちらに向かってきていたワニの口の中に吸い込まれていった。

どうやら口の奥をいきなり衝撃が襲ったのには驚いたようで、私に辿り着く前に口を閉めてしまう。

その口を上から踵落としで叩き潰してやる。

よしよし、これで出れまい。


だがワニが暴れたため足がズレる。

ワニが再び突進。

強化結界で再び速度を落として回避してやる。


だが口の中から勢いよく飛び出してきた蛇によって攻勢に移ろうとしていた私は、虚を突かれ、まともに攻撃を受ける。

くそ、まだ体に動きが完全に染み付いていないからとっさの行動は難しい。

強引に蛇の胴体を掴んで引き剥がし、足で頭を地面に固定してやる。


そんなことをしている間にワニの尾が私に迫っていた。

それに気付いた私は何とか受け流し、蛇の頭を踏んだままにして渾身の一撃をワニに食らわした。

どうやら、踏みつけのダメージか何かでHPがなくなったようで、蛇は全身を光に変えていた。


だがワニはそれでも倒れなかったようで、私を押しつぶそうとでもしたのか、転がってくる。

それを今度こそ「赤」を纏い、とどめを刺した。


流石にここまでの敵と戦うと、いくら攻撃を受けないようにしているとはいえ、多少どころか、かなりのSPを削られてしまう。

私は一日ほど狩りをしたあと、SPポーションがなくなりかけたことでこれ以上の狩りは無理だと判断。

帰ることにした。


理由は主に毒だ。

初めの方に受けた毒は軽いものだったようで十分に自然回復の速度が間に合っていたが、最後の方に受けたヤモリ?のような魔物から受けた毒が洒落にならないほど痛く、SPをHPに変換してなお、SP、HPの回復速度が追いつかなかったためSPポーションをかなりのハイペースで飲むこととなった。


具体的に言うと私の今のHP回復速度が十秒に1ぐらい、SPがHP換算で七秒に1ぐらいだ。

はじめの毒は二十秒に1ぐらいだった。

だがヤモリの毒ははじめの毒と重複しておそらくは最終的に三秒に1ぐらいのペースで減らされていた。


私が命からがらコンラッド村に逃げたとき、そこには誰もいなかった。

村長の家などすべての家を回ったものの人っ子一人いなかったのだ。


薬屋に行っても大体の物は持ち出されている+鑑定でも粉とかビンとか草とかしか出ないのでどんな用途のものなのか分からず、必死に大気の気を集めて延命するも、段々と終わりが近づいてくる。

だが死の間際に私は天啓に打たれる。


急いで解毒薬をくださいとクランチャットに打ち込み、誰かがオンラインになっているのを願う。

するとアマメから解毒薬が送られましたというシステムメッセージの後、私のインベントリには解毒薬が入っていた。

私はそれを勢いよく飲み干し、残りHP13で事なきを得た。


チャットで感謝の言葉を送り、今回狩った魔物たちの素材を送る。

その後、私はこの村でまだしなければならない事が残っていることに気が付き、重い腰を上げた。


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― 新着の感想 ―
[一言] そんなことをしている間にワニの尾が私に迫っていた。 それに気付いた私は何とか受け流し、蛇の頭を踏んだままにして渾身の一撃をワニに食らわした。 ヘビしぶとかったなで尾をの時に叩きつけた方が…
[一言] それなりに早いと言っても私の意識の中ではゆっくりと動いているのだし、油断しすぎるのもダメだが、変に警戒しすぎるよりは、落ち着いて周りを見渡すことができるぐらいの余裕も持って置いたほうがいいだ…
[一言] どうやら口の奥をいきなり衝撃が襲ったのには驚いたようで、私に辿り着く前に口を閉めてしまう。 その口を上から踵落としで叩き潰してやる。 よしよし、これで出れまい。 主人公の合理性が相当に…
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