表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/68

第四七話 初めての魔法



通知を読んでみるとどうやらアップデートとイベントの告知があったようだ。

そのアップデート内容はプレイヤーでギルドを作れるようになり魔物になることが可能になったらしい。

私はこのままで行くつもりだ。


まあクランにはルールやら利点やらがたくさんあったので入ったほうがいいのだろうということはわかった。

もし入るとしたらクッキーと一緒のところかな。

イベントはスタンピードという魔物の氾濫から街を守る防衛戦らしい。

ゲームの世界は脳内時間が通常の5倍に引き伸ばされているので、この世界だと45日後にイベントはあるということになる。


まあ楽しみにしておこう。

さて、これから何をするのかは実はもう決まっている。

魔法を覚えるのだ。


私が何かしらの魔法を覚え、戦略の幅を広げることが竜に勝つことの近道だろう。

何より魔力を動かせても持て余してしまうのが勿体ない。

だが私は


[クッキー、魔法の使い方教えて。]


[まあいいけど直接じゃないと厳しいと思うよ。あと報酬がないとやる気にならないかもな〜。]


[それは勿論用意してるよ。ところで今どこにいるの?いつもの店?]


[うんそうだよ]


[多分一時間ぐらいで着くけどその時空いてる?]


[全然暇だよ〜]



無事に魔法を学ぶ目処がついたので始まりの街ファトルスへ行く。

竜に負けた憂さ晴らしとして目についた魔物を蹴散らしながら走る。

……


無事にファトルスに着きました。

クッキーの店に飛び込む。

すると珍しいことに先客がいるようだった。


「あと少し、あとたったの50シルバーでいいから、ね?」


「ダメだよこれ以上はまけられない。きっちり一つ13ゴールドだよ。」


クッキーはどうやらその客と根切り交渉をしているようだ。


「おや、他のお客さんが来てるね。私以外にも客がいるって嘘じゃなかったんだ。」


「当たり前でしょ。私の武器は大人気さ。あ、君との話は長くなるから後回しにさせてもらうよ。」


「どうぞどうぞ」


「ってハルちゃん?そうかそうか、来ることになってたね。紹介するよ、今話してたのは商人をやってるアマメちゃんだよ。」


「おお、あなたがクッキーがよく話題に出すハルさんか、よろしく。」


よろしくお願いします。

あの魔法の件で来たんだけど。


「うむ、その前に報酬を確認しよう。これによってどれだけの熱意を込めて魔法を教えるかが変わるぞ。」


クッキーが偉そうな口調で言ってくる。


うん、分かった。はい


私は使うこともないので王都で買ったお土産と旅の途中で倒した敵の牙や爪の殆どを渡した。


「え、え?別にこんなにくれなくてもいいよ、軽いお土産をくれたらそれでいいのに。」


そう言ってアイテムを返却してくる。


え?そうなの?


「うん、別に魔法を教えるって言ってもほんとに大した労力なんて無いし。」


分かったじゃあこれだけ。


「ありがと。ってかこれまた未知の素材を…」


「おおーすごい素材だねーこれ私に譲ってくれたりしない?」


と言ってウルフの素材を指差すアマメさん。


いいけどそんな大したもんじゃないよ。ほんとにいいの?


「いやいや、十分に大したものだろう。これ、私も見るのは初めてな素材だよ。」


そうなんだ。でも王都の周りに結構居るよ。


「へ?王都ってあの王都かい?よくあそこまでたどり着いたね。もしかしてプレイヤー単独じゃあ初めてなんじゃない?」


そうなの?


「多分ね。私も一回NPCの護衛を雇って行ったことがあるぐらいかな。」


「そうなんだよ、ハルちゃんはこう見えてめっちゃ強いんだよ。なんせあのガチガチ山のボスを一人で初討伐したのがハルちゃんだからね。」


「え?あのここ最近やっと討伐出来たっていうあのボスを一人で?めっちゃすごいじゃん。どうやったの?」


殴った。


「ええ〜なにそれ」


「すごいよね〜」


こうして私は素材をアマメさんに売っぱらった。

あとフレンド登録もした。

あんなに高く買ってくれたけど大丈夫かな…



魔法の使い方教えてよ。


「ああそうだったね。」


「どしたの?」


「いやね、ハルちゃんが魔法の使い方を教えてほしいって言っててさ、私が教えることになったんだよね。ところでどんな魔法を教えてほしいの?」


結界


「そっかそっか、簡単なのでいい?というか多分本屋とかに行ったら詠唱が載っている本とかがあると思うけどね。」


え?詠唱が居るの?


「うん、まあ必須ではないけど無いと自由には使えないかな。というか何で結界なのさ。」


一番強く慣れそうな魔法が結界だったから。


「まあ詠唱は 我が敵を阻め”結界” でいけるよ。」


なんか恥ずかしいな


…「わ、我が敵を阻め”結界”」


詠唱をすると魔力が勝手に簡単な幾何学模様に集まってきて、それを起点として結界らしきものが出来上がる。


「まあこんな感じかな」


なるほど。クッキーってよく結界の詠唱を知ってたね。


「まあ、こんな感じの基礎魔法は多分魔法使いなら誰でも知ってるよ。」


「だって基礎魔法って大体の魔法に必要だし、スキルポイントを使わずにすぐに覚えられるから。取っておいて損はないんだよ。スキルポイントが必要なのはその後の強い魔法からなんだ。」


へ〜

じゃあ今日はありがと、助かったよ。


「どういたしまして」


じゃあね、また来るよ。


「うん、バイバイ」



こうして私は結界を教えてもらいクッキーの店を出た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が魔物にはとかでこういう感じだと主人公に限らず少なくとも創作主人公の大半は変更とかはな気がする。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ