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第四二話 龍の眷属



視界が赤に染まった。


その瞬間私は体で撤退しながら魔力を操り前に押し出した。

その攻撃が魔法かまでは分からなかったものの魔力を利用したものだとわかったからだ。

理由はその赤が現れた瞬間から魔力を一切感じ取ることができなくなったからだ。


先程までは魔力を感じ取れたのに、いきなり赤が現れると一切の魔力を感じることができなくなったのだ。

私はそれを私が魔力感知のために放った魔力を一瞬で何かに制御を奪われたため、感知できなかったと判断した。

つまりはもう私のMPも奪われ始めているだろう。


そう考え、少しでも魔力を有効に使うために魔法を遅らせようと魔力を勢いよく放つ、それがその魔法にどんな影響を与えるか、そもそも効果があるのかすら分からないがとにかく放つ。

そうして時間を稼げたかは分からないが、私は撤退を開始する。


いきなり横に炎の玉が出現。

とっさに回避しようとするが避けきれず、というか方向転換してきたせいでまともに食らい、足を止めてしまう。

まじか、それ自由自在に動かせるんだ…それでも流石に真横に向かってくるのはずるいでしょ。

そのせいで後ろから迫っていた巨大な炎の壁に巻き込まれる。


ただ、SPをHPに変換することで何とか即死を免れた。

そして私に残ったSPは一気に4割となった。

まさか一撃でここまで減らされるとはね…

それにどうやら継続ダメージのような物もあるようだ。


上級SPポーションを飲みながらそう考える。


そしてすぐにそれを起こした張本人?は姿を表した。


「我としたことがここで火を使ってしまうと駄目だということを失念しておったわい。」


それは金色の竜だった。

それは圧倒的な存在感を放ちながら私の前に現れた。

すかさず鑑定


ドラゴン


…まあ元々そんなに期待はしてなかった。


「うん?まだ生きておったのか、しぶとい虫だ。」


そして私に意識を向けたかと思うといきなり十数個の炎の玉を出現させ、私に向かって放ってきた。

それに私は背を向け、森の方へ逃げる。

糞、多すぎだろ。

あと火を使っちゃ駄目なら使ってくるなよと悪態をつくも炎の玉の数が減るわけではない。


右へ左へ逃げ惑い回避し続ける。

サイズが小さく、制御も甘いところがあるからこそ避けきれているがこれが私の不意打ちをした炎の玉レベルで制御できていたら多分全ての回避はは無理だっただろう。


「虫けらにしては粘るな…ほれ、追加だ」


当たり前のように倍近くの数に増加させてくる。

ここまでの数ともなるとおそらく厳しいか?

いや、制御が甘くなるはずだから避けきれるかも。


ヤバイ、マジでヤバい。

確かに制御は更に甘くなり雑な攻撃になった。

だがその制御が時間が立つとともにどんどん緻密に、正確になっていく。

見てわかるほどに先程との差は大きい。


「最近はあまり直接戦うことなど無かったからな…まあ大事な戦いの前に己の戦闘の腕のなまりに気づけてよかったとするか。」


どうやらこの竜、長いこと戦ってなかったらしい。

道理で凄い速度で魔力操作が上達していくと思ったよ。

上達してたんじゃなくてかつての勘を取り戻してただけらしい。


先程まで数と速度が早いだけだったのがフェイントやら何やら交えてくるようになったが、それでも気合で対応する。

あのいきなり隣に出現する火の玉。

あれを放ってこないのが何やら不気味だがあのときは魔法をあまり使っていなかったし、余裕があるときにしか使えないことを祈るしか無い。


って私のマントが燃えてる〜!

あーあ、これ高かったのに…


急いで脱ぎ去ろうとするがその前に強制的に装備がインベントリに収納される。

どうやら耐久値がなくなったようだ。

このゲームは耐久値システムというものがあり、その耐久値がゼロになってしまうとその装備品は装備不可状態になるのだ。


これは誰かに直してもらわなければ元に戻らないらしい。

つまりはお金がかかる

これ以上の損害はダメだ。


という事で回避一択!!

しばらくそうして回避し続け、そろそろSPが危険な領域に踏み込もうとしていることに危機感を覚えているとふいに龍の眷属が話しかけてくる。


「…まさかここまでやるとはな。どうだ貴様我の眷属になる気はないか?」


{眷属になりますか?YES・NO}


ウィンドウが私の目の前に現れる。


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