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第三七話 クソガキ



「そうだ、すまんがここにおるワシの用意する相手と戦ってて実力の程を見せてはくれんか?お主に手伝ってもらいたい依頼があるのじゃが、それを託せるかお主の実力を見せては貰えんか?」


{クエスト 実力を示せ が発生しました。}

{クエストを受けますか?}


もちろん


でも私じゃあその人そもそも目視できないし居場所しかわからないので多分一瞬でボコボコにされますよ。


まあこれは嘘だ。

居場所だけじゃなくて体の動きまでならばそれなりにはっきり感じられる。

だから一矢報いることぐらいはできるだろう。

ただもう少し戦いやすい相手と戦いたい。


「…ほうハルは感「おい貴様俺のことが見えないのか!!」」


「え?」


「ああ実は戦ってもらう相手というのは見えないものではなくワシの息子であるアレク・リトランドだ。」


へー強いの?


まあまあだな拳鬼に憧れていてな、そんな拳鬼の弟子が自分よりもレベルの低いものだと知って気に入らないのだろう。


王様も息子の前では言いにくいのか紙に書いて返してくる。


遠慮なく叩き潰すよ?


まあこれでも第三王子じゃから物理的に跡は残らんようにしてくれ。


任せて。


まあお主が簡単に負けるとも思っていないがレベルが高いどころかアレクは職業のランクアップを一度しておるし、何なら進化しておるぞ。


…なるほど、つまりは少しは実践もしたことがあると。

ジョブレベルは訓練でも上がるが、基礎レベルは魔物を倒さなければ上がらないらしい。


あとジョブレベルが百になったら職業のランクアップが可能となり、それは三回まで繰り返すことが可能で転職が可能、基礎レベルが百になったら進化可能らしい。

それとランクアップをするとその度に星と言われるものが増えていき、その星の数により強さの上昇率、転職先にも変化が発生するらしい。


まだ進化、転職した人は居ないらしいけどそう書いてあった。

つまりはこの子供は職業、ジョブがともに合計100レベルオーバーということになる。


えっ普通に強くね?


こいつ、こう見えてかなりの手練れなんだな。

因みに見た目は10歳ぐらいの子供だ。

まあ10年間もこの世界で過ごしてきたのだからこれくらいは当たり前かもな、むしろ低すぎるぐらいだ。


…王様的には中々でも私的にはかなり強い可能性がある。

油断はしないようにしよう。


こうして唐突に勝負が始まることとなった。

結界の中では死なないというルールが付与された結界が広場に張られていく。

段々中心から広がっていくのだが少し遅いな…

どうやらこの結界は地中にある独特な形の魔力の塊があるようで、それを起点にして作られているようだ。


これが魔法か…中々高度な技なんだな。

というかめっちゃ難しそう。

今の距離じゃあ変な形の魔力の塊があるぐらいしか分からないが、かなり複雑な気がする。


おっと、油断はいけない。

私は結界が広場に広がり切るまでに油断すること無く相手を見据える。

するとアレク君 (推定10歳)がこんなことを言ってくる。


「おい貴様、お前ランクアップもしてないらしいじゃないか。お前ごときが拳鬼様の弟子とはおこがましいぞ。あとずるい、俺に譲れよ。」


う〜んクソガキだ。

しかもアバラのことを様付けとは笑えてくるな。

…あの糞爺のことを思い出したら腹が立ってきた。


「おい、無視するなちび」


……私はこれでも16歳だぞ


「お前が負けたら俺のこと拳鬼様に俺のこと紹介してくれ。勿論負けたらお前は弟子やめろよ〜まあ自発的にそうしなくてもすぐに辞めさせられてただろうけど〜?」



「あっそうそう俺は負けないから俺が負けたときのことは考えなくてもいいよ。



「おいおい怖くなってきたか?でも残念逃げてもダメで〜す」



「さっさとアレク様、調子に乗ってすみませんでしたって聞きたいな」



「おいおいだんまりか?負けた時の言い訳でも考えてるんですか〜ぷぷぷ」



→ クソガキをぶちのめす

  クソガキをぶちのめす

  クソガキをぶちのめす


頭の中の選択肢がこのクソガキをぶちのめす一択になる。

くそ、我慢だ我慢ここでいきなり殴りかかるなんて短気な真似はいけない。

私が大人にならなければな。

さっさと結界広がりきれ〜


……………


試合までずっと煽られ続けた。


「では試合開始」


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― 新着の感想 ―
[一言] アレク・リトランドとかのが余りにもクソガキとかでクラリア・リトランドは立派で王妃とかも少なくとも悪くは無いだろとかなのにとか思った。それでこいつが第三王子で王位継承順位がとかで相当に朗報とか…
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