第二七話 拳闘士
そして攻撃が当たる瞬間、防壁が復活した。
「うわ〜」
私は防壁に飲まれた。
熊も私を防壁から叩き出したかったのだろうが、下手に自由にしてしまえば不安要素が増えるのと、あの二人に集中したかったのもあってか私のことを水の中で回しながら放置した。
くっ、くそ、まさかあのタイミングで復活するとは…
というか不味いぞこれ、理由はHPがゴリゴリ減るからだ。
水の中には石等が巻き込まれており私に高速でぶつかってくる。
そして息だ。
息がいつまで続くのかがわからない。
つまりはこのままだと死ぬってことだ。
どうするべきか…
私はオーラを拳にしか纏えない。
理由はわからない。
もしかしたら「拳」闘士だからかと思っているが、実際のところは分からない。
だが今の私なら無理やり自分の体に纏える。
そんな自信がどこからともなく湧いてくる。
それに、このままでは私は死ぬだろう。
私はこんなところで死にたくない。
いや、負けたくない。
だから私は纏って見せる!
心のなかでそう宣言して体全体にオーラを纏う準備を開始した。
おそらくは体全体に纏うには戦闘中にはまだ難しいレベルで集中して細かく気を編む必要があるだろう。
まだすぐには纏えそうにない。
そう気づいた私は全力で気を編みながらSPを気に変換していく。
勿論流石にこのレベルで気を使い続けると気が枯渇してしまうと予想がつくので周囲から気を吸収することも忘れない。
よし、編めた。
だが中々オーラを纏うのは成功しない、妙に弾かれるような感覚があるのだ。
落ち着いて必死に纏おうと調整し続ける。
そしてしばらくするといきなり変化があった。
ポン!
そんな擬音語が似合うほど呆気なくオーラを纏えるようになった。
あれ程あった抵抗が一度成功すれば綺麗さっぱり消えてしまった。
HPは5割ほど残っているがSPは気を編む過程で無駄が多く出てしまい、2割を切っていた。
だがもうHPの心配はする必要がない…訳では無いな。
息ができないのか毎秒一定のダメージを受けている。
ただ、もう小石などではダメージは受けなかった。
その理由は簡単で私は既に「黄」を全身に纏っているからだ。
でもここから私では脱出できないぞ…
ただ、だからといって脱出を試みないのは違うと思ったのでとりあえず暴れる、ただやはり抜け出せれない。
どうしようかと考えていたらいきなりあれほど私を閉じ込めようとしていた水の流れがなくなり、水の中に熊の拳が入ってきて私に向かって入ってくる。
回避することもできないので受け止める。
別に私を固定しているわけでもないのだから吹っ飛んでいくだけだろうに…
ダメージはそこまでは受けないだろうなどと安心しきっていると…
って地面だと!?
「ゴン」
どうやら私は横からではなく上から殴りつけられていたようだ。
こうして私は地面に叩きつけられた…
おや、ほとんどダメージが無いぞ?
ただ、驚いたことに私はほとんどダメージを受けていなかった。
全身に纏ったとしてもこれ程ダメージを受けないのは経験的にはおかしい。
なぜだろう?




