第一九話 必要な技術
爺視点
おや?
どうやらもうハルのやつが来たようじゃ。まあ別に気力操作、感知が8、9まで上がっておらんでも来ては駄目というわけでもないからの。
と思ったがそういうわけでもなくしっかりとレベルを上げてきたようじゃ。
どうやってここまで早く?
そんな疑問が湧いてくる。
いやいやだっておかしいじゃろなんでここまで早くレベルが上がるんじゃ。
普通に気力操作、感知のレベルを上げてもこの2倍ぐらいの期間はかかるぞ…
しかもコヤツのものは特殊で2倍の経験値を必要とするとか何とか鑑定ではでておったはずなんじゃがのう…
スキルポイントなどを使ってレベルを上げることの出来んタイプみたいじゃしどうなっとるんじゃ?
…まあいいか
ハルの体の動かし方はなんというか、剣士のそれと似ておるな…
コヤツ実は剣士じゃったりせんじゃろうな
一般的な方のスキルで考えるとコヤツのスキルレベル8は24〜32程ということになる。
だがそれにしてもコヤツのオーラの纏いはそのレベルにしては圧倒的に練度の高いものじゃ、それにオーラの扱い方もうまい。
薄く伸ばせといっただけなのにコヤツが普段扱っておる気よりも随分と小さい物をわざわざ作り出してしかもそれを繊細に操っておる。
それが出来ると自分で分かっておるだけでもそれだけ気に慣れておるという証拠になるのう…
しかもコヤツの操る気は一つ一つが制御され、安定しているため、なめらかで美しい。
まあワシのものにはまだまだ及ばんがな。
まさかここまで薄く纏うとは…コヤツほんとに初めて薄くまとったのか?
練習とかしとったんじゃなかろうな?
ただこのままじゃとこやつに教わる事は大したものがないものばかり、なんて舐められるかもしれん。
そうはなりたくないのう。
ここは一つワシが自力で編み出した気やオーラの支配力などを上げることのできる技術を教えてやるとしよう。
ふむ…まあその特徴から「気力を編む」とでも名付けておくか。
うむうむ苦戦しておるな。
やはり気を編むのは気を操るという動作を正確に、そして精密に続ける必要があり、スキルレベルにしては驚くほどの精密さだが、やはりそれにはどうしても常に集中する必要があり、集中力が必要となる。
コツを掴めば繋げるのは可能だろうがたとえそうなったとしてもその時にはもう集中力など残っておらんであろう。
じゃからその後ワシが自ら実演してやろう。
この技術はワシの技術のすべてをハルに教えるのには必要不可欠と言えるほどワシの技術の中でも重要なものだ。
これを身につけてからが楽しみじゃわい。




