3話 全然読んでくれねぇ!
一同「貴様、人かカバネか!」
生駒「違う!どちらでもない!俺はカバネリだ!」
みたいな作品です。
普通に大陸鉄道で学校まで来た3人は、校門で警備員に止められていた。
「そのロケットランチャーは?」
その問いに対して、優奈は堂々と言い張った。
「護身用です」
「はぁ。護身用・・・」
「皆さんも帯刀してますよね。なら大丈夫かなと思って」
「・・・うん。・・・まぁ、規則では爆発物も大丈夫なハズだよ。大丈夫、なんだけどね。普通持って来る?」
「つまり私達が特別だと、そう言いたいんですね?」
「素直にアホって言えば伝わったか?」
「大丈夫ですよ。本当はロケットランチャーの見た目をしたクラッカーですから」
「え、そうなのか?そうならr」
「まぁ嘘ですけど。なんなら普通のロケランより威力ありますよ、これ」
「お前もう逮捕いっとく?逮捕していいよな?うん逮捕しようね」
「はいはい優奈ちゃん。ロケランはバイバイしようねー、話が進まないから。」
ここで優奈と同じくロケランを担いでいる蓮が割って入った。
「灯香。落ち着いて考えろ。編入初日にロケラン持ち込んだ奴がいたらどう思う?」
「ヤバい人?」
「輝く人だ。おう、コイツは分かってるなってな」
「思わないよそんなこと」
「私は思いますよ。シンパシーてきなかんじで」
「一緒にロケランぶっ放そうって話になるだろ?それで会話が生まれるんだ。まぁ初日でゲームが好きって言う奴と同じだな」
「え、そのロケラン会話のきっかけのためだったの?」
「何言ってんだ?ロケランなんて普段使わないだろ」
「真顔で言われたんだけど・・・(汗)」
「まだまだ甘いですね、灯香さん」
「修行が足りないな」
「うん。もう好きにして・・・。その、警備員さん、説得はムリでした」
「・・・嬢ちゃんも苦労してんだな」
「警備員さん。ロケランってアクセサリーの扱いになりませんかね?」
「ならねーよ。てかもう帰れ。お前ら何しに来たんだよ」
呆れ果てる警備員。どうしようかと頭を悩ませるが、彼が行動に移す前に第3者が介入した。
「ここにいたのか貴様ら!」
突然遠くから放たれたその声に、蓮と優奈は素早く反応した。
「そ、その声は!」
「あ、アナタは!」
全然知らないのにノリで驚いてみた2人を、会話に乱入した女性は半眼で見つめた。
「・・・・・・なんの真似だ?」
彼女の名前は『胡桃 千佳』(くるみ ちか)。3人が在籍することになるクラスの担任教師だ。黒髪ロングの美女で頭の回転が早く気配りもできるため、教育者として高い評価をもらっている。
「あ、もう気にしなくていいです。ルイン王国の特使3名、到着しました。初めまして、右から中城灯香、杉木蓮、辻優奈です」
灯香が3人まとめて自己紹介をした。
「・・・おう。独特な自己紹介だな」
「あのクソジジイのやり方だからな」
「よく来たな。早く入れ。もうHRが始まるぞ」
「はーい」
当然のようにロケランを離さない優奈に、胡桃は釘を刺した。
「その筒は置いていけ」
「あ、すみません。これは国家機密みたいなものなので、その辺に置くことはできないんです」
「何がなんでも持ち込む気だなお前らは。機密なら専用のロッカーがあるからそこを使え」
規則で諭す胡桃に、灯香は感心してしまった。
「・・・2人の初手に動じない人久し振りに見たかも」