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虫
それは静かに忍び寄る。足音を立てることも無く。じっと待つ。蛍光灯の光の近くで。
玄関の扉が開く。家主と一緒に入る。静かに、共に。悟られることも無く。
それの正体。それは虫。カメムシ。彼らは扉が開くのと同時に入ってくる。タイミングを見計らって。だが、家主に見つかってしまう。
カメムシは動かない。見つかっていることに気づいていない。ゆえに空のペットボトルの中に入れられる。
自由な空間から不自由な容器へと。光を求めたゆえの代償か。
脱出できればいい。しかし、家主はそれを許してくれるだろうか。カメムシの運命は家主の手に握られたままーー。




