8.子供が邪魔
「どうしたらいいのだろう。」
ナットは父親のカールについて考える。
ナットが生まれた時、カールは、大変喜んだと昔は母親から何度も聞いた。
しかし、最近は母親からはその話を聞かない。カールがジャンキーとなり、全てが変わった。
家庭が麻薬を買う為に金を盗もうとするカールと、自分たちの生活を守ろうとするウェンディとの修羅場になった。
どんな場所に隠しても、カールが見つけ、麻薬を買う。だから、最近は分かりやすい場所に置いて、ナットが見張る方法になった。その結果、ナットは以前より殴られるようになる。
以前も時々殴られたが、見張るようになってからは、毎日殴られる。
ナットは考えるが、答えはでない。
「分からない。」
ナットは移動しているトラックの中で鎖で繋がれて呟き眠る。
ナットがトラックの中から出させれた後、連れていかれた場所は大きな塀に囲まれた邸だ。
その地下の部屋へナットは鎖で繋がれる。他にも同じ位の神族の少女たちが繋がれている。
ナットが隣の少女に聞く。「いつからいるの?」
隣の少女が言う。「私は、昨日から。」
ナットが更に別の少女に聞く。「あなたはいつからいるの?」
別の少女が言う。「私は三日前。」
ナットが少女たち全てから聞くと、六日以上はいない。
ナットが聞く。「家に帰りたい?」
別の少女が言う。「意味ないよ。どうせ邪魔だから。」
ある少女が言う。「いないほうがいいのさ。」
ナットが聞く。「帰りたくないの?」
隣の少女が言う。「帰りたい家がないの。」
皆が言う。「殴られるだけの家には、帰りたくない。」
そしてナットが聞かれる。「家に帰りたいの?」
ナットが言う。「分からないの。」
アホウ鳥族のハンター・バイコクデンはジョージア州のグイネット郡のホテルで大統領選挙戦の不正工作をホテルでしていた。そしてハンターの打ち合わせが終わる。
その日の夜、ハンターが邸に現れる。周囲には、ハイエナ族の護衛がいる。
出迎えたのは、竜人族の男、ワン・ロンとゴリラ族の男、トム・キースだ。
ロンが言う。「やっとプログラムが交換できた。」
ハンターが言う。「やっとできたか。これで人口より多くの票が伸ばせる。」
ハンターは、選挙投票集計機について自分の父親が勝てるようにするために、何でもする為に来ている。
もちろん、ハンターの協力者であるロンは、死人を使ってでも半年後に実施される大統領選挙で勝つつもりだ。
ハンターがトムに聞く。「準備は?」
トムが言う。「もちろん、Okay。」
ハンターには、小児性愛の癖がある。だから、彼には、幼女狩人のアダ名がある。
そして、ハンターがジョージアにいるから、トムはナットなどの子供たちをこの邸にトムは集めた。
ハンターが言う。「じゃあ、さっそく試してみるかな。」
既に報告を終えたロンは邸から去ろうとする。
ハンターが聞く。「何でそんなに急がしい?」
ヘンタイにとって選挙投票集計機で結果を操作できるのに、何で心配しているのか不思議だ。
ロンが言う。「いろいろあるのでね。」
ロンは、さすがにハンターの父親が不人気過ぎて、あらゆる手段で不正投票しなければならないとは言えずに誤魔化す。
ハンターはもう子供たちに関心が移っている。
ロンは別の州の不正選挙の準備の為、邸を出る。
ナットたちのいる部屋から、次々と少女が連れ出され、裸になり、泣きながら戻ってくる。
皆、股から血を流している。中には、お尻からも血を流している。
そして最後に残るナットも、ゴリラ族のトムに連れられて部屋を出る。
トムが言う。「大人しくしてればいい。痛くても我慢しろ。」
ナットが聞く。「なぜ我慢するの?」
トムが言う。「お前がダメだと、また探すことになる。」
ナットが聞く。「あの部屋にいる人数で足りないの?」
ナットは、幼女狩人の男が彼女たちを玩具にしているのだと思って聞く。
トムが言う。「あの子たちは、薬の原料になるから明日にはいない。お前も死にたくないなら我慢しろ。」
ナットは、ここが自分の家より遥かに危険な場所だと分かる。そして家に帰りたいと始めて思う。
ナットは、ハンターの部屋に入る。
ハンターは既に裸で、ナットに言う。「さっさと脱げ。」
ナットが服を脱ぎ始める。
ハンターはぎらぎらした目でナットを見ている。ナットが下着を外すのを待ちきれずにハンターがナットを掴む。
そして足を開く。
ナットが目をつぶる。
その時、激しい揺れが起きる。
一瞬、ハンターがナットを放す。
ハンターが防音トビラを開くと銃声がする。
そして爆発音が響くと、ハンターは裸のまま部屋の外へ飛び出す。
幼女狩人は、臆病者だ。だからこそ抵抗できない幼女を襲うのだ。そして、銃撃などが起きたらすぐ逃げ出す。
ナットはベットに残される。
実は、このハンター邸はビルが怪しいと目星をつけていた。
麻薬取引の疑いのあるロンが何回も出入りしているのだ。
その為、ビルの友人の元軍人、ジャーマン・シェパード犬族のデービット・マックロードが監視している。
そしてデービットからビルにゴリラ族の男が現れたとの連絡があり、すぐビルたちがハンター邸へ移動する。
ハンター邸は、デービットの友人であるジェレミー・ブーダ刑事が警察官を配置して、スヒーカーで捜索協力を要請した。しかし、返答は銃撃だった。
ゴリラ族のトムは、ナットなどの少女たちをトラックに投げ入れ、自らバンドルを握り、パトカーで封鎖された玄関を強行突破する。
トムを見つけ、運動席へ戦闘装備を着けたカールが飛び付く。
カールが言う。「ナットを返せ。」
トムが叫ぶ。「邪魔だ。どけ!」
ゴリラ族のトムのパンチでカールが殴られる。
やはり、ゴリラ族の力は強くカールが飛ぶ。
しかし、その一瞬で、ヨツオがトムの胸に短槍を突き立てる。 ヨツオがトラック止める。
服を着たナットがカールを心配そうに見ている。
カールは、吹き飛ばされて気絶している。
カールが頭を降りながら起きる。
カールがナットを見る。
カールが言う。「大丈夫か?」
ナットが聞く。「ナットは邪魔?」
カールが言う。「邪魔じゃない。ナットは大切な娘だ。」
ナットが聞く。「もう殴らない?」
カールが言う。「殴らない。」
ナットが聞く。「約束する?」
カールが言う。「約束する!」
ナットが安心して駆け寄る。「パパ。」
ナットがカールに抱きつく。
カールもナットを抱きしめる。「ナット。」