刺突剣と剣鉈
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依頼を終えて久しぶりに黒虎亭に戻ると、水精鋼の剣鉈を頼んでいたザバンの武器屋から言伝が届いていた。
どうやら頼んでいた物が完成したらしい。
途中で呼ばれて微調整とか入るものと予想していたが、そう言ったものを一切なしに一気に完成させるとは。
できるならすぐにでも行きたかったが、犬小鬼の村に関する諸々を片付けにゃならなかったのと、その前の金貸しの件で衛視隊からも『ちょっとツラ出せ』と伝言が届いていたので、訪問できたのは翌々日のことになった。
さてどんな鉈に仕上がったのかと、内心でわくわくしながらザバンの武器屋に向かうと、親方のザバンは居なくてカルロが店番をしていた。
ただ、先客がいてその相手をしていたので、こちらに気付いたカルロにジェスチャーで「そっちの客の後でいい」と伝えなんとなく店内の品を見て回る。
「いい剣が揃ってるな」
ついてきたクランヴェルが俺の隣で同じように店の品を見ながら呟く。
聖職者とは言え戦いに身を置く者の常か、クランヴェルも武器には興味があるようだ。
「ここのザバン親方は腕がいいと評判らしくて注文も順番待ちなんだ。場合によっては断られるときもある」
「なるほど。この品揃えを見れば納得だ。断られることがあると言っても、ディーゴは注文を受けてもらえたんだな」
「いや、俺は今そこで店番をしてるカルロに頼んだんだ。修行から戻ってきたばかりで手が空いてるって言うからさ。
見本を見せてもらったが、安心して水精鋼を託せる腕はあるように見えた」
「ほぅ、それは出来上がりが楽しみだな。特注の武器を誂えてもらうというのはどこか心躍るものだ」
「わかるか」
「ああ。私もこの剣を作ってもらうときは、出来上がりが楽しみで仕方がなかった」
男の子だもんね。『自分専用の武器』なんてやっぱ浪漫でしょ。
「……ところであの剣だが、どうするよ?あの金貸しの用心棒が使ってたやつ」
カルロと客の話はまだ終わりそうにないので、武器ついでに尋ねてみた。
昨日衛視隊に呼び出されてヴェスパー隊長から貰った、ミスリル製の刺突剣だ。
「あれはディーゴの持ち物ではないのか?」
「いやいや、アレはパーティー全体の共有物だ。使いたいのがいれば渡してもいいが……お前、使ってみるか?」
「長剣と刺突剣では使い方がかなり違うぞ」
「だよな」
「使ってみたい気持ちはないこともないが、今から戦い方を変えるのも色々と不都合がある」
「長剣を使い始めて結構長いのか?」
「9つの時から神殿で稽古を始めた。もうすぐ17年になるか」
「長ぇな。それじゃ今から変えるわけにもいかんな」
「ディーゴが使うという選択肢はないか」
「ないな。力任せにぶん殴る癖がついてる。華奢な刺突剣じゃ、すぐに折るか曲げるかするのがオチだ」
「ミスリル製でも今は宝の持ち腐れか」
「どこかで金に換えるしかあるまいよ」
「高値で売りたいなら相応に場所を選ぶ必要があるぞ。小さな街では代金を用意できずに買い手がつかない可能性が高い」
「ディーセンじゃダメかね?」
「正直、難しいだろうな。アレは切れ味や耐久性を上げただけの、ありふれた魔法の刺突剣じゃない。
一品物に近い魔法剣なら、叩き売るにしても大白金貨数百枚になるだろう」
「……マジか」
「失礼、ちょっとよろしいか」
いきなり声をかけられて振り向くと、先ほどまでカルロと話していた客が後ろに立っていた。
髭を綺麗に整えた壮年の男で、着ている服の仕立ても上等そうに見える。
なにより、後ろに立たれたのに俺もクランヴェルも全く気付かなかった。
「……何か?」
幾分の警戒を含みながら尋ねる。
「不躾ながら、そこもとらの話が耳に入った。もしや、ミスリル製の刺突剣をお持ちか?」
「まぁ、手元に一振りあるっちゃありますが、お名前を伺っても?」
「これは失礼。私はグスターヴと申す。刺突剣を探しに来たのだが、いささか話が難航しておってな。
もしそこもとらで使う予定がなく、売りに出すつもりがあるなら、拝見させては貰えないだろうか」
……ふむ、確かに初対面の相手にいきなり武器を見せてくれというのはやや失礼な案件だが、上等な身なりの割に俺らみたいなのにも礼儀正しく接してくるあたりは好感が持てる。
クランヴェルと軽く目配せをして同意を得たうえでカルロを見ると、こちらも小さく頷いてみせた。
特に怪しい人物ではない、という事か。
「これはご丁寧に。俺は冒険者のディーゴ。こちらはクランヴェルです」
こちらも名乗り返すと、無限袋から刺突剣を取り出した。
「これが話していた刺突剣です。どうぞ」
「ありがたい。では、拝見いたす」
グスターヴと名乗った男は恭しい仕草で受け取り、すらりと鞘を払った。
「…………むぅ」
柄の握りと護拳を確かめ、続いて刀身に目を走らせるグスターヴ。
傾きを変えて光にあてたり、刃を返したりして時間をかけて確認すると、ゆっくりとした動作で刺突剣を構えた。
剣先を小さく振ってバランスを見たのち、納得したように一つ息をつくと、自然な動作で鞘に納め俺に返してきた。
「ありがとう。これはかなりの名剣と見た。手放す気があるのであれば、私に売ってもらえないだろうか。
代金はそちらの望む額を用意しよう」
「有難い申し出ですが、私らもまだこの剣の価値についてよくわかってなくてですね。どの程度が適正な値なのか分からんのですよ」
「でしたらウチで鑑定しましょうか?」
顎の下を掻きながらグスターヴに答えると、聞いていたカルロが口を挟んできた。
「じゃあ頼もうか。特殊効果がついてるからその辺も詳しく見てくれ」
「「特殊効果ですって(だと)!?」」
カルロとグスターヴが同時に声を上げた。
「ああ。剣先をある形に動かすと、相手を催眠状態にすることができるらしい。持ち主にやられたんだが、クランヴェルが加勢しなかったらこっちがやられてたわ」
「……特殊効果付きのミスリル製品なんて、領地持ち貴族の家宝扱いになる品ですよ」
「ちなみにその持ち主というのは?」
「金貸しの用心棒ですよ。雇い主の金貸しもでしたが用心棒のそいつも小悪党でしてね、昨日聞いた話では死罪が決まったそうです。
ああ、刺突剣に関しては正式に所有権が私らに移ってるんで問題ないです」
「なるほどそうでしたか。ただそれほどの刺突剣なら、私より親方に見てもらった方が確実ですね」
カルロはそう言うと奥へと消え、親方のザバンを連れて戻ってきた。
「グスターヴさん、悪いな。相手できなくてよ。おう、虎の旦那。とんでもねぇものを持ってきたって?」
「ミスリルの刺突剣で特殊効果付きって品なんだ。こちらの御方が買い取りたいっていうんで、詳しい使い方と相場を教えてくれんかな」
「なるほどな。ミスリルの刺突剣ならグスターヴさんにもうってつけか。どれ、貸してみな」
言われて差し出した刺突剣をザバン親方は受け取ると、鞘を払ってじっくりと観察し始めた。
「…………こりゃ確かに大した代物だ。貴族様の宝物庫に収まってても違和感はねぇな。
コイツを金貸しの用心棒が持ってたのか?」
「ああ。おおかた、雇い主の金貸しがどこぞの貴族から巻き上げたもんだろうよ」
「だろうな」
「で、グスターヴさんよ、この刺突剣の特殊効果だが、実際に受けてみたほうが分かりやすかろう」
ザバンはそう言ってカウンターから出てくると、グスターヴから少し離れて刺突剣を構えた。
「コイツは剣に魔力を込めると相手から思考力を奪う効果がある。
こうすると、切っ先から目が離せなくなるだろう?そのまま切っ先で古代文字の『エズム』……まぁ眠るという意味の文字だ。
これを描くと相手は抵抗ができなくなる。どうだ?……つってももう分からんか」
ザバンがそこで剣を下ろし、グスターヴの目の前で手を打つと、グスターヴははっとしたように意識を取り戻した。
「うぅむ、確かに切っ先から目が離せなかった」
「相対した一人にしか効果はないが、それでもかなり強力だな。ウチで売りに出すとしたら、大白金貨600は貰うところだ」
「ぶふっ」
思わず噴き出した。
いやその大白金貨600って、日本円に換算すると6億相当よ?
そんな値段付けて買う人いるの?グスターヴさん買えるの?
「承知した。夕刻には用意できよう。ディーゴ殿もその値段でよろしいか?」
「あ、ああ。グスターヴさんがそれでいいならこちらとしても構わんが」
値段もそうだがそれをサラッと用意すると言い切るこの御仁もすげぇな。俺の知らなかった世界だよ。
自分でもそこそこ持ってる方だとは思っていたが、持ってる人は持ってるもんだな。
なお、代金の支払いと品物の受け渡しはこの店で行うことに決まった。
今回みたいな高額商品の取引は、余程付き合いの深い関係同士でない限り第三者を立ち合いに入れたほうがいい、とカルロが助言してくれたからだ。
ま、確かに初対面同士が大白金貨600枚をやり取りして何かあった日には、完全に泥沼だからな。
代金を用意するというグスターヴ氏が帰り、ザバン親方も奥に引っ込み、やっと今日の俺の本題に入る。
「なんか思わぬ展開になりましたが、お待たせしました。こちらがディーゴさんの注文された鉈です」
気持ちを切り替えてカルロから鉈を受け取る。
鞘から抜いてまず目につくのは、水色よりもさらに明るい、薄水色とでも言うのだろうか、そんな色に研ぎあげられた刃だ。
峰の部分は限りなく黒に近い藍色で、研がれた刃とのコントラストが美しい。
シン、と冷えた刃筋は雪解けの湧水を思わせつつ、厚みのある刀身と蛤刃は、俺の馬鹿力による蛮用にも十分耐えられそうだ。
バランスよく配された確かな重みは、樹人材の柄と相まって持ち手に心地よく、いつまでも持っていたくなるような気にさせる。
「……ほぅ」
思わずため息が漏れる。刃物として見る分には申し分のない出来と見た。
「中庭を借りていいか?どれほどの水が作れるのか知っておきたい」
この剣鉈のもう一つの使い道も確かめておく必要がある。
「ええ、そこの扉からどうぞ」
言われるままに中庭に入り、鉈に魔力を込めて水を作り出す。
刃先全体から生み出された水は冷たく透き通っており、飲んでも問題ないように思えた。
量としては中型の洗濯桶がややあふれたくらいなので、まぁ50~70リットルくらいか。
パーティーが1日の料理に使う水の量としては十分かも知れない。
そんな使い方を考えながら店の中に戻った。
「いかがでしたか?」
「文句のつけようがない出来だ。あんたに頼んでよかったと思うよ」
「そう言ってもらえると職人冥利に尽きます」
カルロに笑顔で答えると、カルロはそう答えて頭を下げた。
「ところで、銘は刻みますか?」
「そういうこともできるのか?」
「結構多いですね」
「ならそうだな……雪清水、と刻んでもらおうか。この鉈には雪解けの清冽な水が似合う気がする」
「雪清水、ですか。分かりました。では少しお預かりします」
カルロが鉈を受け取って工房に引っ込むと、幾度かの槌音がして戻ってきた。
「では、どうぞ」
再び受け取って刻まれた銘を確認すると、刃元の部分に打ち込まれる形で雪清水と刻まれていた。
「ありがとう。で、代金の方だが、残りは大白金貨1枚と金貨8枚だったな」
そう言って財布から大白金貨2枚を取り出して差し出した。
「確かに。今お釣りと余った水精鋼を用意しますね」
「いや、釣りはいい。残った水精鋼もそっちで使ってくれ」
「え、ですが」
「おたくは思っていた以上にいい鉈を作ってくれた。いい仕事には相応の感謝と謝礼をもって報いるのが客の礼儀ってもんだろ」
笑顔でそう言うと、カルロは納得したように頷いてうやうやしく大白金貨2枚を受け取った。
「ところで、さっきのグスターヴ氏についてちょっと聞きたいんだが……何者だ?」
クランヴェルが剣鉈を興味深そうに見ていたので一度預け、その間にカルロに尋ねてみる。
大白金貨600枚をぽんと用意できるとなると相当の金持ちに入るのだが、それほどの金持ちがたった一人で武器屋にいるばかりか気配を感じさせないほどの高度な剣術を身に付けているのにちぐはぐな印象を受けた。
「グスターヴさんですか。いいですよ。この街では結構有名ですし」
頷いたカルロがあっさりばらした事情によると、かのグスターヴ氏の実家はこの街でも有数の旧家であり、さかのぼれば帝国以前にこの地域を支配していた王族に連なる血筋らしい。
そしてその実家は、今ではこの街で1~2を争う大商会であり、グスターヴ氏はそこの三男に当たるとか。
当主である長男を次男とともにサポートしつつ、若くして剣の才能を開花させた氏は商会の警備隊長として、理不尽な暴力から度々商会を守ってきたらしい。
また、その家柄、人柄、実力を評価されて貴人の私的な護衛を依頼されることも度々あるそうだ。
「……なるほど」
説明を受けて諸々納得した。
この街で1~2を争う商会の一族で警備隊長なら、あのちぐはぐさも頷ける。
それにこの刺突剣の譲り先としても申し分なさそうだ。
まぁ興味本位で剣を探しに来た事情は聞いてみるつもりだが。
カルロに礼を言って店を中座し、昼飯がてらに時間を潰して再びザバンの武器屋に戻る。
まだ少し早かったか、と思っていたが、グスターヴ氏は既に店に来ていた。
「ちょいと遅かったですかね」
「いや、私が早く来すぎたのだ。では、代金の大白金貨600枚、お納め願おう。
ただ量が量なので100枚だけは大白金貨とし、残り500枚は帝国札で用意させてもらった」
そう言ってグスターヴ氏が革袋と布札をカルロに差し出した。
カルロが革袋の中身と布札を確認し、俺に差し出してよこす。
帝国札は初めて目にするが、カルロが見て何も言わないのであれば偽物ということはあるまい。
ちなみに帝国札というのは薄紅色の布で作られた超高額貨幣で、大白金貨100枚、500枚、1000枚相当の額が発行・流通している。
サイズはハンカチの2/3ほどの正方形をしており、厚みのある生地に精緻な紋様で額面が織り込まれている。
なんでも帝国の一部で厳重に管理・飼育された特殊な蚕から紡いだ糸を、これまた特殊な織り方で織った布で作られているため、偽造はほぼ不可能に近く、万が一偽造した場合は関係者全員が三族に渡って容赦なく処刑されるという厳罰ぶりだ。
なお、帝国札自体、なんとも表現のしようがない極上の手触りを誇り、これを縫い合わせた寝具で眠るのが夢と豪語する金持ちもいるとか。
趣味がいいのか悪いのかよく分からんが、この手触りを知れば頷けなくもない。
代金を受け取ったので今度はこちらから刺突剣をカルロに差し出す。
受け取ったカルロは刀身を確認して、グスターヴ氏に渡した。
「これで取引は成立ですね」
「うむ。よき取引ができたこと、感謝いたす」
グスターヴ氏がそう言って頭を下げたので、ちょっと気になったことを聞いてみた。
「これはただの好奇心なんですが、なぜ急に刺突剣が必要になったんですか?
あなたほどの方なら手に馴染んだ愛剣の一振りくらいはあるものと思いますが」
「ああそのことか」
グスターヴ氏は頷いてちらりと店内に目を走らせた。幸い、今は俺らとカルロしか人はいない。
「……ここからは他言無用に願いたいが、実はさる貴人の警護を受けていてな。貴人の名前はご容赦願おう。
それで先日襲撃を受けたのだが、相手に思わぬ手練れがいて愛用の剣を折られてしまったのだ。
それだけの手練れを寄こしてくる相手に市販の刺突剣では心もとない。愛用していた剣は風精鋼の剣だったが、材料はこちらで用意してカルロ殿に依頼しても出来上がるのにひと月はかかるという話だ。
その貴人の出立が2週間後に控えているので、とても間に合う様子ではなくてな。
そんな折に貴殿らの話が耳に入ったのだ。風精鋼でなくともミスリル製ならばなんとかなろう、との判断よ」
「なるほど。そういう理由でしたか」
「何か気になる点でもあったかね?」
頷いた俺にグスターヴ氏が尋ねてきた。
「いえ、大したことじゃないです。
その刺突剣ですが、元の持ち主が持ち主だけに、あまりいい使い方をされてなかったように思うんですよね。
できるなら人の役に立つような使い方をしていただければ、その剣も喜ぶのではないかと思いまして」
「ほぅ。まるで剣に意思があるかのような言い方だな?」
「私の故郷では『天地万物に意思が宿る』みたいな宗教観がありましてね。その影響ですよ。
モノ言わぬ道具であっても、大切に、その道具が喜ぶような使い方をしていれば、こちらの期待にも応えてくれるのではないか、というまぁそんな考えです」
そう言って茶化すように笑顔で答えると、グスターヴ氏は意外にも真面目な顔で考え込んだ。
「……ふむ、聞いたことのない教義だが、頷ける内容ではあるな。
道具とはいえ大切に扱えば長持ちするのは自明の理だ。
思えば、あのとき刺客を退けることができたのは、折られながらも最後に見せた愛剣の意地かも知れん」
グスターヴ氏はそう言うと、ゆっくりと目を閉じた。
ややあって、グスターヴ氏は目を開けると、こちらを真正面から見て柔らかく微笑んだ。
「道具にも意思が宿るという話、まことに興味深く拝聴した。
今回譲り受けたこの剣が失望するような扱いは決してしないと約束しよう」
「ありがとうございます」
こちらの雑談みたいな話に素直に応じてくれた態度にグスターヴ氏の人柄を見たような気がして、素直に頭を下げた。
その後も軽く雑談をしたが、俺の方で幾つか探し物(サツマイモとか翻訳の魔道具とか味噌醤油の類とか)をしていると聞いて、グスターヴ氏から実家の商会に軽く話を通してくれることになった。
話を通すと言ってもがっつり「探してくれ」というレベルではない。
「これこれこういうのが顔を見せたら、追い返さずに話を聞いてやってくれ」というレベルだ。
さすがに捜索を依頼するほど甘えるわけにもいかん。
それに、アレやコレやをゆるく探し回るのも旅の醍醐味の一つなんでな。
ちなみにグスターヴ氏の実家は確かに商会なんだけど、顧客は他の商会や貴族などで一般客への小売りはしてないそうだ。
ただ手広くはやっているので、こういう『お願い』の形に落ち着いたわけだ。
氏の話によると、実家の商会はこの街だけでなく次に向かう交易都市トレヴや、その先にある紡織都市テキスタルにも支店があるらしい。
まぁその街に着いたらまずは市場を軽く流して、見つからないなら訪ねてみよう。




