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虚弱少女戦士  作者: yucury
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18話 帰還

町の入り口に着くとそこにはアリスがいた。

ユウコはアリスの姿を見つけると、走り出し、ユウコに飛びつくように抱きついた。

「ユウコ、待ってたよ。」

ユウコはアリスを抱きしめ返す。

「アリスさん、ただいまです。」

ユウコとアリスは無事に会えたことを心から喜んでいた。

討伐隊の皆も無事に帰還できたことをそれぞれの家族や恋人達と喜んでいた。

そんな中、なぜかユウコは気を抜くことできなかった。


そして、帰還したその日に祝勝会が開かれることになった。

会場はアリスの家で、盛大に開かれることになった。


ユウコは祝勝会の主役として、祝われる側だったが、アリスの側で祝勝会の手伝いを手伝っていた。

そして、アリスについて買い出しに行くことになった。

二人がアリスの家を出ようとすると、外にはディーオがいた。ディーオの表情は柔らかく、二人を見つめている。

「ユウコさん、アリスさん、どこか行かれるんですか?」

「えぇ、祝勝会の買い出しに行きます。」

ユウコが答える。

「そうですか。なら私も手伝いましょうか?」

「結構です。」ユウコはあっさり切り捨てる。

「そ、そう。」

ディーオは残念そうな表情をする。


「でも、無事に魔王を討伐できて、良かったですね。」

ディーオは話題を変えて、二人に話す。

「えぇ、そうですね。」

ユウコは笑みを浮かべずにそう言う。

アリスはユウコのディーオに対しての態度に不思議そうな表情をする。

「ところで、この町は魔王がいなくなり、平和になったわけだけど、二人はこの後どうするつもりなんだい?」

アリスとユウコはお互いに目配りをする。

「ユウコはどう思ってるの?」アリスもユウコに聞いた。

「私は、アリスさん二人でずっと一緒にいたいと思ってます。

アリスさんと一緒にいられればそれだけでいいくらいです。」

ユウコは真剣な眼差しでアリスに向き、そう言った。

アリスも照れた表情でユウコを見つめる。

「私もユウコと一緒にいられたらいいかな。」

ユウコはアリスの表情と言葉で心動かされる。


その側で、ディーオは二人の仲良い姿を見て、微笑みながらアリスに近寄ろうとした。

ユウコはディーオがアリスに近づくのが気に入らず、間に立つ。


「ふふ。ユウコったらどうしたの?」

アリスは、ユウコのアリスを守ろうとする行動が過剰に思ったと思ったようで、微笑む。

ディーオは無表情になり、「では、また後で。」と伝えると二人を後にした。


ユウコとアリスは買い物を終えて、アリスの家に着くと何か雰囲気が違う気がした。

玄関の扉開け、ロビーに入ると中には人気がなかった。

しかし、階段の上を見上げるとそこにはアリスの父親の倒れている姿が目に入った?


「お父さん?」アリスは自身の父親の倒れている姿に驚き、駆け寄ろうとする。

「き、来ては、ダメだ」

アリスの父親は小さくそういったように見えた。

その姿を見て、ユウコは走り出すアリスに向かって駆け寄ろうとしたが、遅かった。

階段から人影が現れ、アリスは捕らえられた。そして、首筋近くに短刀を近づけられていた。

「動くな。」

ディーオはアリスを人質にし、冷たい目をしてユウコの方を向いた。

ユウコはアリスを人質に取られている以上、動けなかった。


「お前は、ディーオなのか?」

ユウコはそう言うと、戦闘態勢に入った。

「ふっ。ディーオではあるが、それだけではない。」

ディーオの顔には余裕が見て取れた。

ユウコが攻撃してこないところを見ると、アリスを人質とったことは正解だったのは明白だった。

ユウコにとって、最大の弱点はアリスだった。


「そ、そいつは魔王に取り憑かれている、、」

アリスの父親が絞り出すように声を出した。


ディーオの顔に怪しい笑みが浮かぶ。

「危ないところだったよ、小娘よ。」

そう言うとディーオは大きく目を開く。その目は迷宮で見た魔王の瞳のものだった。

「とどめを刺しきれてなかったのか……。」

ユウコは自身の行動を反省した。

魔王は迷宮で、ユウコに剣で突かれ、倒れた時にはまだ息があったのだ、

そして倒したと思い、油断して近づいたディーオに取り付いていた。

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