第十三話
「さてと、それじゃあ、今度は俺らの特訓といきますか」
「そうですね……いきなり中頃までゲートで行っても大丈夫だと思いますよ?」
「わかった。じゃあそうしよう【ゲート】」
俺たちはゲートを潜る。
「おお、魔力っていうの?の濃さが段違いだな」
「はい、ここのダンジョンのボスは相当強いですよ。中腹でこのレベルの魔物が出てくるんですか、ら!」
そう言うとタルトは刀を抜いて空を斬った。と思ったのだが、そこには何かが居たようだ。
「うへ、透明になるやつとか居るのか?」
「魔力での索敵は警戒しないといけませんよ」
「おにーちゃん、うかつなの!」
「だな、警戒しながら行こう【カーナビ】」
俺はイメージした。カーナビみたいに地図情報とそこに何があるか、敵が何処にいるかマップ上に示されるようにしてみた。うん。これ、便利。何処に何が何体居るのか把握できる。
「流石にそれは訓練にならないので、やめたほうがいいかと思いますが……」
「あっ、やっぱり?」
「とっさの一瞬が命取りになる場合もあるので。私達は肉体がないからいいですけど、ゼクスさんは四肢をちぎらればらばらにされたらどうしようもないですから。そういうときの備えをするのは必要だと思いますよ?」
「……えげつないな……でもそうかもな……魔法による索敵じゃなく通常の索敵のスキルって、気配を感じ取ろうとかするとできるようになるものなの?というか発現するの?」
「はい。発現します」
「じゃあ、頑張ってみますか」
しばらくして、ステータスを見ると魔力索敵と、索敵があった。
「これってどう違うんだ?」
「魔力索敵の方が基本的には便利です。ですが、魔力を隠蔽する魔物も居るのでそういう時の場合に索敵が役に立ちます」
「なるほど」
「つまりどちらも伸ばせということです」
「へ~い」
「おにーちゃん、がんばれなの!」
「よし、頑張るか!」
こうして、今回倒した魔物をギルドに持っていったらギルドは支払えないだろう魔物を大量に狩って、スキルレベルも上げ、順調に下層へと向かっていった。
「おっ、もしかして」
「どうされました?」
「スキルがカンストしたかもしれない……なんか不思議な感覚があった」
「ステータスを見てみたらどうですか?」
「そうだな……【ステータス】」
【ステータス】
名前:ゼクス・アポロニア
年齢:20
性別:男
種族:神族
レベル:856
HP:8560000
MP:8560000
攻撃力:85600
魔法力:85600
物理防御:85600
魔法防御:85600
体力:85600
知力:EX
敏捷力:85600
幸運:EX
特殊スキル
神託EX
眷属化EX
隠蔽EX
鑑定EX
異世界言語EX
不老不死EX
完全属性適正EX
戦闘スキル
魔法99
剣術1
刀術――
銃術1
暗殺術99
状態異常99
非戦闘スキル
完全耐性99
索敵82
魔法索敵89
錬金1
薬師1
鍛冶1
裁縫1
木工1
革細工1
鉄細工1
装飾1
歌唱68
「おお!刀が……あれ?表示されないぞ?」
「おめでとうございます。カンストの先に到達したのですね?」
「お、おお、そういうことか」
「ええ、素晴らしいです。まさか一晩でそこまで行くとは思いませんでした」
「サクサク進んでるからな」
「この調子でもっとがんばりましょう!」
その後もたくさんの魔物を狩り、最終的にはステータスはこうなった。
【ステータス】
名前:ゼクス・アポロニア
年齢:20
性別:男
種族:神族
レベル:1098
HP:10980000
MP:10980000
攻撃力:109800
魔法力:109800
物理防御:109800
魔法防御:109800
体力:109800
知力:EX
敏捷力:109800
幸運:EX
特殊スキル
神託EX
眷属化EX
隠蔽EX
鑑定EX
異世界言語EX
不老不死EX
完全属性適正EX
戦闘スキル
魔法――
剣術1
刀術――
銃術1
暗殺術――
状態異常――
非戦闘スキル
完全耐性――
索敵99
魔法索敵99
錬金1
薬師1
鍛冶1
裁縫1
木工1
革細工1
鉄細工1
装飾1
歌唱68
流石にちょっと頑張りすぎたか?時計の魔法を使ったら10時手前。三人を待たせてしまったかも。
「いつの間にか朝になってる。急いで帰るぞ」
「あら?夢中になりすぎましたか?」
「むちゅー!むちゅー!たたかいたのしい!」
「まぁ、そういうわけで帰ろう【ゲート】」
俺たちはダンジョンの出口を経由して宿屋へと戻った。
「ぜ、ゼクスさん!」
「生きてたんですか!」
「帰ってくるのが遅いですよ!」
うん。ごめん言い訳のしようもない。
「ごめんごめん、悪かった。ちょっと夢中になりすぎた」
「ごめんなさいなの」
「ごめんなさいね」
「というか、生きていたってどういうことだ?俺たちは不老不死だぞ?」
「あっ」
「忘れてたのかよ……それに、普通の冒険者はダンジョンに何日も潜ることなんてざらにあるらしいぞ?」
「やっぱりその話本当なんですか?」
「やっぱり?」
「い、いえ、心配だったので冒険者ギルドに行って聞いてきたんです」
「で、俺とおんなじこと言われて軽くあしらわれたと。しかも、Aランク申請中の冒険者だったもんだからって感じか?まぁ、普通は一日で潜れる限界があるからな。朝には戻るとなれば浅い階層でなにかやってるとしか思われないだろうしな」
「うぅ、とにかく良かったよ」
「シェリーもシアもミアも本当に悪かったな。ごめん……とりあえずこの話は終わり。ご飯は食べた?」
「い、いえ、食べてないです」
「じゃあ、ご飯を食べよう。その後続きからダンジョンを攻略していこう」
「わ、わかった」
「昨日あれだけ過酷だったのにもう疲れがほとんどないなんて」
「びっくりだよねお姉ちゃん」
「はい。それじゃあ、食堂で食べよう」
こうして俺たちはブランチを食べて、ダンジョンへと向かった。
「今日も一段ときつい……」
「まぁ、それだけ奥の階層に来ているからな」
シェリーはまだ口をきけるが、双子はすでにバテてる。
「でもここまで来たじゃないか。昨日俺はここからスタートしたんだが、このペースなら明日には俺のところまでこれるかもな」
「「「……」」」
三人共無言だった。
「まぁ、焦ってレベル上げしなきゃいけないってわけじゃないんだから、ゆっくりでいいんじゃないか?」
そう言うとあからさまに、安堵した。
「とは言え、強くなってもらわないと困るけどな……亜神の強さはこんなものじゃないらしいし」
(すでにレベルが1000を超えたゼクスさんは本当は結構亜神の中でも上位に位置する方たちと戦っても遜色ないどころか、魔法のイメージ力のおかげで、すでにどの亜神より強いと言ってもいいんですけどね……言うとつけあがりそうなのでいいませんが。それに、徒党を組まれたらどうしようもないですし。人数にもよりますが)
と心の中で考えているタルトであった。
「とにかく、今日はまだ日が暮れてない。少し休憩したらまた再開だぞ!」
「……そう言えばタルトさんとピュアは刀なんだよね?」
「「えっ!?」」
「あっ、そう言えばミアとシアには言ってなかったな。そうだ。俺の持ってる刀はタルトとピュアの分身みたいなものだ」
「先輩の亜神様じゃなかったんだ」
「私も先輩の亜神様かと思ってた」
「それで、刀だけどどうした?」
「ステータスは?」
「わからないが、少なくとも俺達より強いのは確実だ。普通にこの肉体で戦ってもな」
(う~ん、ゼクスさんには越されているけど、黙っていることにしましょう。ピュアもいいですね?)
(わかったの!)
とこちらはこちらでテレパシーみたいな感じで会話をしていた。
「とにかく、強くなるにはもっと奥へ行かないとな」
「え?もう出発!?もうちょっとまってよ!」
「構わないけど……夜もここで特訓する?」
「……それはいいです。帰って寝たいです。ご飯食べたいです」
「……私も」
「……私も」
「じゃあ、もう少しだけ進もう。そしたら終わりにしよう」
こうして、俺はもう少し、もう少しと日が暮れるまでより下の階層へと向かってレベルを上げさせたのだった。
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