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第17話 新メンバーとダンジョンの管理権利授与

「セイン、俺のパーティーに入らないか?」


「......?.....は?」


 琥珀の言葉にセインは呆然とし、彼女以外もエレガたちは同様に頭の横に『?』の浮かべ首を傾げていた。


「何が俺のパーティーよ!いつから貴方のパーティーになったわけ!? 私達のパーティーでしょ」


 エレガは琥珀からセインへのパーティーへの誘いに呆然としていたが、ふと我に返りそう琥珀にツッコミを入れた。


「あ、悪い。俺達のパーティーに入らないか?」


 改めて琥珀はセインをパーティーに勧誘した。


「琥珀! この女はヨミスからの依頼で共に戦ったお前を最初は暗殺するつもりだった奴なのだろ? この女は入れても金を他から払われたら俺達を裏切る可能性がある」


「セインの能力はこれから必ず役に立つ」


「しかし...」


「ということは、つ・ま・り…定期的に私に契約金を――――」


「いや、普通に契約も定期的に金を払うこともしないからな」


「え゛ぇぇぇーーー!」


 かなり嫌そうな顔で絶望するセイン。


「俺、今さっき俺達のパーティーに入らないか? と、聞いたよな? 契約の話などそもそも俺はしていない」


「ちっ、良い財布が見つかったと思ったのに...。むっ...!」


「さ、財布...。だが定期的かは解らないが、それなりに金は得ることが出来るぞ?」


「へ~。いくら~?」


 セインはもう琥珀からのパーティー勧誘には興味を消失してしまっているようだ。


「まあ半年に一回、最低でも60万は――――」

「是非、パーティーに入れて頂きたい」


 一瞬にしてセインは真剣な眼差しとまるで神に祈るのかというくらい完璧な姿勢で琥珀の正面に正座し、先程までこのパーティーに入る気など一ミリも無かったであろう彼女は現在、自ら願い出てこのパーティーへの加入を希望している。何たる手のひら返し。これほどのものはベルムヘイド王国からエストへ向かう時に雇った御者のおっさん以来だ。


「この女、信用出来るのか?」


「大丈夫だ。金によく釣られる奴だが、腕は確かだ。それに月60万出すような暗殺依頼主はいない。運が良ければ半年の合計がそれ以上になる可能性は無きにしも非ずだが、長くは続かないその依頼から次の依頼を受けるまでの期間が長く、見つけるのにも苦労が必要となる。凄腕の暗殺者も案外、暗殺依頼が少なくて暇ということだ」


「なるほど。だが一回の依頼でその倍以上の金額を出す依頼主はいないのか?」


「可能性はかなり低い。まず平均的に国の兵士が月2万。冒険者は色々あるがSランクで3万。暗殺者は…解らないが、俺は平均7万だった。セイン、お前は月いくら貰っている?」


「…5万」


「平均的な商人の月給ってとこだな。で、自分で言うのもなんだが暗殺者の中でトップレベルだった俺とセインで月給5万から7万だ。そして俺達が受ける依頼は主に貴族や上級商人の暗殺。つまり一回の暗殺依頼で60万以上となるとそれ以上の存在、革命軍、闇組織の幹部か国の王、王女、姫などの依頼しか可能性はない」


 まあこのような依頼は年に一度の周期で定期的に出されているわけだが、毎回失敗に終わっているらしい。去年は確かベルムヘイド王国の暗殺。暗殺依頼は1000万だったらしい。そもそもこんな大金、依頼主はどこから引っ張って来ているのだろうか…?


「それで...私は入ってもいいのかな?」


「ああ。だがこのパーティーに入っている以上、他の依頼を受けることを禁ずる」


「うん。ところでそんな大金、払える保証はあるの?」


 と、そこで琥珀の頭に頭痛が走った。


『試されし者よ、条件クリアおめでとう』


 脳内には琥珀に時々流れ込む文字が浮かび上がった。だが今回はそれと共に倒れそうなくらいの音量が脳内に流れ込んでくる。耳からでは無く、直接頭に声の音量を強化魔法最大出量で流し入れられているような感覚。


 見た所、セインを含むこの場の全員が頭を押さえ倒れ込んでいる所からして全員にこの声と文字が脳内に流れ込んでいるのだろう。


『其方等は権利を得るに値する者達なのか』


「俺達は....権利を要望する...」


 苦し紛れにその声に向かってそう返答する琥珀。


『其方等の要望を承諾』


『あなた方のパーティーにはこのダンジョンの管理権利が与えられました』


『ご武運を…』


 そして声は止んだ。頭はまだ声による頭痛で立つことも間もならない。エレガが何かこちらへ喋りかけているようだが、耳が正常に機能していないせいか何を言っているのか解らない。だがしばらくすると次第に頭痛が無くなっていき耳も聞こえるようになってきた。


「琥珀、今のは...?」


「権利。このパーティーは今、全員にこのダンジョンの権利を与えられた」


「ダンジョンの権利? どういうことなの?」


「目に意識を送ってみろ」


「目に意識を???」


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ~鼠ノ洞窟~(改名可)


   ダンジョン魔物管理各階 :300

   ダンジョン全体トラップ数:100

   地形          :ノーマル

   ルート         :ノーマル


   能力:共有


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~


 と、目に意識を向けるとダンジョン内の情報と追加能力、共有という謎の能力が示されている。この程度の詳細でダンジョンを経営していくのだとすれば、先がかなり思いやられる。先程はセインに60万と言ったが、毎月その額は払えられないような気がしてきた。上手くやれば出来ないわけでは無いが、思っていたものより圧倒的にしょぼかったためかなり琥珀は現在かなりショックなのだ。


 ダンジョンの情報はより細かく、的確に分かるようになると思っていたが記され方が曖昧。説明も無し。これほどまでに不親切な説明書はあるだろうか。まだそこらのオヤジでもましな事を書ける。まあ誰もこれが説明書とは言っていないわけだが...。


 まあそんなこんなで琥珀、セイン、エレガ、ディアブル、エルク、メルの5人はダンジョン管理の権利を与えられたのだった。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

次の話からは第2章、「経営の始まり」に突入し、やっとこの作品の題名通りのストーリーを書き始めることができ、とても嬉しいです!


と、最後に今日から丁度一週間、休暇を頂きたく思います。

第二章からもより良いものを書けるように脳を癒す時間が欲しいのです~! (ただ疲れただけ)

では第一章、を読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします。


~休暇期間~

2018/02/10(土)~2018/02/17(土)

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