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第15話 次なる一歩

 朝方。琥珀たちは町からダンジョンへと続く一本道の両側に道に沿って並んでいる屋台で朝食を摂っていた。そして今日はある人とこの場で待ち合わせをしている。


「おはよう、琥珀君」


 ヨミスだ。その背後にはヨミスの護衛兼、暗殺者である4人の姿。


「ああ。では向かおうか」


 琥珀がそう言った時にはもうこの場の全員は食事を既に済ましていた。


「おはよう、琥珀君、エレガちゃん、そして皆!」


 馬車の中に入るとクレアが琥珀を含むこのパーティーの5人に挨拶をした。


「おはよう、クレア!」

「「おはよう」」

「お...おはようございます...」

「おはよう、クレア! 今日も元気だな! はっはっはっは!」


「今日は楽しみだね~。一体どんなものを琥珀君は見せてくれるんだろうね!」


 馬車内に入るといきなりハイテンションで喋り出すクレア。人目の付く場所で無口な暗殺者もそれ以外の場所ではよく喋り、自分の声、性格、素顔などを全て表に出しとても感じのいい人だったということなどよくあることだ。恐らくこれが本来のクレアなのだろう。特にその場所を何かしらの魔法で外部からの干渉を防いでいる場合、暗殺者はより普段通りに振舞い人目の付く場所とでは全くの別人に思えるほどの違いになることも多い。そして現在、この馬車もヨミスによると内部からの音、振動、魔法を一切外部に漏らさないような魔法が施されているらしい。そのためクレアがどれほど大きな声を出したとしても外部に聞こえることは無いのだ。


「今日は楽しみだね~。一体どんなものを琥珀君は見せてくれるんだろうね!」


「それはいずれ分かることだ。それよりもクレア、少し声を抑えてくれないか? 今から少々睡眠を取る」


「え? そう? ごめんね」


 するとアレックスは座りながらも目を閉ざした。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 


 ガタン..ゴト...。グググッ...。


「着いたみたいだな」


 アレックスは目を開けるとそう言い放った。まるで今まで起きていたかのように。馬車の振動や大地の魔力察知だけで目的地に着いたことを知り、自ら目を覚ますとは大した暗殺者だ。これが出来るのは琥珀の知っている中ではヨミスを入れて3人だ。


 それはともかく馬車から降りると最近、よく見慣れた洞窟が目の前に。


『鼠ノ洞窟』


「やっと着いたわね~」


「やはり俺は歩きの方が良かったような気がする。馬車の中は座っているだけで腰が痛い」


「すまないね。僕たちは馬車で移動をする方が慣れているからね...。あと僕は今から馬車を預けてくる」


 そしてヨミスがダンジョンのすぐ横に設置されてある馬車置き場へ馬車を預けに行き、この場にヨミスが戻ると彼、ヨミスの護衛4人と琥珀を含む5人パーティー、計10人でダンジョンへ潜って行った

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