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お待たせしました!

第二夜の続きです!




 月明かりが淡く学校を照らします。

 冷たい空気と冷たい風。

 足跡が薄くなった雪の降った後。

 暗い教室、暗い廊下。

 暗い昇降口。

 そこには一人の男子生徒と二匹の蝶がいました。

 男子生徒はどうやら夢から覚めた後から蝶が見えているらしく、伝承で聞いた事のある様な存在が何故自分の目の前に居るのか、と不思議に思って思わず蝶を見つめてしまいます。

 それを分かっているのかいないのか、ふわりふわりと淡く輝く鱗粉を静かに散らしながら、色違いの二匹の蝶は男子生徒を暗い学校から外まで導き、家まで付いて来ました。

 男子生徒は二匹の蝶の鱗粉を眺めながら、それが色の付いた雪や花弁の様に見え、不思議と穏やかな気分で帰る事が出来ました。

 その道中、現実味の薄く、それでいて不思議な存在として本来なら蝶は一際目立つと思われましたが、周りの人間から見える様な事は一切ありませんでした。



――――――



 冬が終わり、桜の咲く季節。

 春が来た頃、二匹の蝶はまだ俺の所に居た。

 何故なのかなんて理由は分からない。

 けど気が付けば近くに居て蝶を視界に入れる度、懐かしさと心がふわりと温かくなる。

 俺はあれから、あの子(後輩)の夢を見た事は無かった。

 それでもあの夢を見た後からずっと、不思議と近くに居る気がするのだ。




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