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再会

お待たせ……しましたorz




 ふわり……


 ゆっくりと雪が舞う中で、先ず思った事が、「寒い」だった。

 そして学校で、窓の外を見つめ続ける、少し大人びたあの人を、見つけた時、私は感動と様々な感情と共に、複雑な気分になった。

 私が迷いの森に行ってから、どのくらいの時間が過ぎたんだろう。

 あの人は私を、見付けてくれるかな。

 本当は会わせる顔なんて、無いのかもしれない。

 でもきっとこの姿()は、あの人にも見えないんだろうな。

 あの人を見付ける事が、出来た嬉しさはあれど、やっぱりほんの少しだけ、寂しかった。



――――――



――――……んぱい……聞こえ……起き……くだ……――――


 耳元で微かに、声が聞こえている気がする。

 俺のよく知る後輩の声。

 あれ?

 でもあの子は今――――


「先輩ってば、こんな寒いのに寝ちゃうだなんて

 起きて下さい、もう授業終わっちゃいましたよー

 今日は雪も降ってるんですから

放課後とはいえ、寒いし暗くなるのも早いんだから

身体なんて、すぐに冷え切っちゃうんだから

 全く、起きないとイタズラしちゃいますよーだ」


 声に吊られて、ゆっくりと目と頭を上げる。

 視界がぼんやりしている上に、まだ眠い。

 正直ぼやけててあんまり見えないが、今は夕方か。

 窓から橙色の夕日が、差し込んでいる。

 窓は全開にされているが、暖かい風が入ってくる。

 カーテンが何故か、青い蝶に遊ばれる様に、揺らめいて。

 俺の今座ってる席の、側に立ってるのは、緩やかな風を受けて、肩まである黒い髪を抑えている。

つり目がちな瞳の奥に、優しげな色とどこか寂しげな色を滲ませて、懐かしそうに微笑む、夏の制服と鞄を持った、いつも通りの後輩が居た。

 照れた様に、頬がほんのりと赤く染まっている所まで、いつも通りだった。

 なんだ、ちゃんと俺の目の前に居るじゃないか。

 それに雪なんて。


「やっと、声が届きましたね」


そう言った後輩はいたずらっぽく俺に微笑みかけるのだった。




今回結構難しかったのです……

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