霧の中の怪人
はい、タイトルを変えちゃいました。
意志薄弱ですいません。
大神シリーズで固めても良かったんですが、関連性がなさすぎて辛かったのである程度話と繋がるタイトルにしました。
神出鬼没なんて言うほどではないが、確かにあの和服の少女も突然現れる。
まだ、二回しか会っていないが、妙に親しげにこちらに関わってきているように思える。
親しげって、とりあえず好きな女の子を暴かれただけなんだけどな。
「わざわざ朝から見張る必要はもう無い」
と言ったのは当然のごとく俺だ。
今のところわざわざ朝早くに起きて会いに行くのが面倒になったからとかそんなことはない。
もう、普通に呼び出せば会えるんじゃないか?
もちろん、最低限の手土産は必要であろう。
「え~あれが楽しかったのに」
会長は文句を言うが
「岩手会長、出来れば朝早くはやめて欲しいです」
と珍しく俺に意見を合わせてくる御剣。
「犬が 「犬太郎 「駄犬が、言うことはどうでもいいですが、少し家で騒ぎになりかけているので」
訂正を求めたが悪化してしまったのは置いといて、御剣の家はかなりの金持ちの家で御剣は箱入り娘一歩手前の人物である。
御剣の両親は、甘やかさないようにしているようだが、どうにも過保護過ぎる使用人が居るらしい。
なんだろうな過保護な使用人って……。
「できれば常識の範囲内でお願いします」
「うっ」
好奇心を軸に動いているとはいえ常識を持ちだされると会長も弱い。
「わかったわ、でも、本当に朝早く以外でも会うことができるの?」
「ああ、伊達に専門家と言われてるわけじゃないことをちゃんと御剣にも示さないとな」
「私だってちゃんと調べてます。 犬の嗅覚と比べられるのは少々困りますが」
鋭い目つきでこちらを睨む御剣、そんな目で見られても何も出ないぞ?
「あの神社は、昔、ここらで猟師が狩った熊を祀った神社だ」
「熊?」
「大熊です」
「ああ、山の主と言われた大きな熊だ」
ノートを取り出し熊の絵を描く
「かわいい」
「…………はっ! そ、そこそこだな」
なんで、ツンデレっぽいの御剣……。 そんなチラチラ見ずとも普通に見ればいいのに、そう思っているとこちらの視線に気づいた御剣は完全にそっぽを向いた。
それはさておき、熊の横に会長をディフォルメした絵を描く。
「なるほどおおきいね。 それに、大神君は絵がうまいね」
「観察力を鍛えるためにいろいろやらされてた一環でね」
「ふ、ふん、私だってそのくらい」
「なぜに張り合う」
御剣と俺の区分は違うというのに
「刀子ちゃんはどんなことを調べてきたの?」
「私は、神社の大熊が何が好物か調べてきました」
と言って御剣はメモ帳を取り出す。
「魚を主に奉っていたようなので、魚があればいいと思います」
「そう、じゃあそれは私が揃えておくね」
「私も付いて行きます」
「このぐらいは一人で大丈夫だよ」
「いや、御剣と一緒に行動してくれ」
御剣は驚いた顔で、会長は疑問を浮かべた顔でこちらを見る
「すでに、怪異と関わっている以上家に居る時以外は専門家と一緒がいいからな。 特に、これから関わろうとしているから魑魅魍魎が寄ってこないとも限らない」
土地神だったかもしれないからなあの少女、土地神の力に引かれるものは多い。
しかし、よくないものが集まりすぎるとその土地は弱ってしまう。
だから、土地神に縁が出来た可能性がある以上気をつけるにこしたことはない。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
意外と絵がうまい大神君他にもスペックは低くない大神くんのいいところを書いてみたいです。
ちなみに成績はあまりいい方ではなかったかな?




