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第五章 九話 教会

ちょっと短めなので明日も投稿します。

 俺は急いで教会へと向かう。

 クライシスは、仕事の時はちゃんと修道服に着替えてから行動する。

 だからこの町で唯一の教会に向かっているだろうということは予測できるし匂いもそちらに続いている。


「さて、問題はどこまで確信を持ってるかだが」


 一人走りながら呟く。

 クライシスが行動に移した以上【悪食】を俺が匿っていることは確実に分かっているはずだ。

 しかし、何処に匿っているかまではわかっていないはずだ。

 だから、走りながら携帯を取り出す。


『もしもし、どうしたのタロちゃん』

「ああ、姉ちゃん。

 教会に【悪食】が岩手家にいることがバレたかもしれない」

『何だって!?』

「取り合えず時間は稼ぐから【組織】として動いてくれ」

『分かった』


 通話を切り溜息をつく。

 姉の声が仕事モードになってたから一先ずは安心だ。

 問題は、【組織】がどう対応するかだ。

 教会ほど融通が利かないというわけではないにしろ、組織である以上は、どうしても動きが固くなる。

 【悪食】の所業を悪として教会に突き出すか、あるいは、利用価値を見出だして囲い込むか。

 どちらにしろある程度の時間を稼ぐ必用がある。


 まあ、姉ちゃんが今回は味方だから大丈夫だろう。


 思考整理が終わったところで教会に到着する。

 教会と言ってもそれほど大きいものではないが、それでも収容人数は百人を超える建物だ。

 まあ、こんな地方にそんなでかい教会なんてあるはずがない。


「とりあえずは、あいつの動きを止めないと」


 クライシスと対峙する準備をして教会に乗り込む。


 切り札が通じるかどうかで今後の教会と組織の関係も変わってくる。

 さて、正義の使者に通じてくれるか。


 教会の扉を開くと静謐な空間が視界を満たす。

 視界のほとんどが、白なので清潔な印象もありさらに青を中心とした寒色系の色調が、神聖な空気を醸し出している。


 その中で一人、十字架に向かって祈りを捧げる修道女が居る。


「お祈りは終わったか?」


 まるで悪役のセリフを口にする俺。


「ええ、何時でも粛清に向かえます」


 そう言って修道女はこちらを向く。


「悪いやつじゃないんだがな」

「性格は関係ありません。

 【悪食】は、私たちにとって存在そのものが悪なのです」


 冷たい視線が俺を貫く。

 仕事モードのクライシスと対峙するのはこれで三回目だ。

 因みに前回の二回は負けている。

 まあ、戦闘を主体としていない俺としては勝つ必要はない。


「今回は勝たせてもらうぞ」

「それは、こちらの台詞です」

「見解の相違だな」

「そうですね。 ただ」


 クライシスの手元にある武器に視線が向かう。

 相変わらず物騒な武器を使っているな。

 それを使う存在を大抵の人はこう言う。


「これ以上の問答は無用でしょう」

「ああ」


 死神と。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

何だろうか自分的には大神犬太郎の観察報告の方が書きやすいのに転生生活の方が見る人が多い。

モチベーションが転生生活の方に偏ってしまう。

なろうの異世界補正はしゅごい

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