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第四章 十話 不穏

「御剣か」


 ポニーテールの幼なじみ、御剣刀子が現れた。


「っち、間に合わなかったか」


 ぼそりとつぶやく。


「すまない俺が足止めしておけば」

「なんのことだ?」

「え? いや、あいつを捕まえにきたのかと思ったから」

「あいつ?」


 本当にわかっていないようだ。


「じゃあ、何しにきたんだよお前」

「もふもふだ」


 その言葉を聴いて俺がため息をついてしまうのも仕方がないだろう。


「まあいい、連続放火魔を見つけたぞ」


 その言葉を聴いて御剣は視線を鋭くする。


「それは本当か?」

「ああ、異能者だ間違いない」


 異能者というのは、穏行紅之方で使われる特異な力を持つ者のことだ。

 特異な力の手に入れ方は人それぞれだが、特徴としては精神が病んでいる人が多いのが特徴だ。


「なるほど、どうりで、しかし、それを逃がすとは」

「おいおい、彼女を守りながら戦ってたんだぞ?

 俺では、相手をするのは役不足だろう」


 あと、逃げ足が速かったしな。


「全く、これだから犬は」

「大神な!」

「ぷふっ」


 そんな笑いをこらえて失敗したような音が聞こえた。


「あ、ごめんなさい」


 俺が助けた少女だ。

 ちなみに現在進行形で俺の腕の中だ。


「犬」

「まて、この子はその放火魔に狙われてたんだ」

「で?」


 で? で?ってで?


「だからと言ってその子を抱きしめる必要はないと思いますが」


 そういわれてすぐに少女から離れる。


「はい、そのとおりです!」

「大丈夫ですか? えっと」


 御剣が言いたいことがわからないようで首を傾げる少女。


「あー、俺は大神犬太郎おおがみけんたろうでこっちのポニーテールが御剣刀子だ。

 お前の名前は?」


 と聞くと


「追ヶ崎美咲おいがさきみさき


 と答えた。


「追ヶ崎? 珍しい名前ですね」

「そうなのか?」

「ええ、私は聞いたことがありませんので」

「一般論的な珍しいじゃないんだな」

「そうですが?」


 おおう、鋭い視線が突き刺さる。


「ま、まあ、とりあえず美咲ちゃんを家に送ろうか」

「ああ、そのほうがいいだろうな。

 しかし、下の名前で呼ぶのは失礼ではないか?」

「そうか?」

「ううん、いいよ。 犬のお兄ちゃん」

「犬のお兄ちゃん!?」

「略して犬兄いぬにぃ

犬兄いぬにぃ!?」


 思ったより思い切ったせいかくをしているな美咲ちゃん。


「では行くぞ」

「わかった」

「なんだろうか、俺の扱いが酷くなっていくような気が」


 その後、特に問題もなく美咲ちゃんを家に送り届けた。



 ----------



 御剣とも別れて会長の家に戻ると会長と姉が出迎えてくれた。


「おかえり大神君」

「おかえりタロちゃん」

「ただいまって、なんでここにいるんだよ」

「ははは、弟がいるところならば私はどこへでも行く!」

「胸を張って言うな!」


 強調された胸に目が行かないようにしつつツッコむ。


「大神君が心配で来てくれたんだよ」

「そ、そうか」


 改めて姉に向かい。


「姉ちゃんは大丈夫だったか?」


 そう聞くと姉の様子が変になる。


「どうした?」

「うわーん、家が燃えちゃったよー!」


 突然泣き出しこちらに飛び込んでくる姉に思わず面食らうがしっかりと抱きとめる。

 そして、しばらくの間姉の頭をなで続ける。


「これはいったいなんなのじゃ?」


 その声に止められるまでは。



 ----------



 はぁはぁ、全く最近はついてないな。

 せっかく俺の秘密を知ってる唯一の奴がいたのに逃がしちまった。

 しかも他の奴にも秘密を知られてしまった。

 あいつに関してはこちら側だから大丈夫だとは思うが、しかし、あの女の子を逃がしてしまったのは痛いな。

 あの子が警察に報告しようと警察は信じないだろうが、全く信じないわけではないだろう。

 そうなればおれ自身がマークされるかもしれない。

 そうなる前にしとめときたかったんだが仕方がない。

 しかし、大体の居場所は把握した。

 次は確実に焼くか。


 ん?


「お嬢さん。 こんな時間にどうしました?」


 少女と言うにも幼い女の子が向こうから歩いてきた。

 さすがに子供が出歩くには危ない時間帯だ。

 犯罪者に狙われてもおかしくはないぞ。


「あなた、悪い人?」

「へ? いいえ、はいたって普通の消防士ですよ?」

「そう、じゃあ」


 そう言って少女は歩き出す。

 すれ違ったときゴシックロリータ、少女が着ている服装の名前を思い出すとそれが燃える瞬間が見たくなった。


「こんな時間に出歩いてちゃ危ないよ!」


 俺は振り返って少女に手を突き出す。


「ああ、やっぱりね」


 少女は口を開ける。

 次の瞬間視界が真っ暗になる。

 そして


 ガリッ、バリッ、ボリッ、バキッと音が聞こえてきた。

 それと同時に全身に激痛が走った。


「な、にが」


  そう言葉を発した後急速に意識が遠くなっていった。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

一週間って気が付いてみれば一瞬で過ぎてしまいますな。HAHAHA

これはひどい

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