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第四章 八話 謎の少女再び

 会長と御剣と焼き芋を食べ歩きしていると消防の制服を着た青年が歩いているのを見つけた。

 彼もこちらに気がついたようでこちらに向かってくる。

 何かあるのかと心のなかで身構えていると消防士らしき青年が挨拶をしてきた。


「こんにちわ」

「こんにちわ、消防士さん」


 会長が挨拶を返す。

 その後に遅れて


「こんにちわ」

「こんにちわ」


 と俺と御剣が挨拶を返した。

 要件を尋ねる前に消防士らしき青年が尋ねてきた。


「君たちココらへんで怪しい少女を見かけなかった?」

「怪しい少女ですか?」

「ああ、ここ最近放火現場の近くで目撃情報が多いからね。

 もしかしたらその少女が関わっているかもしれないと思って探しているんだ」


 嫌味のない笑みを浮かべる青年、顔つきは特にこれと言った特徴のない日本人らしい、人の良さそうな顔つきをしている。

 イケメンでもなく、かと言ってブ男でもない。

 消防士という仕事の加減か若干程度煙の匂いが服についている。


「見てないよ?

 大神くんと刀子ちゃんは?」

「私も見てないですね」

「…………」

「大神くん?」

「あ、ああ、そうだな。

 見た」

「本当か! っと失礼」


 一瞬すごい形相で笑ったかと思うと直ぐに元の顔に戻る。

 その一瞬の形相を見て俺は、何故か教える気がなくなった。

 それもそうだろう?

 少女を探しているというだけでも怪しいのに知っているということを聞いた途端嗤うのだから怪しさ満点花丸だ。


「ですが、場所はちょっと覚えていないです」

「そ、そうか。

 それは残念だ」


 食いついてくるかと思ったがあっさりと引き下がり。


「思い出したら教えてくれ、紅雀消防団で石川と言えばわかる」


 そう言って彼は去っていった。



----------



「結局何だったんだ?」


 俺の疑問に御剣は興味なさそうに答える。


「さあね?」

「ほら、あれじゃない。

 放火事件があまりにも多いから自らの足で探してるとか」


 会長は真面目に答えてくれたが、


「それはないと思う」


 と返す。


「どういうことだ? 犬」

「大神な。 もし、放火の犯人を捕らえたいというのであれば確かに現場周辺によく現れる怪しい少女を探すのは当然だが、それと同時に放火犯を見ていないかを聞くのは当然だろう?」


 俺の意見に会長が首を傾げながら尋ねてくる。


「でも、その女の子が犯人と確信してるとかじゃない?」

「もしそうなら警察に教えればいい、目撃証言としてな」


 捜査が進むこと請け合いだ。

 警察が無能なんてのは探偵小説の中だけだ。


「警察が信用してくれないとか?」

「消防士の目撃証言を信じないか?」

「そうか」


 放火犯を見たという消防士を信じないやつはいないだろう。

 消防士は火を消す役目だ。

 放火犯を見たら絶対に証言すると思うだろうし、なにより放火を放置するとしなくていい仕事が増えるからな。


「目撃証言できないけど確信しているとか?」

「それこそ、ありえないだろう、消防士本人が追いかける必要なんて無い」

「犬は、何かわかったとでも言うのか?」

「いや、はっきりはわからない。

 だが、何か、何か嫌な予感がするそれだけだ」



----------



 その後各自、家にかえることになったのだが


「でも御剣、別にお前の家じゃなくてもいいんじゃないか?」


 俺は、会長の家ではなく御剣の家に泊まることになったのだ。


「何を言い出すかと思えば、会長の家に狼、いや獣を解き放つなど考えられないからな」

「お前の中の俺って一体どうなってるんだ?」


 ということだ。


「犬だが?」

「はいはい、わかってましたよ」


 ふと、交差点を横切る少女に視点が止まった。


「どうした? 犬」


 少女を見てそしてあることを思い出した。


「悪い、御剣、用事ができた」

「ん?」


 その少女の後を追う。

 あの少女が何者だったのかが妙に気になったからだ。

拙作をお読みただきありがとうございます。

ストックがなくなってから次回予告さんは旅から出て戻ってきてくれません。


修正

ふと、すれ違う少女に視点が止まった。

ふと、交差点を横切る少女に視点が止まった。

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