大神犬太郎の活動報告書
しばらくだべります。
午前3時、あたりはまだ暗く夜と言っても問題ない。夜の冷気が肌をつつくそんな学校の校門の前で待ち合わせをしていた人と落ち合う。
「おはよう」
「おはこん」
生徒会長の挨拶に対して若干嫌味を混ぜた挨拶をする。
「おはこんって」
「おはよう、こんばんは、あわせておはこんだ」
「おはようとこんばんは、は違うでしょ」
生徒会長は腕組みをして首をかしげつつ顔をしかめる。
「どっちで返事するか迷ったんだよ」
「挨拶はちゃんとしなさい」
「へいへい」
「へいは一回」
「へいでいいのか?」
今度はこちらが首をかしげる
「とりあえず目撃情報があるところに行くわよ」
朝は寒いのはわかっていたのでそれなりの私服で出てきたのだけど生徒会長はまさかの制服だった。
「やっぱり朝は涼しいわね」
一応、制服の上からダウンを羽織っているので制服だけといよりはましか。
「会長、制服以外は無かったのか?」
「生徒会長として行動するなら制服を着るのは当然でしょ」
当然でしょと当然のように当然と言った表情で言われると何か自分が間違っているように思えてしまうが
「いや、こんな時間に制服を着た人が歩いちゃ駄目でしょ」
補導される確率上げんなよ。
「私にこそこそした真似しろとでも言いたいの?」
こちらを睨んでくる生徒会長。
「いや、補導される時間にウロウロしてるのにそんな事言われてもな」
「大丈夫よ、事情を説明すればちゃんとわかってくれるわ」
堂々としすぎて逆に辛い。今の心境を言えば他人の家の庭を勝手に通ってる気分だ。
「で、どこまで行くんだ」
「もうすぐ着くわよ」
と言った会長が見ている方を見ると神社の鳥居が見えた。
「この神社か?」
その神社に対する第一印象は小さい神社だった。
一般的な神主が居るような神社ではなく、近所の人でも気にしないようなそんな大きさの社だ。
「ついた、ここらへんで人が突然現れたり消えたりするらしいの」
「いかにもな話だな」
当然の如くこの小さな社がその原因の一つではあるようだけど、しかし、社の近くで消える存在なんて神社に祀られている神様以外に考えつかない。
あるいは、何かを見間違えたか。いや、普通はこっちだろうな。
「で、やっぱりここを見張るのか?」
「当然!」
ため息をついて、小さな社を調べてから隠れようと思い社の周りを見てから社の中を覗く。
社の中には古い鏡と御札らしきものが置かれていてその奥に小さな観音扉がある。
御札らしきものといったのはあまりにも古いものだったため確信がいかなかったからだ。
「まあ、とりあえずは怪しい物はないか」
おそらく鏡が依代になっているのだと思うが、御札らしきものは一体何なのかせめて文字が読めればな。
「じゃあ、隠れようか」
「神社に変わったところは無かった?」
「ああ特に問題は無いと思う」
流石に本体を確認する訳にはいかないしな。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
果たして小さい神社に何が?!
なんて大それたノリはしませんが、戦闘は何時か発生する予定です。
果たしていつ発生するのか。




